中国の映画について調べる
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アジア情報室 作成
このページでは、中国の映画(香港の映画を含む)について調べるためのツールを紹介します。特に注記のない限り、情報源の本文は中国語です。【 】内は当館請求記号です。
1. 事典類
『中華電影データブック : 完全保存版』(キネマ旬報社 2010 【KD671-J30】)
日本語資料です。中国語圏の映画に関するデータブックであり、「中華電影人名録」に俳優・監督・スタッフの経歴を収録するほか、「中華電影作品録」に「2009年11月までに日本で劇場公開された、もしくは映画祭や特集企画などで上映、ビデオ・DVDなどで発売された中国語圏映画」625本の内容解説を収録しています。また、「日本上陸中国語圏映画全リスト 1973年~2009年」には、1973年以降に日本で劇場公開された作品、映画祭上映作品、ビデオ・DVD・ブルーレイが発売された中国語圏映画の情報を掲載しています。『中国影片大典 : 故事片・戏曲片』(中国电影出版社 1996-【KD2-C18】)
1905年から1994年までの間に中国本土の会社が制作した映画について、タイトル、製作会社、スタッフ、ストーリー等を収録した事典です。三種の索引が設けられており、タイトル、監督名、制作会社名から探すことができます。全4冊構成であり、当館ではそのうち第一巻(1905-1930年)と第二巻(1931-1949年)を所蔵しています。『中国百年艺术影片』(河北人民出版社 2005【KD671-C52】)
1905年から2004年までの100年間に中国で制作された映画6,841作品を収録しています。制作会社、キャスト、スタッフ情報を記載するほか、1949年以降の作品についてはストーリーも紹介しています。『The Chinese filmography : the 2444 feature films produced by studios in the People's Republic of China from 1949 through 1995』(McFarland & Co. c1997 【X】)
英文資料です。2,444本の映画を収録しており、排列は英語タイトルのアルファベット順です。Chinese Movie Database
中国語圏の映画・TV番組のデータベースです。映画名、人名、制作会社名等から映画情報を検索できますが、近年の作品は収録されていません。华语老电影知识库(上海図書館)
中国・上海図書館が提供するデータベースであり、とりわけ中華民国期の映画作品・映画関係者の情報を多く収録しています。項目「电影期刊」からは中華民国期の映画雑誌やその収録内容を検索することができます。
2. 辞典類
『中国电影大辞典』(上海辞书出版社 1995 【KD2-C4】)
約8,000項目を収録する辞典です。中国の映画監督、キャスト、スタッフなどの人名、代表的な映画作品のほか、映画制作会社、映画に関する事件、映画祭など、映画に関する項目も収録しています。『电影艺术词典. 修订版』(中国电影出版社 2005 【KD2-C27】 )
「电影艺术词典」(中国电影出版社1986年刊)の修訂版です。映画芸術に関する用語2,070件を収録しています。
3. 書誌類
『An annotated bibliography for Chinese film studies』(Hong Kong University Press c2004 【KD1-B13】)
英文資料です。中国本土の映画についての研究、あるいは中国本土で出版された映画研究に関する単行書・会議録・学位論文の書誌情報を収録しています。1920年から2003年までの間に出版されたものが収録対象です。『中国现代电影期刊全目书志』(上海科学技术文献出版社 2009 【KD1-C14】)
1921年から1949年までの間に中国で刊行された中国現代映画に関する雑誌約400タイトルについて、刊行頻度、出版地、出版者、書影、解題等を収録しています。『全国报刊电影文章目录索引 : 1980-1989』(中国电影出版社 1994 【KD1-C8】)
『全国报刊电影文章目录索引 : 1949-1979』(当館未所蔵)の続編にあたる資料です。1980年代に中国国内の主な新聞、雑誌に掲載された映画関連の記事6万点余りについて、タイトル、著者、掲載媒体名、掲載日、掲載ページを収録しています。「一 中国电影」「二 外国电影」「三 国际电影交流」「四 电影技术」の四部からなります。早期華文報紙電影史料庫(香港浸会大学)
香港浸会大学が提供するデータベース「華人剪報資料庫」に含まれるサブデータベースです。香港、広州、杭州、天津で1900年から1940年代に発行された新聞に含まれる、映画関係の記事・広告を検索できます。各記事の詳細ページには、タイトル、掲載紙名、出版地、掲載日、内容摘要等を掲載しています。なお、本文データは収録されていません。中文報刊資料索引数据庫(中国人民大学書報資料中心)
当館契約データベースです。2008年以降に中国国内で発行された新聞、雑誌3000誌余りを対象とした分野別の記事・論文索引です。主題分類から「文学与艺术类」>「影视艺术」>「电影」と順に選択することで、映画関係の記事・論文のみを一覧することができます。なお、2007年以前の記事・論文の検索には、冊子体の『報刊資料索引』を利用できます。映画関係の場合、「第5分册, 语言, 文学, 艺术」【Z21-AC78】に収録されています。
4. 資料集・年表類
『复印报刊资料. J8, 影视艺术』(中国人民大学书报资料中心 2001- 【Z11-AC64】)
上述の『報刊資料索引』に掲載された記事・論文のうち、重要な記事を選び全文を収録したものが複印報刊資料です。映画関係の記事・論文は「J8, 影视艺术」巻に収録されています。『近代電影史研究資料彙編』(廣陵書社 2018 【KD671-C228】)
『近代電影史研究資料續編』(廣陵書社 2020 【KD671-C229】)
いずれも中華民国期の映画関連図書・雑誌類を影印した資料集です。『彙編』は全40巻からなり、資料100種余りを収録しています。『續編』は全42巻からなり、『彙編』未収資料150種余りを収録しています。『中国电影理论文选 : 1920〜1989』(文化艺术出版社 1992 【KD644-C1】)
1920年から1989年までの間に発表された中国の映画理論に関する文章のセレクションです。全二巻からなり、各文章の冒頭には編者によるイントロダクション(著者紹介を含む)が付されています。なお、台湾、香港、海外華人研究者の論著は収録対象外となっています。『中国电影研究资料 : 1949-1979』(文化藝術出版社 2006 【KD671-C62】)
1949年から1979年までの間に記された、中国における映画関連文献のセレクションです。全三巻からなり、映画界の政治運動、文学・芸術・映画政策、テーマ企画、政治運動における映画制作者の態度に関する資料を重点的に選んでいます。『中国电影编年纪事』(中央文献出版社 2005.11-2006.12 【KD671-C83】)
中国の映画関連事業の年表であり、計4巻8冊からなります。収録年の下限は、第一巻(「总纲卷」)のみ2000年まで、その他の巻は1989年までとなっています。
5. 映画界の動向・ニュース
中国电影报
中国国家電影局が主管する、中国映画業界の専門紙「中国電影報」(週刊)のウェブサイトです。ウェブサイト上部の「往期回顾」から、2019年以降の号の本文を閲覧できます。『大众电影』(中国电影出版社 月刊 【Z11-AC49】)
一般向けの中国映画雑誌で、話題の映画紹介や映画界のニュース等を掲載しています。『电影艺术』(中国电影出版社 隔月刊 【Z11-AC44】)
中国映画業界の専門誌で、映画界の動向や人物紹介、映画評論、海外の動向などを掲載しています。当館契約データベース「中国学術雑誌全文データベース」でも閲覧可能です。『中国电影年鉴』(中国电影出版社 年刊 【Z42-AC30】)
中国映画界の動向をまとめた年鑑です。前年に公開された中国本土、香港、台湾の映画の概要や映画評論、国内外の映画賞情報、映画産業の動向等を掲載しています。当館所蔵の最新刊は2011年版です。
6. 映画産業
『中国の映画/テレビに関する市場調査. 2022年度更新版』(日本貿易振興機構(ジェトロ) 2023) [PDF:2.41MB]
日本語資料です。ジェトロが2023年3月に公開した「中国コンテンツ市場調査 2022年版」の一篇です。中国の映画市場、映画の輸入・配給、映画に関する法律・法規等の情報をまとめています。『日本コンテンツの海外展開に関する調査報告書―中国編―』(文化庁 2022)[PDF:8.24MB]
日本語資料です。中国における日本コンテンツの展開に必要な法的・実務的なノウハウを調査した報告書です。「II 各論」に設けられた章「第2. 映画」では、「1. 市場概況及び関連統計」「2. 商流及び主要事業者」「3. 映画分野における規制」「4. その他業界トピックや日本企業が学ぶべきこと」といった内容を掲載しています。『デジタルコンテンツ白書 2023』(デジタルコンテンツ協会 2023 【Z43-B11】)
日本語資料です。「第6章 海外動向」の「中国」(pp.136-141)に、2022年における中国映画市場の状況や、図表「中国映画興行収益推移・スクリーン数・劇場数の推移」「北米・中国・日本の映画市場規模推移」「2022年中国産映画興行収益ランキングTOP10」「2022年外国産映画興行収益ランキングTOP10」等が掲載されています。『中国电影产业研究报告 2023』(中国电影出版社 2023 【KD671-C138】)
中国の映画産業の概況、投融資、製作技術、売上げなどに関する年刊の報告書です。最新の2023年版には付録「中国电影基础数据」「国产片票房数据」「外国片票房数据」が収録されており、2022年の国内映画市場に関する基礎統計や映画別興行成績を参照できます。『中国统计年鉴』(中国统计出版社 年刊 【Z41-AC65】)
中国の経済・社会に関する幅広い分野の全国統計を収録した統計年鑑です。項目「广播电视电影事业发展概况」には映画館チェーン数、スクリーン数、制作映画数、国産映画・輸入映画別の興行収入を、「电影综合情况」には種類別の映画制作本数等を掲載しています。中国国家統計局のウェブサイトで本書の中国語版、英語版を閲覧できます。中国电影数据信息网
中国・中央宣伝部傘下の機関「国家電影事業発展専項資金管理委員会弁公室」が運営するポータルサイトです。トップページに映画興行成績、上映回数、動員数の日次統計データ(作品・映画館・映画館チェーン・都市別)を掲載しているほか、コーナー「数据报告」からダウンロードできる「全国电影票房周报」「全国电影票房月报」で週次・月次の統計データを参照することができます。
7. 映画史・作品解説
『中国映画史』(平凡社 1987 【KD671-E1】)
『中国电影发展史 : 初稿』第2版【KD671-11】の日本語訳です(編訳者による抄訳箇所あり)。清代末期から1949年の中華人民共和国成立までの中国映画の歴史をまとめています。編訳者による「中国映画史年表」が巻末に付されており、その対象期間は1896年から1987年8月までとなっています。『中国映画の100年』(二玄社 2006 【KD671-H92】)
日本語資料です。上海で最初に映画(フランス製実写フィルム)が上映された1896年から現代までの中国映画の歴史を、代表的な約120本の映画とともに紹介しています。巻末には五十音順の映画人索引を付しています。『百年中国电影精选』(中國社会科学出版社 2005 【KD671-C39】)
2004年までに中国で制作された6,000本以上の映画作品の中から、各年代を代表する映画約800本について紹介しています。キャストやスタッフなどの基本情報、写真やストーリー紹介のほか、映画の背景等も記載しています。
8. 香港映画
『香港影片大全』(香港電影資料館 1997.4- 【KD671-C33】)
香港映画のあらすじ、キャスト、スタッフ等の情報を収録しています。現在第8巻まで刊行されており、当館では第2~8巻を所蔵しています。香港影庫 - Hong Kong Movie Database
香港映画のデータベースです。映画名、関係者名、制作会社名等から映画情報を検索することができます。香港電影業資料彙編(香港電影発展局)
香港電影発展局(香港映画の発展を支援する公的機関)のウェブサイト上で公開されている、香港映画産業に関する年刊の資料集です。当該年に上映された映画タイトル、興行収入、来場者数をはじめ様々な統計データを参照することができます。『香港电影史 : 1897-2006』(中国广播电视出版社 2007 【KD671-C95】)
1897年に香港で初めて映画が上映されて以来、2006年に至るまでの香港映画史を6つの時期に分けて論じています。付録として映画制作本数、映画館数、映画輸出総額、香港映画の興行成績等の歴年統計(数値が空欄の箇所もあり)や、香港内外の映画賞の受賞者リスト(香港映画関係)も掲載しています。『香港百年光影』(北京大學出版社 2007 【KD671-C81】)
香港の映画産業史を複数の切り口から論じています。関連データを多数掲載している点に特色があり、出典も明記されています。香港電影資料館
香港の康樂及文化事務署(レジャー・文化サービスを管轄する政府部門)傘下のアーカイブ機関であり、香港の映画に関する資料の収集・保存を行っています。コーナー「Research and Publication」の「Electronic Publications」から、同館が過去に刊行した出版物の電子版をダウンロードできます。
9. その他
- 『デジタル時代の中国学リファレンスマニュアル』(好文出版 2021 【GE8-M4】)
日本語資料です。「14章 芸術を調べる」にコーナー「中国映画を見る」「映画の内容・製作情報を調べる」「映画の評価・興行成績を調べる」が収録されており、映画関連情報の調べ方が紹介されています。本ページに掲載していない情報源も多数紹介されています。