日本に在留する中国人について知る

日本に中長期在留する外国人約294万人(法務省出入国在留管理庁『令和5年6月末現在における在留外国人数について』Leave the NDL website. )のうち、在留中国人は約79万人と最も多く、また、在留台湾人も約6万人と、中国語圏出身の外国人は日本に多数在留しています。
本稿では、日本に在留する中国人(台湾人、日本に帰化した華人も含む)について知るための基本的な情報源を紹介します。特に断りのない限り、情報源の本文は日本語です。【 】内は当館請求記号です。

1.基本情報

1-1.概説書・参考図書

  • 『華僑・華人を知るための52章』(明石書店, 2023.4 【DC851-M10】)
    華僑・華人の定義、分類、歴史、経済、文化等を紹介しています。巻頭に地図「世界の主な国の華人人口分布(2021年)」「中国の省と本書に関連する主な都市」を付しています。日本の教科書と新聞における「華僑」「華人」用語の使い分けと誤用、「池袋チャイナタウン」、日本の中国語フリーペーパーも取り上げられています。
  • 『華僑華人の事典』(丸善出版, 2017.11 【D2-L153】)
    「総説」「地域別」「フロンティア」の3部からなる事典です。華僑・華人の歴史、経済、政治、生活・文化等を紹介しています。巻頭に五十音順の見出し索引、巻末に事項索引と人名索引を付しています。日本の華僑・華人は主に「第II部 地域別」の「1章 日本」(pp.189-252)で取り上げられています。
  • 『世界華人エンサイクロペディア』(明石書店 2012.7 【DC851-J35】)
    「出身」「移住」「組織」「関係」「コミュニティ」の5部からなる事典です。巻末に五十音順の索引を付しています。日本の華人は主に「第5部 コミュニティ」の「日本」(pp.584- 599)で取り上げられています。
  • 『華僑・華人事典』(弘文堂 2002.6 【D2-G298】)
    華僑・華人に関連する用語や人物、事項を収録しています。見出し語の排列は五十音順です。巻末に文献目録、和文事項索引など5の索引を収録します。
  • 『華人社会がわかる本 : 中国から世界へ広がるネットワークの歴史、社会、文化』(明石書店 2005.4 【DC851-H20】)
    「第2章 日本の華人社会」(pp.69-151)、巻末「華人社会を知るための書籍案内」(pp.230-233)、索引などを収録しています。
  • 『もっと知りたい華僑』(弘文堂 1991.7 【DC851-E8】)
    「日本の華僑」(pp.99-114)の章で華僑の概要および横浜、神戸など地域別の華僑を紹介しています。
  • 『世界侨情报告 = Annual report on overseas Chinese』(社会科学文献出版社 年刊 【DC851-C309】)
    中国語資料。国・地域ごとの華僑の概況についての年刊の報告書です。2021年版の日本の部分では、在日中国人の人数、職業、企業経営状況、コロナ下の行動等を報告しています。
  • 『華僑華人研究』(日本華僑華人学会 2004- 【Z71-M840】)
    日本を含む世界の華僑・華人に関する論文などを掲載する雑誌です。日本華僑華人学会Leave the NDL website. の学会誌です。

1-2.統計

日本在留の中国人の実態を知るための統計には次のようなものがあります。ここでは、留学生、学校現場、(外国人)技能実習制度など、各分野の統計も紹介します。

2.文献情報・資料集

  • 『近代中国人日本留学の社会史 : 昭和前期を中心に』(東信堂, 2020.2 【FD43-M26】)
    1920~1940年代の在日中国人留学生について、統計資料等を用いて分析、紹介しています。巻末に「資料編 日華学会編中国人留学生名簿(1927-1944年)」を付しています。
  • 『日本留学中国人名簿関係資料』(復刻版 龍溪書舎 2014.7 アジアにおける日本の軍・学校・宗教関係資料 ; 第3期 【F2-L54など】)
    全7巻。『日本留学中華民國人名調 (調査資料. 第9号)』(興亜院政務部、昭和15年刊)、『日本留学支那要人録』(興亜院政務部、昭和17年3月刊)など、戦前の日本に留学した中国人学生の名簿の復刻版を収録しています。
  • 門永美保「戦後の日本における華僑華人の研究史」(『現代社会研究科論集 = Contemporary society bulletin : 京都女子大学大学院現代社会研究科博士後期課程研究紀要』 (7)  2013.3 pp.73-82 【Z71-T411】)
    戦後から現代までの華僑・華人研究のレビューです。京都女子大学学術情報リポジトリで本文(http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/handle/11173/279)Leave the NDL website. を閲覧できます。
  • 『華人・華僑関係文献目録』(アジア経済研究所 1996.3 【D1-G62】)
    1995年までの華僑・華人関係の文献10,400点余を収録。「戦後邦文」「戦前邦文」「ローマ字文」「華文」の4部からなり、地域・国別に(文献量が多い地域のみさらに主題別に細分して)排列しています。排列は著者または文献名のアルファベット順。巻末にアルファベット順の著者名索引を収録します。
  • 『華僑教育関係文献資料目録』(東京学芸大学海外子女教育センター 1988.3 【F1-E3】)
    国内外の研究機関を調査対象として作成された華僑教育関係の文献目録。日本語、中国語、英語の文献に大別し、その中を地域別に細分して排列しています。排列は著者名のローマ字表記順です。

3.日本国内の関係団体およびその出版物

3-1.人物・団体

  • 『在日中国人大全』(日本僑報・中国留学生文庫 1996- 【Z24-B235】)
    在日中国人の研究者、経営者など約1万人5万件のデータを収録しています。「人物名録」「会社団体」「著書文献」など6部からなり、人名索引を収録しま す。排列は日本語JISコード順。1998-1999年版が最新版です。以後の情報については、下の関連団体のサイト等をご参照ください。

日本の華僑関係の団体や機関のウェブサイトには次のようなものがあります。

3-2.出版物・出版社

  • 『瀛洲華聲 : 日本中文報刊一百五十年史』(三聯書店(香港), 2020.1 【UC129-C271】)
    中国語資料。清末から現代に至るまでの約150年間にわたる、日本での中国語新聞、雑誌の発展史を紹介しています。巻末に「日本国内で出版された中国語雑誌・新聞の紹介」「中国人が日本で創刊した雑誌・新聞一覧」「日本における中国人の雑誌・新聞発行活動の年表」を付しています。
  • 段躍中「日本の中国語メディア」(『学術の動向 : SCJフォーラム』 16(1) (通号 178)  2011.1  pp.61-63 【Z21-B315】)
    日本における中国語メディアの概要や特徴を紹介しています。
  • 『在日中国人媒体総覧』(日本僑報社 2000 【UC21-G36】)
    在日中国人による新聞、雑誌、テレビ局など128のメディアについて、タイトル、言語、発行頻度、連絡先などを掲載しています。巻末に「日本における中国(中国人)関連ホームページ」の一覧表を収録しています。
  • 日本僑報社Leave the NDL website.
    中国や日中関係、華僑華人、在日中国人関係の図書を中心に出版する出版社です。

在日中国人による新聞・雑誌には、通常の流通ルートにのらず、出版情報の把握や入手が困難なものもあります。一部の新聞・雑誌は中国関係の輸入食品店、飲食店等で配布されていることもあります。

当館で所蔵している新聞のうち、インターネットでも閲覧できるものは、「インターネット上で閲覧できる中国語新聞」の「4.日本」でご紹介しています。その他の新聞については、「アジア情報室所蔵資料の概要: 中国関係資料: 継続受入新聞リスト(日本発行)」をご参照ください。