植民地期台湾の鉄道について調べる
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アジア情報室 作成
日本統治期の台湾で営業していた鉄道について調べるための資料をご紹介します。
国立国会図書館デジタルコレクションに収録されている資料については、資料名の横にリンクを付しています。特に記述がない資料は、全て日本語資料です。 【 】内は当館請求記号です。
1.全般・概説書
- 『日本鉄道旅行地図帳. 朝鮮台湾』(新潮社 2009 【Y94-L30007】)
植民地期の朝鮮と台湾の鉄道をビジュアル的に紹介する資料です。台湾については、pp.20-30に鉄道年表、エリア別の鉄道地図、阿里山森林鉄道や歴史的駅舎の解説と写真を掲載しています。pp.51-59には縦貫線や淡水線などの台湾総督府鉄道および台北鉄道や帝国製糖鉄道などの私鉄・製糖鉄道の各路線の駅名一覧を収録しています。 - 『植民地の鉄道』(日本経済評論社 2006 【DK53-H280】)
pp.1-34に植民地期台湾の鉄道について解説しています。鉄道建設の過程、路線ごとの営業キロ数、主要区間の運転本数などをコンパクトにまとめています。 - 『台湾鉄路と日本人 : 線路に刻まれた日本の軌跡』(交通新聞社 2010 【DK55-J21】)
日本人による台湾の鉄道建設の歴史、私設鉄道の概要のほか、鉄道車両や鉄道ホテルに関するエピソードなどをまとめた読み物です。 - 『大日本帝国の海外鉄道』(東京堂出版 2015 【DK53-L426】)
台湾や朝鮮などの旧外地の鉄道について、当時の文献や時刻表に基づいて観光ガイド風に紹介する資料です。 pp.24-78に植民地期台湾の鉄道について解説しています。当時の台湾の鉄道路線網、切符の販売方法、特徴的な車両や鉄道名所のほか、観光事情や内地からのアクセス手段などをまとめています。 - 『推動時代的巨輪 : 日治中期的臺灣國有鐵路 : 1910-1936. 第3版』(台灣書房出版 2010 【DK55-C41】)
中国語資料です。日本統治期のうち、1910年から1936年にかけての国有鉄道の沿革、職員数や営業収入などの関連統計、主要な出来事などを収録しています。
2. 路線図・時刻表などの詳細情報
- 『鉄道停車場一覧』(鉄道省 【627-234】ほか)
台湾や朝鮮などの旧外地も含む、全国の路線ごとの鉄道駅名一覧を収録しており、各駅のターミナル駅からの距離や営業開始日等を調べることができます。台湾については、台湾鉄道、台湾私設鉄道などの駅名を調べることができます。国立国会図書館デジタルコレクションに収録しており、下記の年号をクリックすると閲覧できます。
・昭和12(1937)年 ・昭和9(1934)年 ・昭和2(1927)年 ・大正15(1926)年 ・大正6(1917)年 - 『近代台湾都市案内集成. 第1巻~第6巻』(ゆまに書房 2013)
台湾総督府の鉄道部などが作成した台湾の鉄道旅行ガイドを復刻、収録しています。路線別に台湾鉄道の全駅の概要を紹介するほか、台北や高雄などの主要駅については、駅の沿革や周辺情報、所在都市の概要、駅周辺の市街図、観光名所、写真などの情報も収録しています。各巻の収録内容は以下のとおりです。
・第1巻「台湾鉄道名所案内 : 1908年」(江里口商會 明治41年刊)【GE461-L10】
・第2巻「台湾鉄道旅行案内 : 1916年」(臺灣總督府鐵道部 大正5年刊) 【GE461-L11】
・第3巻「台湾鉄道旅行案内 : 1924年」(臺灣總督府鐵道部 大正13年刊)【GE461-L12】
・第4巻「台湾鉄道旅行案内 : 1930年」(臺灣總督府交通局鐵道部 昭和五年刊) 【GE461-L13】
・第5巻「台湾鉄道旅行案内 : 1940年」(日本旅行協會臺灣支部 昭和十五年刊) 【GE461-L14】
・第6巻「台湾鉄道旅行案内 : 1942年」(東亞旅行社臺灣支部 昭和17年刊)【GE461-L15】 - 『台湾鉄道旅行案内』(台湾総督府交通局鉄道部 1935 【292.24-Ta1653t2】) (国立国会図書館デジタルコレクション)
『台湾鉄道旅行案内』(台湾総督府交通局鉄道部 昭和2 【386-252】) (国立国会図書館デジタルコレクション)
上記『近代台湾都市案内集成』と同じく全駅の概要などを収録する台湾の鉄道旅行ガイドです。巻末に料金表や乗車規則などの案内をまとめた「臺灣鐵道營業案内」が付されています。 - 『満洲朝鮮復刻時刻表』(新潮社 [2009]【DK111-J15】)
旧外地で発行されていた鉄道時刻表を復刻した資料です。台湾については、別冊付録として昭和11年2月時点の時刻表の復刻版を収録しており、路線別の時刻表、料金、輸送距離などを収録しています。 - 『台湾鉄道史』(台湾総督府鉄道部 明43-44 【335-184】) (国立国会図書館デジタルコレクション)
台湾における鉄道敷設の歴史、経営状況、関連法規などを収録しています。 - 『臺灣鐵道ノ概況』(臺灣總督府交通局鐵道部 1939 【DK55-H29】) (国立国会図書館デジタルコレクション: 図書館送信)
鉄道の設備や職員数、平均日給等のデータ、交通局の組織図、鉄道部庁舎の写真等を掲載しています。 - 『臺灣鐵道要覽 : 昭和十三年三月』(臺灣總督府交通局鐵道部 1938 【Y93-H2792】) (国立国会図書館デジタルコレクション)
『台湾鉄道要覧 : 領台二十年記念』(台湾総督府鉄道部 大正4 【360-123】) (国立国会図書館デジタルコレクション)
台湾における国有鉄道の沿革、輸送量や職員数等の統計や台湾全土の路線図を掲載しています。
3. 写真集
- 『外地鉄道古写真帖 : 台湾・朝鮮・樺太・満州』(新人物往来社 2005 【DK55-H32】)
pp.9-36「台湾の鉄道」に駅舎、車両、駅周辺の景観などの写真を収録しています。 - 『旧日本領の鉄道100年の軌跡 : 韓国 北朝鮮 台湾 樺太』(新人物往来社 2011 【DK55-J31】)
旧外地で運行していた鉄道に関する写真を多数収録しています。台湾については、pp.10-17に植民地期に建築された鉄道関連設備の現在の写真を、pp.74-80に当時の写真を掲載しています。 - 『行進!鐵支路 : 日治臺灣鐵道寫真』(蒼璧出版 2018.5 【DK55-C105】)
中国語資料です。日本統治期台湾の官営鉄道及び私設鉄道について、駅舎や車両、鉄橋など、関連設備の写真と解説を掲載しています。