並列タイトル等Effects of electroacupuncture on motion sickness —Comparison of different acupoint sites—
一般注記【目的】視覚性動揺病を誘発した際には嘔気・嘔吐と共に各種自律機能の変化が引き起こされ,内関穴(PC6)への鍼刺激により症状の改善が得られることが既に報告されている.しかし,消化器愁訴に対する鍼刺激の効果は他の経穴においても有効性が報告されている.そこで本実験では胃電図,視覚的評価スケール(VAS),乗り物酔いの自覚症状スコアー(SSMS スコアー)を指標とし,内関穴(PC6)・足三里穴(ST36)・天枢穴(ST25)に鍼刺激を行った際の視覚性動揺病に対する効果を比較した.【方法】被験者を無刺激群(n=10),内関穴刺激群(n=10),足三里穴刺激群(n=10),天枢穴刺激群(n=10)に振り分け,optokinetic drum を用い視覚性動揺病を誘発した.drum 回転前 15 分,回転中 15 分,回転後 15 分の計 45 分間胃電図の記録を行い,その前後で嘔気症状を VAS および SSMS を用いて評価した.各経穴への鍼通電刺激は 15 分間の drum 回転中に行った.【結果】無刺激群および天枢穴刺激群は drum rotation により胃電図の正常波の有意な増加(p<0.01)および強い嘔気の出現が認められた.しかし,内関穴刺激群・足三里穴刺激群でそのような変化は認められず,motion sickness に伴う胃電図の dysrhthmia および嘔気出現とその強さの程度の抑制が認められた.【考察】motion sickness に伴う嘔気および胃電図の dysrhthmia は内関穴および足三里穴への鍼通電で抑制された.このことは,内関穴のみに特異的な作用があるわけでは無く,足三里穴への鍼通電も効果的であることが明らかとなった.
2015年度
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受理日(W3CDTF)2022-05-09T11:57:37+09:00
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