ナチス期統制経済における貯蓄銀行の意義と産業金融に関する史的研究

Material type: 文書・図像類

Author: 三ツ石, 郁夫

Publisher: 滋賀大学経済学部

Publication date: 2006-03

Material Format: Paper

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Note (General)：: type:Research Paper本報告書は、平成16年度と平成17年度の2ヵ年にわたり、日本学術振興会科学研究費補助金の交付をえて実施された、基盤研究(C)「ナチス期統制経済における貯蓄銀行の意義と産業金融に関する史的研究」の研究成果である。報告者はこれに先立って平成10年度から12年度までの...

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課題番号 16530225

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Material Type: 文書・図像類
Title: ナチス期統制経済における貯蓄銀行の意義と産業金融に関する史的研究
Author/Editor: 三ツ石, 郁夫
Author Heading: 三ツ石, 郁夫
Publication, Distribution, etc.: 滋賀大学経済学部
Publication Date: 2006-03
Publication Date (W3CDTF): 2006-03
Alternative Title: ナチスキトウセイケイザイニオケルチョチクギンコウノイギトサンギョウキンユウニカンスルシテキケンキュウ
Savings bank institutions and its industrial finance under the credit control of the Nazi regime
Periodical title: 平成16年-平成17年度科学研究費補助金基盤研究(C) (2) 研究成果報告書
Pages: 1-150
Text Language Code: jpn
Target Audience: 一般
Note (General): type:Research Paper
本報告書は、平成16年度と平成17年度の2ヵ年にわたり、日本学術振興会科学研究費補助金の交付をえて実施された、基盤研究(C)「ナチス期統制経済における貯蓄銀行の意義と産業金融に関する史的研究」の研究成果である。報告者はこれに先立って平成10年度から12年度までの3年間と平成13年度から15年度までの3年間、それぞれ同じく科学研究費補助金の交付を受けて基盤研究(C)(2)「ドイツ・ワイマール期における金融構造の地域的性格Jと基盤研究(C)(2)「ドイツ金融構造における貯蓄金庫・公的金融機関の意義に関する史的研究」を報告したところであるが、本報告書は、これらに引き続いて接続し、補完・展開するテーマとして行われた研究活動の成果としてここに提出するものである。前二者の報告書における中心テーマは、ドイツ金融構造における各地域の金融機関と金融市場の相対的自立性を19世紀中頃から1920年代まで明らかにし、また公的信用機関についてワイマール期と1930年代初頭の銀行恐慌期に関して検討することであった。これらの研究によって貯蓄銀行や公的金融機関がドイツ経済の発展過程において重要な役割を果たしてきたことが明らかになってきた。それはワイマール期においては、公的金融機関が資金形成の重要な部分を担い、それは都市自治体などに供給されて、経済の公的部分の拡大と肥大化に寄与したのであるが、それは最近ではボルヒヤルと論争におけるワイマール経済問題の焦点のひとつにもなったのである。こうして戦間期のドイツ経済は公的金融・信用問題をひとつの重要な軸として展開することになったといえよう。信用問題はワイマール期にとどまらず、経済恐慌からナチス経済に至るさまざまな局面において、大きな影響を及ぼしたのである。そこでこの公的性格をもつ貯蓄銀行がナチス経済に果たした役割を研究課題としたものが本報告書である。貯蓄銀行はたしかにナチスの時代に政府から介入を受けて、経済統制の対象とされた。しかし、他方でそれは、自治体住民の経済利益になる本来の活動をも追及しようとした。ザクセン貯蓄銀行の代表として政府介入に抵抗したエベルレは、そうした人物の一人である。彼は政府がしだいに貯蓄銀行組織に介入を強めるなかで、中下層民・中小営業者層のための貯蓄金融機関であることを求めたが、その途上で1937年12月7日死去した。現在ボンにある貯蓄銀行史料センターの一角には、エベルレの銅像がひっそりと置かれている。彼は、現在ではEUの銀行政策によって自らの貯蓄銀行思想がしだいに後退を余儀なくされていることをどう感じているものであろうか。ナチス経済の「短い13年間」には、政治経済社会の諸領域における前近代と近代、そしてポストモダンの諸問題がきわめて多様で、複雑に錯綜し、その全体像を見通すことは、世紀が転換した現在においても困難である。本報告書は、これを貯蓄銀行の側面から明らかにしようとしたが、貯蓄銀行だけで見通しが開けるわけではなく、結局、関連する諸領域をも合わせて検討せざるを得なかった。しかしそれぞれの個別領域がそれぞれにまた複雑な問題を内包し、本研究期間では十分な検討を加えられなかったのが率直な感想である。本テーマでは貯蓄銀行からナチス経済を見ようとしたが、これと反対の視野からより包括的に信用関係を分析する必要性を痛感している。この課題は、報告者の次の課題として継続していくことにしたい。
identifier:平成16年-平成17年度科学研究費補助金基盤研究(C) (2) 研究成果報告書, pp. 1-150
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Original Data Provider (Database): 滋賀大学 : 滋賀大学学術情報リポジトリ