一般注記藤原忠通、基実等、摂関家累代の家司を勤めた平信範(1112~1187)の日記である。書名の由来は著者名の偏から採られたものであるが、他にも信範が兵部卿であったことに由来する「兵範記」(ヘイハンキ又はヒョウハンキ)あるいは「信範記」等の別書名がある。保元の乱、高倉天皇即位の記事などは詳細で、「保元物語」の記述をこれによって訂正することができる。平安末期の政治社会情勢を知る上で貴重な史料であるだけでなく、各種の古文書を収め、起草、浄写などの手続きも記されていることから、古文書学の史料としても重要な意義を持つものである。
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