並列タイトル等Research on initial fracture of fiber reinforced plastic tube in axial compression
一般注記type:Thesis
繊維強化複合材料(FRP)は金属と比較して比強度や比弾性率が高く,構造物の軽量化に寄与する.また,FRPを圧縮すると繊維破断や積層剥離等の微細な破壊が繰り返され,これらによりエネルギーが吸収されるという金属とは異なる特徴を持つ.破壊のさせ方により,繊維,マトリックスや層間が逐次破壊していく現象が発現し,エネルギー吸収効率が高いことでも知られる.この現象はプログレッシブ・クラッシングと呼ばれ,一部の自動車のクラッシュボックスに利用されている.しかし,破壊が始まり,プログレッシブ・クラッシングが発現するまでの遷移過程については,破壊メカニズムに関する詳細な分析例はほとんどなく,十分な解明が進んでいないのが現状である.このことから,プログレッシブ・クラッシングに関するCAEの適用も破壊の初期段階からは十分には再現できておらず,事前検討や設計が可能な状態であるとは言えない.以上を踏まえ,本研究ではFRP円筒の軸圧縮破壊時にプログレッシブ・クラッシングが発現するまでの初期段階の破壊メカニズムの現象を明らかにした.また,その現象を簡便に再現可能なFEMモデルを構築し,構築した断面モデル,および円筒モデルを用いてFRP円筒の軸圧縮破壊における,初期破壊時の層間破壊について,層間強度や亀裂進展性といった破壊靱性やエネルギー解放率の影響を検討した.その結果,層間の強度や亀裂進展性,そして外周部の周方向の破断の有無が初期破壊時の破壊モードに大きな影響を与えることが判明した.この結果,層間強度や亀裂進展性,および円筒の周方向強度が初期破壊時の層間破壊に影響を与え,ひいてはFRP円筒のエネルギー吸収量に変化が生ずることを明らかにした.
コレクション(個別)国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
受理日(W3CDTF)2022-05-09T11:57:37+09:00
連携機関・データベース国立国会図書館 : 国立国会図書館デジタルコレクション