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博士論文
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国立国会図書館デジタルコレクション
デジタルデータあり
統計的品質管理手法に基づく硬脆性材料の超音波援用回転研削穴加工の最適化
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/11479138
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一般注記:
- 本論文は、汎用的な管理技術である統計的品質管理(Statistical Quality Control: SQC)手法に基づいて、硬脆性材料であるガラスの穴あけ加工を最適化する方法論を技術および経営の2つの視点から述べたものである。その目的は、本論文で提案するSQCに基づく加工のモデル化と最適化の方...
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書誌情報
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デジタル
- 資料種別
- 博士論文
- 著者・編者
- 小川, 昭
- 出版年月日等
- 2019-03-25
- 出版年(W3CDTF)
- 2019-03-25
- 授与機関名
- 目白大学
- 授与年月日
- 2019-03-25
- 授与年月日(W3CDTF)
- 2019-03-25
- 報告番号
- 甲第15号
- 学位
- 博士(経営学)
- 博論授与番号
- 甲第15号
- 本文の言語コード
- jpn
- 一般注記
- 本論文は、汎用的な管理技術である統計的品質管理(Statistical Quality Control: SQC)手法に基づいて、硬脆性材料であるガラスの穴あけ加工を最適化する方法論を技術および経営の2つの視点から述べたものである。その目的は、本論文で提案するSQCに基づく加工のモデル化と最適化の方法論が、加工品質の改善だけでなく、加工コストや生産性に代表される経営指標の向上にも有用であることを示すことである。品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)のいわゆるQCDはSQCで最も基本的な特性である。SQCに基づき加工(Machining)のQCDを最適化する技術(Technology)が経営(Management)にも役立つことを示すことは、Machining Technologyの事例でもあり、Management of Technology (MoT)の事例でもある。一般に硬脆性材料を加工することは難しい。そこで本論文で対象となる工程では超音波を援用した回転加工(Rotary Ultrasonic Machining: RUM)を採用した。RUMで重要な因子は、加工ツールの送り速度、回転速度、超音波出力の3因子、さらに工法としての送りモードや工具としての加工ツールがある。これらの主効果や交互作用が加工形状や性状(粗さ)に複雑に影響する。またクラックやチッピングが確率的に発生するため穴の形状や粗さが安定しない。形状不良が発生する度に根本原因の特定作業を進めるが、穴内部は測定が困難であるため定量的な評価ができない。このため本論文の対象工程では加工メカニズムが解明されず、工程改善が進まない状況にあった。経営判断としては、良品率が低下している状況や検査時間が増大することによるコスト増、さらにはライン停止による生産性の低下があることを承知のうえで、現状の製造を継続し、選別による製品品質の維持を行わざるを得ない状況であった。その後、生産技術の進歩から形状を転写するレプリカを穴内部形状の間接測定に応用する技術が開発された。このレプリカ法は多くの穴形状を高精度で、安価に、短時間で測定できる特徴がある。このため、本論文ではSQC手法の1つである実験計画法を活用して様々な条件で多数の穴加工を行い、その形状をレプリカ法で測定した。そして測定結果を統計解析することで加工メカニズムを解明し、加工形状をモデル化し、そのモデルに基づいた最適化を行った。本論文はこれらの取組を以下の各章で述べる。第1章ではまず研究背景を概観する。研究背景はSQCやRUMの歴史、硬脆性材料の現代社会での有用性とその加工の概要を示す。その後本論文の目的と意義を述べ、論文の構成を述べる。論文は全7章で構成されており、4つの事例を紹介する。第2章では本論文で扱う経営的課題と技術的課題を示す。経営的課題はSQC手法を活用し、加工メカニズムを解明したうえで、加工形状をモデル化すること、さらにモデルをもとに加工条件を最適化する方法で達成できることを述べる。技術的課題は、レプリカ法による穴内部形状測定の実用化である。そして非接触測定機を使用したレプリカ法が実用化されたことを述べる。本研究が開始された時点で穴内部形状の測定は実用化されており、技術的課題は達成されている。第3章では統計的品質管理手法に基づく超音波援用研削穴加工最適化の典型的な事例を述べる。そこでは、ガラス穴の直径、チッピング、クラックや生産性、工具消耗、工程管理コストの6特性について、加工機の3因子と加工ツール送りモードの4因子により最適化する方法論を示す。ここではツールの送りモードが経営視点で重要であることを示したうえで、モードごとに最適解を求めるシナリオとモードに共通した最適解を求めるシナリオを示し、両者の特徴を述べる。そしてどのシナリオを選択するかは、経営視点が重要となることを示す。第4章では、穴加工形状を真円ではなく楕円を前提として解析する方法を提案する。これは生産工程が準備期にあるとき、加工メカニズムの解明を目的として技術特性を新たに定義することで工程を早期に立ち上げるときに有効である。そして評価特性として、穴内部1点における楕円の2焦点からの距離の半分である半距離和、断面曲線を楕円としたときの粗さを取りあげる。楕円を前提とすることで超音波援用回転研削穴加工のメカニズムの一部を解明し、楕円に基づく評価の有用性を示す。第5章では、穴入口から出口にかけて、内部の複数点において楕円に基づく穴加工形状の評価を行い、3次元形状評価を行う。評価特性は、半距離和の平均値と変化率、楕円を断面曲線として求めた表面粗さの平均値と変化率、楕円の扁平率の平均値と変化率、および加工軸の振れの平均値と変化率である。半距離和はツールと加工3因子との交互作用の影響を強く受けること、さらには表面の粗さや扁平率との相関があることを示す。第6章では、まず加工に最適なツールを選定するために4本のツールで全12回の実験を行う。その後、最適なツールを使用して穴加工形状および粗さの最適化を行う。このとき加工因子が形状に与える影響を2次の効果まで評価する計画を立てたる。計画に従い実験を行って形状および粗さのデータを得る。形状は半距離和、性状は粗さの平均値と変化率である。そしてこれら4つの形状および性状特性を同時に最適化する方法と、形状特性に優先度をつけて多段階最適化する方法とを比較する。その結果、超音波出力は形状特性に対して1次の効果と2次の効果があること、同時最適化と多段階最適化では超音波出力の最適解が異なることを示す。そして最適化プロセスを明示し利害関係者との合意を図るためには多段階最適化が有用であることを示す。第7章では、SQCに基づいた4つの事例をまとめ、総括する。第3章と第6章は加工形状のモデル化および最適化の事例であり、第4章と第5章は加工形状のモデル化の事例である。そして本論文が技術と経営の両面で企業や社会の価値創造に貢献することを述べる。特に多段階最適化のアプローチは、特性の優先度を明確にし、モデルの構造を特定した後、利害関係者の同意を得ることを重視する点で技術に偏らない経営に貢献する最適化法であると結論する。本論文では超音波を援用した研削穴加工を取りあげたが、実験計画法により得られた測定データを分析し、メカニズムを解明したうえでモデル化することが可能であれば、本論文の最適化の方法論は製造業のさまざまな加工(除去加工、付加加工、成形加工)にも適用が可能である。2018年度
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/11479138
- コレクション(共通)
- コレクション(障害者向け資料:レベル1)
- コレクション(個別)
- 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
- 収集根拠
- 博士論文(自動収集)
- 受理日(W3CDTF)
- 2020-04-06T03:04:11+09:00
- 作成日(W3CDTF)
- 2020-03-17
- 記録形式(IMT)
- application/pdf
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