並列タイトル等Study on long -term reliability of Polyethylene pipe for hot water application
一般注記国内で使用される温水配管のほとんどが、架橋ポリエチレン管である中、省エネ・コストダウン、リサイクルを可能にする温水用非架橋ポリエチレン管の長期信頼性について検討した。 先ず、ガス温水システムの概要と温水樹脂管の要求性能、現状のJIS規格の設計の考え方や試験方法、温水用非架橋ポリエチレン管のISO規格など関係規格についてまとめた。次に、温水用途の劣化要因について内面側からの要因と、外面側からの要因に分けて検討し、給湯用途と暖房用途毎に要求性能をまとめた。その上で、従来から行われている熱間内圧クリープ試験結果から温度依存性を検証し、実使用温度での寿命を求めた。その結果、目標時間に到達しないことが分り、その原因について明確にした。更に、熱間内圧クリープ試験の結果を受けて、実使用環境に近い温水循環試験での温度依存性や圧力依存性について改めて実施した。その結果、劣化には温水中の溶存酸素や樹脂内の酸素拡散が大きく影響していること、温水循環試験における酸化劣化の温度依存性がないこと及び圧力依存性があることを明確にした。 温水用ポリエチレン管の他原料である2344、XP9000とDX800の3種類の原料の温水循環試験の比較を行った。その結果、酸化防止剤の消費速度はDX800≧2344>XP9000の順であることが分った。試験初期の酸化防止剤の消費動向がその後の消費速度に大きく影響を与えていることを明確にした。後結晶に伴う球晶成長の差が、酸化防止剤の消費速度に大きく影響していることなど、温水用途としての長もちの要因と樹脂構造の関係を明確にした。 最後に、各種耐久試験を通して得た知見及び現在可能な長もちのための延命効果を検討しまとめた。温水用途として最適な樹脂構造を確立させて、必要最小限の酸化防止剤配合で出荷、成形メーカーで目的・用途に応じた酸化防止剤の配合をカスタマイズできる環境が整えば、長もちする温水用ポリエチレン管を設計することが可能となり、幅広い応用が期待できる。
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受理日(W3CDTF)2020-07-06T20:31:19+09:00
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