<中国語>『十九大以来重要文献選編』:アジア情報室の社会科学分野の新着資料紹介(2024年4月公開)

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アジア情報室 作成

中共中央党史和文献研究院 編『十九大以来重要文献选编(十九大以来重要文献選編)』 北京 : 中央文献出版社, 2019.9 – 2023.7, 3冊【A56-C9-C716

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中国共産党 資料集

著者情報

編者の中国共産党中央党史・文献研究院は、党史及び理論研究に従事する党直属の機関である。2018年3月に公表された「党および国の機構改革深化案」[1]に基づき、中央党史研究室、中央文献研究室及び中央編訳局の3機関が統合され新たに発足した。

出版の背景・目的

2017年10月、中国共産党の第十九回全国代表大会[2](十九大)が開かれた。本書は、この十九大を起点として、2022年10月開催の二十大までの五年間における党・国家の重要文書を選定・収録した資料集である。1982年9月の十二大以降、「○○大以来重要文献選編」(○○は大会の回次)と題した資料集が継続刊行されており、本書はその最新版にあたる。上巻(2019年9月刊行)に65編、中巻(2021年10月刊行)に79編、下巻(2023年7月刊行)に74編の文書を収録する。

本書のポイント[3]

大きなポイントとして、①党直属の機関が編纂した公的な資料集であること、②党指導者の文章は本人のチェックを経ていること、③初公開の文書が含まれること[4]、が挙げられる。また、本書が収録する「重要文献」は党・国務院の政策文書、法律・条令の本文、党指導者の報告など多様な属性を有するが、排列は文献の属性に依らず時系列順であり、全体動向を俯瞰しやすい構成となっている。

目次

(各巻とも章節による区分けを行わず、文書名を時系列順に排列)

(アジア情報課 木下 雅弘)


[1] 「党および国の機構改革深化案(中国)(日中対訳(仮訳))」日本貿易振興機構(ジェトロ)北京事務所, 2018.4, pp. 9-10.
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/law/pdf/others20184_1.pdfLeave the NDL website.

[2] 中国共産党の党大会であり、原則として五年に一度開催される。

[3] 本書のポイントという訳ではないが、本書上・中巻がオンラインで読める点は付言しておきたい(下巻は現時点で未公開)。中央党史・文献研究院ウェブサイト内「党和国家重要文献」(党・国家の重要文献)内のサブページ「十一届三中全会以来重要文献」での公開であり、ブラウザ上で本文を閲覧できるほか、全文検索も可能である。
「十一届三中全会以来重要文献」中国共産党中央党史・文献研究院
https://www.dswxyjy.org.cn/GB/427196/423772/428234/index.htmlLeave the NDL website.

[4] 本書各巻冒頭の「出版説明」によれば、上巻に14編、中巻に15編、下巻に12編の初公開文書が含まれる。本書にはどの文書が該当するのか記載がないが、例えば以下の記事ではその一部を明示している。
「《十九大以来重要文献选编》上册发行,首次公开习近平的8篇文稿」搜狐, 2019.9.11.
https://www.sohu.com/a/340294642_161795Leave the NDL website.