会社情報の調べ方(韓国)
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アジア情報室 作成
韓国の会社情報についての資料としては、会社年鑑や社史があります。ウェブ上の情報源も有用です。目的に応じて、次のように使い分けられます。
会社名が分かっている会社について知りたい場合
- 概要を知りたい→1. 会社年鑑
- 詳しい財務情報などを得たい→2-1. ウェブ情報―特定企業の詳細情報
- 会社の歴史を調べたい→3. 社史
どういう会社があるか知りたい場合
→1. 会社年鑑
→2-2. ウェブ情報―企業一覧
以下では、会社年鑑、ウェブ情報、社史の3つに分けて、主な資料・情報源について紹介します。【】内は当館請求記号です。ウェブ情報の最終接続日は2017年11月15日です。
1. 会社年鑑
会社の概要を知りたいときには、まず、会社年鑑を調べるのが適当です。また、会社年鑑では、会社情報が業種別に排列されているので、業種ごとに、どういう会社があるかについても調べることができます。
日本語、英語、韓国語の資料があり、資料ごとに収録対象企業が異なります。どの資料にも、会社名、代表者名、本社住所、電話番号、従業員数などは掲載されています。以下ではそれ以外の特徴を中心に紹介します。
1-1. 日本語
以下の資料がありますが、近年は刊行されていません。
- 『韓国会社情報』(東洋経済日報社 年2回刊 【Z41-288】)
有価証券市場上場企業とコスダック上場企業上位30社を収録しています。財務情報のほか、近況の分析も掲載しています(当館では2008年下期版まで所蔵)。
1-2. 英語
- 『Major companies of Asia and Australasia』(Graham & Whiteside 年刊 【Z61-C379】)
"Volume 5: Japan, North Korea, South Korea"に、2,345社の情報が掲載されています(2014年版の場合)。巻末に企業別のアルファベット順索引、SICコード(1987 US Standard Industrial Classification code)索引、営業活動別索引を付しています。
1-3. 韓国語
- 『韓國기업연감(韓国企業年鑑)』 (한국콘텐츠미디어 隔年刊 【Z41-AK20】)
上巻(大企業、上場企業)、中巻(中堅企業、中小企業)、下巻(財界人名録)の3巻からなります。財務情報の概要も掲載しています。 - 『한경기업총람(韓経企業総覧)』 (한국경제신문 한경BP 年刊 【Z41-AK324】)
有価証券市場上場企業、コスダック上場企業、外部監査対象企業について、事業目的や沿革、財務情報を掲載しており、他の会社年鑑より詳細な事項まで記載しています。 - 『한국기업총람(韓国企業総覧)』 (헤럴드미디어 年刊 【Z41-AK270】)
有価証券市場上場企業、コスダック上場企業、外部監査対象企業、一般企業、ベンチャー企業に分けて収録しています。財務情報の概要を掲載しています。 - 『상장·코스닥 기업분석(上場・コスダック企業分析)』(매일경제신문사 年2回刊 【Z41-AK603】)
有価証券市場上場企業、コスダック上場企業、コネックス上場企業の約2000社について、企業概要、規模、過去5年の株価と収益率の推移、財務情報等を掲載しています。排列は会社名のハングル字母順です。巻頭に、業種別の収録社一覧が掲載されています。
1-4. 在外韓国企業、在韓外国企業に関する会社年鑑
『駐日韓国企業名簿』 (駐日韓国企業連合会 年刊 【Z4-B96】)
駐日韓国企業の概要を掲載しています。『2014 해외진출 한국기업 디렉토리(2014海外進出韓国企業ダイレクトリ)』 (KOTRA 2014 【D4-K38】)
海外に進出している韓国企業について、進出先の国別に企業の基本情報、進出現況(投資額、売上額など)、親企業情報を掲載しています。排列はハングル字母順で、巻末に企業名索引と業種別索引を付しています。
KOTRA(大韓貿易投資振興公社)が運営する「KOTRA 해외시장뉴스」(KOTRA 海外市場ニュース)(https://news.kotra.or.kr/kotranews/index.do)の「해외투자」(海外投資)>「진출기업정보」(進出企業情報)で最新版のエクセルファイルがダウンロードできます。"Foreign companies in South Korea" (Commercial Intelligence Service, a Division of Business Monitor International 年刊 【Z61-J468】)
在韓の外国企業約1,000社の概要を掲載しています(2009年版で刊行終了)。
2. ウェブ情報
2-1. 特定企業の詳細情報
会社について、より詳細な情報を知りたい場合には、会社が提出している報告書を調べるのが適当です。特に、事業報告書(사업보고서)は、日本の有価証券報告書に相当し、事業年度ごとに作成されるもので、企業の概要、業績、財務諸表などが掲載されており、会社年鑑より詳細な情報を得ることができます。
会社の報告書は、IR(Investor Relations : 投資家向け広報)情報として会社のウェブサイトに掲載されていることが多いです。これらの報告書を横断的に検索できるウェブサイトもあります。
各企業のウェブサイト
上場企業のウェブサイトには、たいていIR情報が掲載されており、財務情報や各種報告書が掲載されています。
例えば、第17代韓国大統領の李明博氏が、過去に会長を務めていた現代建設のサイト(https://hdec.kr/)では、「투자・가치경영(投資・価値経営)」>「투자정보(投資情報)」から、経営情報、財務情報、公示情報、IR資料室(事業報告書を掲載)などを見ることができます。⑪DART전자공시시스템(電子公示システム)(http://dart.fss.or.kr/) 금융감독원(金融監督院)
회사명(会社名)を入れて検索すれば、その会社が提出した報告書がヒットします。정기공시(定期公示)、주요사항공시(主要事項公示)など、報告書の種類や、提出日で絞り込むことも可能です。
보고서명(報告書名)をクリックすると、各報告書の全文が表示されます。공시대상회사(公示対象会社)の名称をクリックすると、会社の英語名や代表社名、連絡先、URLなどの企業の概況が表示されます。
英語版ページもあります。⑫KIND(https://kind.krx.co.kr/) 한국거래소(韓国取引所)
画面上部の検索窓で、会社名や種目コードで公示情報等を検索できます。
英語版ページもあります。
また、「AsiaLinks -アジア関係リンク集-」の「テーマから探す>ビジネス・企業情報>ビジネス・企業情報 : 大韓民国(韓国)・朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)」では、会社情報などを検索できるその他のサイトも紹介しています。
2-2. 企業一覧
業種や取扱い製品から企業を探したい場合は、以下のウェブサイトが有用です。ここでは英語版ページを紹介いたします。
- ⑬tradeKorea.com(https://www.tradekorea.com/)
画面上部検索窓で、Products(製品名), Category(業種)等で検索することで、特定の製品を取り扱っている企業の一覧を閲覧できます。
3. 社史
社史は各企業の詳細な沿革を調べるのに有用です。関西館アジア情報室では、韓国企業の社史の収集を行なっています。
3-1. 国立国会図書館サーチでの検索方法(会社名検索)
会社名が分かっている場合は、詳細検索画面の「タイトル」または「出版者」に会社名を入力します。ヒットしない場合は、書名に会社名が含まれていない可能性もあるため、「出版者」に会社名を入力して再度検索してください。
書名や出版者名が漢字であれば、漢字で検索してもヒットしますが、ハングル表記の場合はヒットしないことがあるので、ハングル表記でも検索してみてください。
3-2. 国立国会図書館サーチでの検索方法(分類による検索)
会社名を問わず韓国の社史を検索したい場合は、詳細検索画面で、「分類」に「DH26」と入力し、本文の言語コードを「kor」とすることで検索できます。
業種等によっては、異なる分類番号のものもあります。例えば、銀行は「DF256」、新聞社は「UC171」または「UC129」、放送局は「UC221」または「UC237」、公社は「DH57」、公団は「DH59」です。
3-3. 社史の例
いずれも関西館アジア情報室で所蔵しています。
- 『SK60년사』(全4冊)(SK 2013 【DH26-K173】)
- 『삼성전자 40년 도전과 창조의 역사 : 1969-2009』(삼성전자 2010 【DH26-K174】)
- 『포스코35년사(ポスコ35年史)』(포스코 2004 【DH26-K28】)
- 『新韓銀行二十年史』(신한은행 2002 【DF256-K27】)
- 『이야기 관광 한국 : 한국관광공사 50년사(物語観光韓国 : 韓国観光公社50年史)』(한국관광공사 2012 【DH57-K30】)
- 『朝鮮日報 90年史』(조선일보사 2010 【UC171-K34】)