博士論文
集落営農組織論 : 2階建て方式の発展に向けて
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集落営農組織論 : 2階建て方式の発展に向けて
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/8951421
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2023-09-04 再収集
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書誌情報
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デジタル
- 資料種別
- 博士論文
- 著者・編者
- 長澤, 奨
- 著者標目
- 出版事項
- 出版年月日等
- 2014
- 出版年(W3CDTF)
- 2014
- タイトル(掲載誌)
- 博士論文(埼玉大学大学院経済科学研究科(博士後期課程))
- 授与機関名
- 埼玉大学
- 授与年月日
- 2014-03-24
- 授与年月日(W3CDTF)
- 2014-03-24
- 報告番号
- 甲第88号
- 学位
- 博士(経済学)
- 博論授与番号
- 甲第88号
- 本文の言語コード
- jpn
- 対象利用者
- 一般
- 一般注記
- 本稿では、2000年代の担い手育成政策の展開過程で、大規模農家とともに担い手に位置づけられた集落営農組織の発展に向けた検討をおこなった。具体的には、地域農業と地域社会の維持、発展に向けた仕組みをどのように創るべきかを検討するために、楠本雅弘の2階建て方式の理論を踏まえて事例研究をおこなった。 楠本雅弘が提唱した2階建て方式とは、集落営農の仕組みを構造的に把握して検討する方法である。2階建て方式の要点は、農地、住民、水、里山等の地域資源を基礎(土台)として、地域資源の共同管理、調整を1階部分がおこない、2階部分が多様な活動をおこなうことで地域住民全員の参加を可能とし、地域農業と地域社会の発展に向けた仕組みをつくることにある。集落営農を2階建て方式の考え方に基づいて検討することは、2000年代の農業組織論において課題とされている、農業経営の維持、発展のための経済的側面と地域社会の維持、発展のための社会的側面を包括的に検討する際に有益である(第1章)。 集落営農組織の農業政策上の課題は、農業政策が「効率的かつ安定的な農業経営」を確立するための産業政策に注力しているために、地域振興政策が産業政策の後景に退いてしまっていることから、体系的に未整備な状態の農業政策に、どのように対応するのかにある(第2章)。そして、集落営農組織の全国データを確認すると、①地域資源の維持、管理、利用の方法、②地域農業の形成に関与する労働力の確保、③土地や機械の所有、利用の仕組みづくり等が課題であることがわかった。以上の集落営農組織が直面する課題に対して、2階建て方式は、包括的に取り組むことを可能にする仕組みであると考えられる(第3章)。 第4章では、楠本の2階建て方式の理論を確認したのちに、2階建て方式に関する研究者の見解を紹介した。その結果、2階建て方式の論点が1階部分にあることが確認できた。そして、2階建て方式の仕組みが機能するためには、1階部分の活性化、稼働(農地の利用調整)、1階部分による土台の村落原理と2階部分の営利を追求する地域営農システムという異なる原理の調整、1階部分の組織の形成に関与する人材をいかにして2階建て方式の仕組みに関与させるか等が、柳村俊介や小林元によって指摘されている。前記の課題の解決方法として、小林は、1階部分の形成に関与する、土台にあたる農地の出し手を「農」から切り離さない産地化戦略や少量多品目型産地化の導入を提起している。 第5章以降では、楠本の2階建て方式の理論を踏まえて事例研究をおこなった。第5章の福井県敦賀市の山生産組合の事例研究からは、2階部分の組織の活動として、伝統野菜を活用したオーナー制度の導入やまな祭りを開催することで地域社会の維持、活性化および地域農業を維持しようと試みている様子が確認できた。しかし、2階部分の山生産組合の組合員と1階部分を活性化するために必要となる山集落の農業労働力が衰退しているために、地域農業と地域社会の衰退が懸念される。 第6章の田尻農産の事例研究では、2階部分にあたる田尻農産が、農地の利用権を設定する仲介役になり、1階部分の農地の利用、調整の役割を補完していることが確認できた。そして、2階部分の田尻農産を窓口とした農産物の直接取引が、地域資源である土台と2階の人材に経済的インパクトを与えることで、2階建て方式の仕組みに人材をつなぎとめていた点が評価できる。田尻農産の課題は、2階部分の活動が1階部分を活性化させるほどの効果を生み出していない点にある。 第7章の生谷農苑食環組合の事例研究では、産業政策と地域振興政策に適応する仕組みを確立しつつ、土地や機械の所有、利用の仕組みを確立している様子を確認することができた。そして、転作田を活用したコスモスの植栽を契機として、土台である地域住民を「農」から切り離さない仕組みづくりと、土台と2階部分の相反する原理の調整をおこなうきっかけがつくられていた。生谷農苑食環組合の課題は、佐倉市の主導のもとで地域農業が形成される過程で、生谷地区に同組合の活動が限定されてしまったことで、2階部分の発展の可能性を萎縮させている点にある。 第8章の宮守川上流生産組合は、第2章から第4章で確認した諸課題に対して、包括的に取り組むことを可能にした2階建て方式の仕組みである。2階建て方式の仕組みが確立されている要因は、①換地を通じて1階部分を稼働(農地の利用調整)させた、②土台の村落原理と2階部分の営利を追求する地域営農システムという、異なる原理を調整している、③2階部分に地域づくりをおこなう組織と農業経営の発展のための組織を明確に位置づけた、等である。そして、2階部分の組織が1階部分の組織の役割を補完することで、宮守川上流地域の2階建て方式が機能していると考えられる。さらには、宮守川上流地域の集落営農が前記の効果を生み出している要因としては、宮守川上流生産組合が部会制度を導入して多様な活動をおこなう仕組みを確立したことも重要である。 宮守川上流生産組合が部会制度を導入したメリットは、①産地化戦略と少量多品目型産地化を実践することで、2階部分の担い手による農業経営の発展に向けた活動と土台にあたる組合員(農地の出し手)をはじめとした人材を「農」から切り離さないための仕組みを確立することに成功した。②地域づくりを目的とした部会を2階建て方式に明確に位置づけたことで、産業政策と地域振興政策に適応することができた。③集落営農の総合性(1階部分の地域づくりと地域農業システムの確立、産地化戦略と少量多品目型産地化による「攻めの仕組み」)を実践する仕組みを確立することができた、等である。 以上の2階建て方式の理論を踏まえた事例研究から確認できた事項をもとに、2階建て方式の3つの課題を整理した。2階建て方式の3つの課題のうち、最も重要である1階部分の活性化と稼働を実現するためには、まずは1階部分による土台の村落原理と2階部分の営利を追求する地域営農システムという異なる原理を調整する必要がある。次に、1階部分を活性化させる人材となる地域住民を、いかにして2階建て方式の仕組みに関与させるのかが課題となる。 そして、最も重要な2階建て方式の課題は、2階部分が1階部分の役割を補完する仕組みづくりにある。2階部分が1階部分の役割を補完する仕組みをつくるためには、2階部分の活動を充実させる必要がある。2階部分の活動を充実させることが、集落営農組織の課題として指摘した、地域資源の維持、保全にも繋がることが本稿の各地の事例研究によって確認できた。さらには、集落営農組織が直面する諸課題と2階建て方式の諸課題に合理的に取り組むためにも、2階部分が多様な活動をおこなう仕組みをつくることが必要である。2階部分が多様な活動をおこなう仕組みをつくることで、集落営農組織や2階建て方式の発展に向けた道筋が拓けるのではなかろうか。図表リスト .......................................................................................................................... v序章 ............................................................................................................................. 1第1章 集落営農組織をめぐる議論―2階建て方式が登場した経緯を踏まえて― ... 6はじめに .................................................................................................................. 6第1節 近年の集落営農組織に関する農業経済学の議論 ....................................... 6第2節 2階建て方式に関係する諸氏の見解 ......................................................... 8第3節 時期区分による農業組織論 ..................................................................... 10(1)1980年代の農業組織 ―地域営農集団と土地利用― ............................... 10(2)1990年代以降の農業の組織化の議論 ......................................................... 12小括 ....................................................................................................................... 14第2章 集落営農組織をめぐる施策動向について ................................................... 15はじめに ................................................................................................................ 15第1節 集落営農組織の定義 ................................................................................ 15第2節 1980年代の施策にみる農業の組織化 ..................................................... 16(1)過剰米問題と水田利用再編対策 ................................................................. 16(2)経済構造調整研究会のリポート ................................................................. 17第3節 1990年代の施策にみる農業の組織化 ..................................................... 19(1)新しい食料・農業・農村政策 ..................................................................... 19(2)農業経営基盤強化促進法 ............................................................................ 20(3)食料・農業・農村基本法 ............................................................................ 20第4節 2000年代の施策にみる農業の組織化 ..................................................... 21(1)米政策改革大綱 ........................................................................................... 21(2)農業経営基盤強化促進法の改正 ................................................................. 22(3)経営所得安定対策等大綱 ............................................................................ 23(4)地域振興政策の後退 ................................................................................... 25第5節 集落営農組織をめぐる二つの見解 .......................................................... 25(1)国際化政策における集落営農組織 .............................................................. 25(2)地域振興政策としての集落営農組織 .......................................................... 26小括 ....................................................................................................................... 27第3章 集落営農組織の現状 ................................................................................... 29はじめに ................................................................................................................ 29第1節 集落営農組織の設立実態 ......................................................................... 29第2節 集落営農組織の活動実態 ......................................................................... 32第3節 集落営農組織を構成する農業集落数と農地の集積実態 .......................... 38第4節 農林水産政策研究所『近年の農業構造変化の特徴と地域特性に関する研究成果報告~集落営農組織の動向と大規模個別経営との関係を中心に~』にみる集落営農組織の動向 ......................................................................... 41(1)調査の目的 .................................................................................................. 41(2)集落営農組織の動向の分析結果にみる農地の引き受け手の課題 ............... 41(3)地域農業の担い手としての集落営農組織 ................................................... 41第5節 研究者による集落営農組織の地域別の特徴 ............................................ 43小括 ....................................................................................................................... 44第4章 2階建て方式理論 ....................................................................................... 46はじめに ................................................................................................................ 46第1節 楠本雅弘による2階建て方式の定義と目的 ............................................ 46第2節 2階建て方式の仕組み ............................................................................ 48第3節 2階建て方式の論点 ................................................................................ 49第4節 2階建て方式の課題 ................................................................................ 53小括 ....................................................................................................................... 57第5章 事例研究 ―福井県敦賀市山集落山生産組合― ........................................ 59はじめに ................................................................................................................ 59第1節 北陸地方の集落営農組織の特徴 .............................................................. 59第2節 福井県の集落営農組織の特徴 ................................................................. 60第3節 福井県敦賀市山集落の概況 ..................................................................... 61第4節 山生産組合の発足の経緯 ......................................................................... 62第5節 山生産組合の活動実態 ............................................................................ 64(1)設立当初からの活動実態と現状 ................................................................. 64(2)地域資源「まな」の有効活用 ..................................................................... 65小括 ....................................................................................................................... 67第6章 事例研究 ―大阪府豊能郡能勢町田尻地域― ............................................ 69はじめに ................................................................................................................ 69第1節 近畿の集落営農組織の特徴 ..................................................................... 69第2節 大阪府の集落営農組織の特徴 ................................................................. 71第3節 能勢町および田尻地域の概況 ................................................................. 72(1)能勢町の概況 .............................................................................................. 72(2)田尻地域の農業実態 ................................................................................... 73(3)田尻地域の社会的背景 ................................................................................ 73第4節 田尻おお杉の会および農事組合法人田尻農産の設立経緯 ...................... 74(1)田尻おお杉の会の設立 ................................................................................ 74(2)農事組合法人田尻農産の設立 ..................................................................... 75第5節 農事組合法人田尻農産の活動実態 .......................................................... 78(1)受託作業 ..................................................................................................... 78(2)農作業の受委託、利用権設定の仲介 .......................................................... 79(3)農園の管理事業 ........................................................................................... 79(4)直売所の開設 .............................................................................................. 80(5)農産物の直接販売 ....................................................................................... 80小括 ....................................................................................................................... 81第7章 事例研究 都市近郊にみる集落営農組織―千葉県佐倉市生谷(おぶかい)地区― ............................................................................................................. 84はじめに ................................................................................................................ 84第1節 関東の集落営農組織の特徴 ..................................................................... 84第2節 千葉県の集落営農組織の特徴 ................................................................. 85第3節 千葉県佐倉市および生谷地区の概況 ...................................................... 86(1)千葉県佐倉市の概況 ................................................................................... 86(2)生谷地区の概況 ........................................................................................... 87第4節 生谷農苑食環組合の前身、佐倉市生谷機械施設利用組合および生谷互助転作組合の発足経緯 .................................................................................... 88(1)佐倉市生谷機械施設利用組合の発足(1984年以前) ............................... 88(2)生谷互助転作組合の発足(1985年) ......................................................... 89(3)佐倉市生谷機械施設利用組合の活動実態(1986年以降) ........................ 90(4)佐倉市生谷機械施設利用組合および生谷互助転作組合の活動の効果 ........ 90第5節 生谷農苑食環組合の発足および活動実態 ............................................... 91(1)生谷農苑食環組合の発足 ............................................................................ 91(2)生谷農苑食環組合の活動実態 ..................................................................... 931)農作業の受委託 ....................................................................................... 942)後継者の育成 ........................................................................................... 943)新たな地域資源としてのコスモスの植栽 ............................................... 94(3)地域環境の保全問題 ................................................................................... 95小括 ....................................................................................................................... 96第8章 事例研究 ―岩手県遠野市宮守町宮守川上流地域― ................................. 99はじめに ................................................................................................................ 99第1節 東北の集落営農組織の特徴 ..................................................................... 99第2節 岩手県の集落営農組織の特徴 ............................................................... 100第3節 岩手県遠野市宮守町、宮守地域の概況 ................................................. 103(1)遠野市宮守町の概況 ................................................................................. 103(2)宮守川上流地域の概況 .............................................................................. 103第4節 農事組合法人宮守川上流生産組合の設立 ............................................. 107(1)設立の背景 ................................................................................................ 107(2)宮守川上流生産組合の活動実態 ............................................................... 1101)部会制度を導入した目的 .......................................................................... 1112)部会ごとの活動の実態 .............................................................................. 112小括 ..................................................................................................................... 119終章 ......................................................................................................................... 123参考文献一覧 ........................................................................................................... 129(1)著書論文 ................................................................................................... 129(2)資料 ........................................................................................................... 132(3)URL .......................................................................................................... 134主指導教員 : 後藤和子副指導教員 : 禹宗杬副指導教員 : 鈴木邦夫
- DOI
- 10.24561/00010213
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/8951421
- コレクション(共通)
- コレクション(障害者向け資料:レベル1)
- コレクション(個別)
- 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
- 収集根拠
- 博士論文(自動収集)
- 公開開始日(W3CDTF)
- 2015-03-03
- 受理日(W3CDTF)
- 2015-02-03T05:25:05+09:00
- 記録形式(IMT)
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