日本-請願の調べ方

【 】内は、当館請求記号です。インターネットの最終アクセス日は2021年11月15日です。

1. 国会への請願とは

"国会への請願"とは、衆議院または参議院に対して、損害の救済、公務員の罷免、法律等の制定、廃止または改正その他の事項について、意見や要望等を提出する行為です。 国会法および各議院の議院規則において、提出、審査、議決の手続き、議決後の処置等が定められており、請願者の国籍、年齢に関する制限はありません。
請願をするには、意見や要望事項を簡潔に記載した請願書を作成し、紹介者となる議員を通じて、衆議院または参議院へ提出します。
請願が議院に受理されると、「衆議院請願文書表」または「参議院請願文書表」に掲載されるとともに、委員会に付託され、審査を経て、採択の是非が議決されます。 委員会の審査結果は「委員会請願審査報告書(衆議院)」または「審査報告書(参議院)」で議院に報告されます。
各議院の本会議で請願が採択されると、そのうち内閣での措置が適当と認められた請願については内閣に送られます。
内閣はそれぞれの請願を関係省へ送付し、その後の処理について「衆議院請願処理経過」または「参議院請願処理経過」で議院に報告しなければなりません。

2. 国会への請願を所蔵資料で調べる

国会への請願についての当館所蔵資料は次のとおりであり、回次ごとに製本されています。
なお、会期が短期間の場合、請願を受けておらず、一つの回次分が欠番になっていることがあります。
また、請願書の原本は所蔵していません。

2-1. 衆議院

内容:

「請願文書表目次」
一会期に受理した請願を取りまとめたものです。付託された委員会別に、件名、文書表番号、付託日、委員会決定日とその結果を掲載しています。第71回国会以降は、本会議議決日とその結果も掲載しています。

「請願文書表」
衆議院議長が作成し、会期中数回に分けて発行される文書です。付託された委員会別に件名、受理年月日、請願者の住所・氏名(ただし、複数名の場合は、代表者のみ)、署名人数、紹介議員名、請願の要旨を掲載しています。

「委員会請願審査報告書」
委員会で請願の審査終了後、委員長から議院に対して提出される文書です。採択・不採択の別、採択すべき請願については内閣送付の要否を掲載しています。 採択された請願の審査報告書は、国会会議録検索システムで見ることができます。詳しくは3-3. 国会会議録検索システムをご覧下さい。

  • 衆議院請願処理経過』【BZ-4-011】 所蔵回次:第1-197回国会
    内容:本会議で採択された請願のうち内閣に送付されたものについて、関係省での処理経過を衆議院に報告したものです(年2回程度)。 請願が内閣に送付されなかった回次は欠番となります。第192回国会以降のものについては、衆議院のHP「請願処理経過Leave the NDL website. 」で見ることができます。

2-2. 参議院

内容:

「請願経過表」
一会期に受理した請願を取りまとめたものです。付託された委員会別に、受理番号、件名、請願者数、付託日、委員会決定日とその結果、本会議議決日とその結果を掲載しています。

「請願文書表」
参議院議長が作成し、毎週1回発行される文書です。付託された委員会別に件名、受理年月日、紹介議員名、請願の趣旨を掲載しています。請願ごとにほぼ同じ内容を、国会会議録検索システムで見ることができます。詳しくは3-3. 国会会議録検索システムをご覧下さい。

「審査報告書」
委員会で審査終了後、委員長から議長に対して提出される文書です。採択・不採択の別、採択すべき請願については内閣送付の要否を掲載しています。また、採択すべき請願について、意見書案が提出されることがあります。採択された請願の審査報告書は、国会会議録検索システムで見ることができます。詳しくは3-3. 国会会議録検索システムをご覧下さい。

3. 国会への請願をインターネット情報で調べる

3-1. 衆議院ホームページ

衆議院ホームページで請願の手続Leave the NDL website. 、第143回国会以降の請願の一覧Leave the NDL website. 、 第192回以降の内閣送付分について請願処理経過Leave the NDL website. を見ることができます。

3-2. 参議院ホームページ

参議院ホームページの請願の提出Leave the NDL website. ページに、請願の手続きについての案内があります。
また、ライブラリーLeave the NDL website. 請願 の項では、第153回国会以降の請願情報を見ることができます。内閣に送付された請願については、該当請願の一覧 \>内閣処理経過 \>第〇回国会 請願の内閣処理経過で、その請願の処理経過を見ることができます。

3-3. 国会会議録検索システム

国会会議録検索システムを利用して、次の記録を見ることができます。

  • 衆議院「委員会請願審査報告書」
    採択された請願の審査報告書は、衆議院本会議録の追録・附録、および付託された委員会の会議録の附録に、「請願に関する報告書」の件名で掲載されます。なお、採択されなかった請願は掲載されません。「追録・附録」等については、画像から機械的に読み取って作成したテキストを収録しており、検索することができます。詳細検索で衆議院 を選択し「追録・附録のみ 」にチェックします。国会回次委員会も分かれば選択します。検索語欄に「請願に関する報告書」と入力し、検索結果から「該当箇所を展開」を選択して確認して下さい。

  • 参議院「請願文書表」
    文書表とほぼ同じ内容が付託された委員会の会議録の末尾に掲載されています。付託日後か、その会期中の最終の会議録に掲載されています。「追録・附録」等については、画像から機械的に読み取って作成したテキストを収録しており、検索することができます。詳細検索で参議院 を選択し「追録・附録のみ 」にチェックします。国会回次委員会も分かれば選択します。検索語欄に「請願 付託された」と入力すると効率的に検索できます(「請願」のみで検索すると漏れがでます)。検索結果から「該当箇所を展開」を選択して確認して下さい。

  • 参議院「審査報告書」
    採択された請願の審査報告書は、「審査報告書(〇〇委員会請願審査報告第〇号)」の件名で、参議院本会議録最終号の末尾に掲載されます。参議院の審査報告書には、請願の趣旨は記載されません。なお、採択されなかった請願については会議録に掲載されません。「追録・附録」等については、画像から機械的に読み取って作成したテキストを収録しており、検索することができます。詳細検索で参議院 を選択し、「追録・附録のみ 」にチェックします。会議名は本会議 、分かれば国会回次 を選択し、検索語欄に「請願審査報告」と入力し、検索結果から「該当箇所を展開」を選択して確認して下さい。

  • 参議院「請願処理経過」
    内閣に送付された請願の処理経過は、参議院の追録に掲載されています。「請願処理経過」は内閣から年に2回報告されるものなので、毎回次の追録に掲載されるとは限りません。「追録・附録」等については、画像から機械的に読み取って作成したテキストを収録しており、検索することができます。詳細検索で参議院 を選択し、「追録・附録のみ 」にチェックします。会議名は本会議 、分かれば国会回次 を選択し、検索語欄に「請願 and 処理経過」と入力し、検索結果から「該当箇所を展開」を選択して確認して下さい。

4. 帝国議会への請願を所蔵資料で調べる

帝国議会への請願の方法は、議院法および貴族院・衆議院各院の議院規則で定められていました。現在の請願と異なる点として、皇室典範や帝国憲法の変更に関する事項、裁判に関する事項の請願は認められないこと、審査は請願委員会が行うことなどが挙げられます。
当時の請願に関する当館所蔵資料は次のとおりであり、回次ごとに製本されています。
なお、請願書の原本は所蔵していません。

4-1. 貴族院

  • 帝国議会貴族院請願』【BZ-4-T08】
    所蔵回次:第1, 2, 5, 6, 8-10, 14, 30, 40-43, 47-52, 55, 56, 58, 59, 62-67, 69-71, 73-76, 79, 81, 84, 86, 89-92回

内容:

「請願文書表」
請願委員会が毎週1回調製した文書です。件名、請願者の住所・氏名(ただし、複数名の場合は、代表者のみ)、提出年月日、署名人数、紹介議員名、審査の年月日を掲載しています。

「請願委員会特別報告第○号」と題された貴族院議長宛て文書
政府に送付すべきと判断された請願の件名・日付・請願委員長名・貴族院議長名が記された文書本体と、別紙の「意見書案」から構成されています。

4-2. 衆議院

  • 帝国議会衆議院請願』【BZ-4-T09】
    所蔵回次:第1, 3-6, 8, 13-16, 20, 22-28, 30, 31, 35-37, 39-47, 49-77, 79, 81-82, 84-86, 89-92回

内容:

「請願文書表」
請願委員会が毎週1回調製した文書です。件名、請願者の住所・氏名(ただし、複数名の場合は、代表者のみ)・職業、提出年月日、署名人数、紹介議員名、審査の年月日、趣旨を掲載しています。

「請願委員特別報告第○号(第31回以降は「特別報告第○号」)」と題された衆議院議長宛て文書
政府に送付すべきと判断された請願の件名・日付・請願委員長名・衆議院議長名が記された文書本体と、別紙の「意見書案(13回の途中以降は「意見書」)」から構成されています。

5. 請願制度についての主要参考文献