パターナリズムとケア (平成19年度 最終講義)

• Material Type: 文書・図像類
• Title: パターナリズムとケア (平成19年度 最終講義)
• Author/Editor: 中村, 直美; Nakamura, Naomi
• Author Heading: 中村, 直美; Nakamura, Naomi
• Publication, Distribution, etc.: 熊本大学
• Publication Date: 2008-01-30
• Publication Date (W3CDTF): 2008-01-30
• Alternative Title: パターナリズム ト ケア (ヘイセイ 19ネンド サイシュウ コウギ)
• Text Language Code: jpn
• Subject Heading: パターナリズム; 316.1
• Target Audience: 一般
• Note (General): type:学習教材; パターナリズムの概念は自律(自己決定)と、ケアの概念は正義とそれぞれ対をなし、しばしば互いに矛盾する概念と理解されてきた。「確信的」自律論者からは、パターナリズムは自律を侵害するが故に悪しきものとされ、「確信的ケア論者」からは、正義は現実の人間関係から乖離し、批判さるべきものとされてきた。本講義では、パターナリズムとケアの議論に焦点を当てて、私論を述べてみた。以下はその骨子。\n（ア）パターナリズムの議論とケアの議論の両者は、現代社会の諸問題(法、政治、福祉、教育、医療等)を考える上で、重要な思考方法を提供するものである。（イ）両者は、それぞれ言われているように自律、正義と必ずしも矛盾するものではない。（ウ）むしろ、両者はそれぞれ統合的に捉えられるべきである。（エ）さらに、パターナリズムとケアの思考は、重なり合うものとして理解さるべきである。（オ）パターナリズムの概念については、「悪しきパターナリズム」と「よきパターナリズム」とを区別して論じるべきである。（カ）ケアをめぐる議論については、自然言語として、ケアという言葉が持つ「周縁意味」から来る不明瞭性・多義性を踏まえて、明確な目的・関心からの意味規定をすることにより、有益な議論を展開すべきである。（キ） これらすべての議論の根底には、一人一人の人間(個々人)をかけがえのない存在として尊重するという、価値的な前提があると考えられる。
• Access Restrictions: 限定公開
• Data Provider (Database): 国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース（IRDB）（機関リポジトリ）; https://irdb.nii.ac.jp
• Original Data Provider (Database): 熊本大学 : 熊本大学学術リポジトリ