魚の泳ぐ速度(遊泳速度)

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科学技術・経済情報室 作成

魚類などの遊泳速度について調べるための資料には、以下のようなものがあります。
【 】内は当館請求記号です。
『資料名』(書誌情報)の後ろに*が付いている資料は、国立国会図書館サーチの書誌詳細画面に目次があります。

  • 渡辺佑基 他 "The slowest fish: Swim speed and tail-beat frequency of Greenland sharks"(『Journal of experimental marine biology and ecology』(426-427)[2012.9.1] pp.5-11 【Z53-N338】)
    「Table 2. Mean swim speed and tail-beat frequency of fishes recorded in the field」(p.7)に16種の魚類の泳ぐ平均秒速が示されています。データの出典の記載もあります。記載された動物名と時速換算した速度を以下に示します。
    • タイセイヨウダラ:1.0km/h
    • ウバザメ:3.89km/h
    • ニシクロカジキ:1.8km/h
    • ヨシキリザメ:1.5km/h
    • カラチョウザメ:3.96km/h
    • サケ:2.7km/h
    • ニシオンデンザメ:1.2km/h
    • ヒラメ:1.1km/h
    • ニシレモンザメ:2.3km/h
    • マンボウ:2.2km/h
    • カラフトマス:4.10km/h
    • アカシュモクザメ:1.7km/h
    • アオザメ:3.2km/h
    • ベニザケ:3.60km/h
    • イタチザメ:2.5km/h
    • ジンベエザメ:3.1km/h
  • 『流体力学ハンドブック』(第2版 丸善 1998.5 【MC2-G9】)*
    「図26-21 種々の遊泳体の速度」(p.1103)にカジキ、キハダ、カマス、カツオ、カワカマス、コイ、ウナギ、フナ、ウグイ、マスのデータがあります。縦軸が速度、横軸が体長です。速度は秒速(m/s)が基本ですが、カジキ、キハダ、カマス、カツオについては、ノット、時速(km/h)の目盛もついています。フナ、ウグイ、マスについては、瞬間速度と持続速度の2種類のデータがあります。シャチ、イルカ、クジラ、ヒトのデータもあります。データの典拠は記されていません。
  • 『抵抗と推進の流体力学 : 水棲動物の高速遊泳能力に学ぶ』(田中一朗,永井実著 シップ・アンド・オーシャン財団 1996.9 【M251-G23】)
    「1.3 魚の遊泳速度」(pp.14-19)中で、上記『流体力学ハンドブック』の図が「図1.5 種々の遊泳体の速度(流体力学ハンドブック, 1987)」(p.15)として転載されています。この図からわかることとして、
    "(1) 魚の遊泳速度は体長が大きい程一般に速い。ただし、体長の例えば何乗に比例するかなどの法則性については確定していない。
    (2) 瞬発速度と(遊泳)持続速度とは2~3倍程度の差がある。
    (3) カジキ(マグロ)、イルカ、シャチ、クジラ等の水棲動物は40ノット程度の極めて高速で泳いだというデータがある。これは水中翼船あるいは最近の高速船の速度に匹敵する。"
    などとコメントされています。
  • Chepurnov A.V. 他 「海産動物の遊泳速度」(『自然』 22(8) [1967.08] pp.62-65 【Z14-211】)(国立国会図書館デジタルコレクション:館内限定
    「第2図 いくつかのもっとも速い動物の絶対最大遊泳速度」(p.63)に鯨類、鰭脚類(ききゃくるい:アシカ・セイウチ・アザラシなど)、魚類、頭足類(とうそくるい:タコ・イカなど)の時速が示されています。記載された動物名と時速(km/h)を以下に抜粋します。
    • イワシクジラ:55km/h
    • サカマタ:65km/h
    • ナガスクジラ:50km/h
    • シロハラセミイルカ:45km/h
    • グリンダ:41km/h
    • マッコウクジラ:22km/h
    • オットセイ:35km/h
    • アザラシ:18~20km/h
    • バショウカジキ:125km/h
    • メカジキ:90~130km/h
    • マグロ:82km/h
    • トビウオ:60~65km/h
    • ヨシキリザメ:40km/h
    • シイラ:37km/h
    • イカ:41km/h
    • コウイカ:20km/h
    • タコ:15km/h
  • 鈴木興道 「魚道の設計に資する淡水魚類の耐久遊泳速度」(『土木学会論文集』 (通号 622) [1999.05] pp.107-115 【Z16-6】)
    抄録に"この結果、魚類成魚の水温12~13℃以上における耐久遊泳速度(60分)は、イワナとウグイ85cm/s、コイ70cm/s、キン・ギンブナとオイカワ65cm/s、カワムツ55cm/s程度であった。"(p.107)とあります。時速換算すると、以下のようになります。
    なお、この資料は科学技術振興機構(JST)が提供するJ-STAGELeave the NDL website. で閲覧できます。
    • イワナ、ウグイ:3.06km/h
    • コイ:2.52km/h
    • キンブナ、ギンブナ、オイカワ:2.34km/h
    • カワムツ:1.98km/h
  • 今井義弘 「ホッケ,キツネメバルの遊泳速度」(『北海道立水産試験場研究報告』 (通号 53) [1998.09] pp.25-27 【Z18-216】)
    本文中に「Fig.2において巡航速度(Ucs)はそれぞれホッケが73.7~93.4cm/s、キツネメバルが49.7~64.4cm/sの範囲にあり、体長によらずほぼ一定な値を示す傾向にあった。」(p.26)とあります。時速換算すると、以下のようになります。
    なお、この資料は北海道立総合研究機構が提供するマリンネット北海道Leave the NDL website. で閲覧できます。
    • ホッケ:2.65~3.36km/h
    • キツネメバル:1.79~2.32km/h
  • 津田良平 「ビワマスの遊泳速度に関する解析」(『近畿大学農学部紀要』 (通号 17) [1984.03] pp.151-158 【Z18-272】)
    「Table 1. Values of maximum swimming speed, Umax.」(p.152)に7事例の平均値(Av.)として131.9cm/sと記載されています。時速換算すると、以下のようになります。
    • ビワマス:4.75km/h
  • 柴田恵司 「魚群探知機記録の解析-7-魚の遊泳速度」(『長崎大学水産学部研究報告』 (通号 25) [1968.08] pp.59-65 【Z18-321】)
    「結論」に「本調査の範囲ではマグロ類と思われる大型魚体の遊泳速度は通常1m/secよりも小さい値を有し、最大値は7m/secであるが一般に0~3m/secの間に分布するもののようである。」(p.65)とあります。最大値を時速換算すると、以下のようになります。
    なお、この資料は長崎大学附属図書館が提供する長崎大学学術研究成果リポジトリLeave the NDL website. で閲覧できます。
    • マグロ:25.2km/h
  • 『魚類生理生態学 (水産学全集 ; 13)』(新版 恒星社厚生閣 1966 【662.8-Ka846g2-(s)】)(国立国会図書館デジタルコレクション:図書館・個人送信限定
    「表13-1 各種魚類の游泳速度」(pp.333-335)にコイ、ブラックバス、マス、サケ、キンギョ、オオメジロザメなどについて「体長に対する游泳速度/秒」が示されています。データの出典の記載もあります。
  • 国立極地研究所Leave the NDL website. の広報誌「ぷれ極」(【Z32-B819】)の創刊号(PDF:5.6MB)Leave the NDL website. のp.8に魚類、クジラ、ペンギンの時速が示されています。記載された動物名と時速(km/h)を以下に抜粋します。
    • シロナガスクジラ:8km/h
    • ホホジロザメ:8km/h
    • エンペラーペンギン:8km/h
    • クロマグロ:7km/h
    • アデリーペンギン:7km/h
    • ジンベエザメ:3km/h

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