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博士論文
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イオン交換樹脂を混和したモルタルの塩化物イオン拡散特性に関する研究
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/8952029
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一般注記:
- type:text本研究は,近年,昭和30年代から急ピッチで整備された社会資本のうちのコンクリート構造物が,わが国の高度経済成長,人口増加,物流の高度化といった時代背景から,より一層の高耐久性化・長寿命化を求められていることに着目したものである。本研究の目的は,これまで水処理技術に多用されているイオ...
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目次
2023-09-04 再収集
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書誌情報
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デジタル
- 資料種別
- 博士論文
- 著者・編者
- 真田, 修
- 著者標目
- 出版事項
- 出版年月日等
- 2013
- 出版年(W3CDTF)
- 2013
- タイトル(掲載誌)
- 博士論文(埼玉大学大学院理工学研究科(博士後期課程))
- 授与機関名
- 埼玉大学
- 授与年月日
- 2013-09-20
- 授与年月日(W3CDTF)
- 2013-09-20
- 報告番号
- 甲第924号
- 学位
- 博士(工学)
- 博論授与番号
- 甲第924号
- 本文の言語コード
- jpn
- 対象利用者
- 一般
- 一般注記
- type:text本研究は,近年,昭和30年代から急ピッチで整備された社会資本のうちのコンクリート構造物が,わが国の高度経済成長,人口増加,物流の高度化といった時代背景から,より一層の高耐久性化・長寿命化を求められていることに着目したものである。本研究の目的は,これまで水処理技術に多用されているイオン交換樹脂をモルタルに混和させることによって高耐久性コンクリート材料の開発を実現すべく,このモルタルでの塩化物イオン拡散特性を明らかにすることである。本論文の構成は,まずは第1章で社会資本・インフラが置かれている背景・状況に触れ,イオン交換樹脂の概要を述べ,これまでのイオン交換樹脂を扱った既往の研究を紹介した。第2章では,既往の研究では明らかとされていない,イオン交換樹脂が持つ塩化物の吸着特性(イオン交換能力),および塩化物の吸着を阻害する要因を2種のセメントを使って化学的分析により明らかとした。第3章では,一般的に汎用されているセメントである早強ポルトランドセメント,高炉セメントおよびポリマーセメントモルタルを対象に,イオン交換樹脂を体積混入率にして数パーセント混入させた場合の全塩化物量の変化を電位差滴定法により把握した。また,EPMAによる塩分(Cl-)の面的な分布の把握を行い,イオン交換樹脂の混入量が多いほど,全塩化物量が多くなること,および塩化物(NaCl水溶液)の浸漬表面から比較的浅い部分に塩分(Cl-)が吸着・固定化されることを明らかにした。第4章では,既に塩分が含有されているコンクリート構造物を模擬したモルタルに,イオン交換樹脂を混入させた補修用モルタルを貼り付ける実験を行い,間接的ではあるが,イオン交換樹脂が塩分含有モルタルの内部に存在する塩化物イオンを補修用モルタル側へ移動させる働き・特性があることを全塩化物量の定量およびEPMAによる塩分(Cl-)の面分析によって明らかにした。第5章では,第3章から得た知見をもとに,既存の界面吸着理論を用いて,塩分浸透実験によって得られた経時的な全塩化物量をある程度の精度でシミュレーションできないものかの検討を数値解析により行い,イオン交換樹脂が混入されたモルタルでの新たな塩分浸透予測モデルを提案したことを述べた。第6章では,第3章および第4章の結果から,イオン交換樹脂が混入されたモルタルが補修材料として用いられる場合を想定し,鋼材の腐食環境へ与える効果を検証した。具体には,ミクロセル腐食およびマクロセル腐食の発生を模擬した供試体を作製し,乾湿繰返し環境のもと,経時的に自然電位,分極抵抗,腐食電流密度,コンクリート抵抗(比抵抗)を計測把握した上で,イオン交換樹脂を混和させたモルタルは塩分含有モルタルに配置される鋼材の腐食環境を改善する特性を有することを明らかにした。第7章では,第6章までの室内試験結果を基に,実構造物における補修(断面修復)工事でイオン交換樹脂入りポリマーセメントモルタルを試験的に施工した内容を詳述し,補修用材料としての品質およびワーカビリティには問題が生じていないことを示した。以上の試験(実験)および検証の結果,イオン交換樹脂が混和された新たなモルタルは,従来のモルタルと比べて,塩化物イオンを吸着すると同時に拡散を抑制でき,補修材として使用される場合における鋼材の腐食発生の可能性をこれまでよりも小さくしえる特性を有するものであることを明らかにした。第1章 研究の背景と目的1.1 本研究の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11.1.1 背景1.1.2 コンクリート中の塩化物と鋼材腐食のメカニズム1.1.3 塩害対策の現状1.1.4 イオン交換樹脂とこれを用いた既往の研究1.2 本研究の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 151.3 本論文の構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16【本章の参考文献】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17第2章 化学的分析によるイオン交換能力と選択性2.1 化学的分析の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 202.2 早強ポルトランドセメントを用いた化学的分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 212.2.1 使用材料および分析手順2.2.2 分析結果2.3 アルミナセメントを用いた化学的分析および選択性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 232.3.1 使用材料および分析手順2.3.2 分析結果とイオンの選択性2.4 本章のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25【本章の参考文献】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25第3章 塩分浸漬試験による塩化物イオン吸着効果の検証3.1 塩分浸漬試験の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 263.2 供試体の作製,浸漬,圧縮強度およびヤング率 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 293.2.1 供試体の作製および浸漬3.2.2 供試体の圧縮強度およびヤング率3.3 吸着効果の検証 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 333.3.1 電位差滴定法による全塩化物量の定量3.3.2 EPMAによる塩化物(Cl-)の面分布3.4 イオン交換樹脂の混入量と全塩化物量との関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 363.4.1 セメント種別ごとのイオン交換樹脂の混入量と全塩化物量の関係3.4.2 早強ポルトランドセメントを使用した場合の経時的な全塩化物量の変動3.4.3 高炉セメントを使用した場合の経時的な全塩化物量の変動3.4.4 ポリマーセメントモルタルを使用した場合の経時的な全塩化物量の変動3.4.5 イオン交換樹脂が吸着可能な塩化物量に対する経時的な吸着割合3.5 EPMAによる塩化物の分布状況の可視化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 573.5.1 概要3.5.2 供試体の作製,分析用試料の作製,分析機器3.5.3 早強ポルトランドセメントでのEPMA結果3.5.4 ポリマーセメントモルタルでのEPMA結果3.6 本章のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 65【本章の参考文献】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 66第4章 イオン交換樹脂が塩化物含有モルタルの内部から表面方向への塩化物イオンの拡散に与える影響4.1 効果検証の目的と供試体の要因 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 684.1.1 供試体の作製手順および養生4.2 試験方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 734.3 塩化物含有モルタルおよび補修用モルタルと全塩化物量との関係 ・・・・・・・・ 744.3.1 供試体Aタイプで補修用モルタルに早強ポルトランドセメントを使用したケース4.3.2 供試体Bタイプで補修用モルタルに早強ポルトランドセメントとポリマーセメントモルタルを使用したケース4.4 EPMAよる塩化物の分布状況の可視化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 864.4.1 概要4.4.2 供試体の作製,分析用試料の作製,分析機器4.4.3 供試体B5A1,B5A2でのケース4.4.4 供試体B5B1,B5B2でのケース4.4.5 供試体BOA1,BOA2でのケース4.4.6 供試体BOB1,BOB2でのケース4.5 本章のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 98【本章の参考文献】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 99第5章 イオン交換樹脂混入モルタル中の塩化物の拡散現象を示す解析的検討5.1 使用するモデルと解析条件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1015.1.1 陰イオン交換樹脂が混入されたモルタルにおける見掛けの拡散係数5.1.2 解析の概要とモデルの定義5.2 固定化係数と塩化物イオンの拡散係数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1085.3 数値解析シミュレーション結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1085.4 本章のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 115【本章の参考文献】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 116第6章 イオン交換樹脂の混入が鋼材の腐食環境に与える影響―鋼材の腐食度診断―6.1 診断の目的・概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1176.2 使用機器と腐食環境条件,診断結果の評価・判断基準 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1186.2.1 使用機器6.2.2 腐食環境条件および測定値の評価・判断基準6.2.3 コンクリート抵抗(比抵抗)値への陰イオンの極限モル伝導率の影響6.3 配合および供試体 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1226.3.1 配合6.3.2 ミクロセル腐食への抵抗性の検証のための供試体6.3.3 マクロセル腐食への抵抗性の検証のための供試体6.4 ミクロセル腐食に対する腐食度診断の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1256.4.1 診断状況6.4.2 自然電位6.4.3 分極抵抗および腐食電流密度6.4.4 コンクリート抵抗(比抵抗)6.5 マクロセル腐食に対する腐食度診断の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1386.5.1 診断状況6.5.2 自然電位6.5.3 分極抵抗および腐食電流密度6.5.4 コンクリート抵抗(比抵抗)6.6 本章のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 151【本章の参考文献】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 152第7章 断面修復材料としての実用化(施工)に要する基本的な性能照査および試験施工7.1 断面修復材料としての性能照査項目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1557.1.1 断面修復工と性能照査項目7.1.2 配合7.2 性能照査試験結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1567.3 イオン交換樹脂の混入量と性能照査試験結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1577.4 試験施工の対象構造物と試験施工条件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1587.4.1 試験施工対象構造物7.4.2 試験施工条件7.5 試験施工状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1607.6 本章のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 163【本章の参考文献】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 163第8章 結論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 165別添関係資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 169謝辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 188主指導教員 : 睦好宏史
- DOI
- 10.24561/00010286
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/8952029
- コレクション(共通)
- コレクション(障害者向け資料:レベル1)
- コレクション(個別)
- 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
- 収集根拠
- 博士論文(自動収集)
- 公開開始日(W3CDTF)
- 2015-03-03
- 受理日(W3CDTF)
- 2015-02-03T05:25:05+09:00
- 作成日(W3CDTF)
- 2014-09-18
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