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Bibliographic Record
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- Material Type
- 文書・図像類
- Author/Editor
- 井川, 佳子
- Author Heading
- Text Language Code
- jpn
- NDC
- Target Audience
- 一般
- Note (General)
- type:text5種の糖アルコールと3種の糖類を、スポンジケーキ中のスクロースに代替した場合に生じる諸現象を、バッターの性質、焼成工程における温度変化や形態上の変化、形成されたスポンジ組織の物性として捉え、それらと糖類の性質との関係を考察し、バッターの性質やスポンジ組織形成における糖類の影響がどのような機序によるものかを追求した。またケーキ組織の感覚評価を行って、ケーキの機械的な物性と感覚との関連についても探求した。得られた結果を要約すると以下の通りである。 1) 溶解度の低い糖を含むバッターは比重が大きくなる傾向にあり、気泡の観察結果からもその安定性が劣ると判断される場合が多かった。また、バッター比重とケーキ比容積の間には、負の相関が認められた。 2) バッターの示差走査熱量測定により得られた吸熱ピーク温度(以下バッターTp)は、糖の分子量にほぼ対応する高さを示し、ケーキ生地の硬化温度を表すと考えられた。ケーキ焼成中の昇温速度や最高到達温度とバッターTpとの間には正の相関が認められ、収縮開始時間とも関連していた。またケーキ比容積とバッターTpの関係は、Tpが88℃付近に最大値を持つような2次曲線で近似できた。バッターTpとケーキの温度履歴や比容積の間に見られた関係から、糖の代替はバッターTpを変化させ、ケーキの温度履歴に影響を与え、ケーキの硬化時期や蒸気圧の強さを左右し、その結果として膨化の程度、即ち比容積に影響すると推察できた。さらに言えば、Tpを調節することによって、ケーキ比容積が改善できることが判明した。 3) 糖の組み合わせによって、多様な物性と触感を持つケーキが得られた。糖アルコールを含むケーキは概して砕けやすく、凝集性が低くなったが、キシリトールは例外であった。還元糖と糖アルコールを混合した場合に、スクロースケーキ類似の物性を示すケーキが得られた。これらのケーキはスクロースと同程度に好まれたが、還元基による褐変反応で生じた風味が嗜好に影響していると考えられた。やわらかさや適度な甘さは、好ましいケーキの条件であることを確認すると共に、感覚的なやわらかさは、圧縮応力よりもケーキ比容積の大きさと関係することが分かった。緒言 3 第I章 ケーキバッターの性質 4 第II章 スポンジケーキの焼成工程 13 第III章 ケーキの性質 21 要約 27 参考文献 27研究期間:平成9-10年度 ; 研究種目:基盤研究C ; 課題番号: 09680025
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