＜朝鮮語＞『地方自治と地方分権の大転換 : 自治分権2.0時代の開幕』：アジア情報室の社会科学分野の新着資料紹介（2024年4月公開）

April 30th, 2024 更新
アジア情報室作成

김순은（キム・スヌン）『지방자치와 지방분권의 대전환 : 자치분권2.0 시대의 개막（地方自治と地方分権の大転換 : 自治分権2.0時代の開幕）』서울, 조명문화사, 2023.4【AK4-391-K182】

キーワード

韓国、地方自治、地方分権

著者情報

著者のキム・スヌンは、2020年までソウル大学校行政大学院教授を務め、現在はソウル大学校行政大学院特任教授である。文在寅政権期には大統領所属の自治分権委員会委員長を務めた。

出版の背景・目的

韓国の文在寅政権（2017年5月～2022年5月）は、本書副題にもある「自治分権2.0」[1]のスローガンのもと、地方分権7法（地方自治法全部改正、自治警察のための警察法全部改正、地方一括移譲法制定、中央地方協力会議法制定、故郷愛寄付金法制定、住民条例発案法制定、住民投票法改正）等を通じた、住民中心の地方自治への転換を目指した[2]。

その際、大統領所属の諮問委員会として設置されたのが自治分権委員会であり、著者のキム・スヌンは同委員会の副委員長、委員長として、約4年6か月に亘って同委員会で活動した。本書は、この間の文在寅政権の自治分権政策を、政策過程の内側にいた立場から分析し論じたものである。

本書のポイント

本書は文在寅政権の自治分権政策について7章に分けて論じている。

特に第4章では自治分権政策の中心をなす改正地方自治法等、地方分権7法について、その推進背景や立法過程、主要内容、意義がまとめられているほか、第7章では著者が考える自治分権の今後の政策課題が示され、文在寅政権までの時点での自治分権政策の到達点と課題を把握することができる。