<中国語>『中国インテリジェントコネクテッドビークル(ICV)産業発展報告.2022』:アジア情報室の社会科学分野の新着資料紹介(2023年12月公開)

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アジア情報室 作成

中国汽车工程学会, 国家智能网联汽车创新中心 主编『中国智能网联汽车产业发展报告 = Annual report on the development of China intelligent connected vehicle industry. 2022 (智能网联汽车蓝皮书 = Blue book of intelligent connected vehicle ; No.5)(中国インテリジェントコネクテッドビークル(ICV)産業発展報告.2022 (インテリジェントコネクテッドビークル白書))』 北京 : 社会科学文献出版社, 2023.1, 4, 4, 523 p【DL438-C60

キーワード

中国、インテリジェントコネクテッドビークル(ICV)

著者情報

本書編者の中国汽車工程学会は、米国のSociety of Automotive Engineers(SAE)、日本の公益社団法人自動車技術会に相当する、中国における自動車技術者の専門家団体である[1]。国家智能網聯汽車創新センターは、中国汽車工程学会と中国汽車工業協会などの関連団体が共同で設立した、自動車技術のイノベーションを研究するシンクタンクである[2]

出版の背景・目的[3]

中国の自動車産業は、EV(電気自動車)技術の進展を契機に急激な進歩を遂げ、自動車の動力を内燃機関から電力に置き換えると同時に、従来の自動車ではあまり進展が見られなかったインターネットとの連携、自動運転のような「スマートカー」の研究開発も大きく進展した。インテリジェントコネクテッドビークル[4](以下ICVとする)は、モバイルインターネット、IoT、クラウド計算、人工知能技術と大きく関わっており、その開発は中国の自動車産業に留まらず、国の経済戦略の変化にも大きな役割を果たしている。

本書のポイント

本書は、自動車産業全体の概説に留まらず、ICVに関連する個別の技術の発展にもフォーカスしている。自動運転を始めとする先進技術の研究開発に各国の自動車メーカーは力を入れているが、本書は中国のICV研究開発の最新動向と課題を紹介し、政府の政策決定、企業と研究開発団体の戦略策定に資する参考情報と提言を掲載している。

目次

全体報告
B.1 中国ICV産業化の挑戦と発展の方策

産業編
B.2 2022年中国ICV産業競争力の指数評価
B.3 中国ICV市場の分析

法規規格編
B.4 中国ICV標準体系の構築 
B.5 国内外ICV関連法律法規の現状及び発展に対する提言

技術編
B.6 国内外ICV技術の進展
B.7 国内外インテリジェントコネクト技術の完成車統合技術の発展動向
B.8 LIDAR[5]技術の発展動向
B.9 スマート車載光学技術の発展動向
B.10 コンピューター・プラットフォーム技術の発展動向
B.11 自動運転の知的意思決定技術の発展動向
B.12 エックス・バイ・ワイヤ技術と応用の現状
B.13 ソフトウェアによる自動車時代のDXの定義
B.14 部品のデジタル化開発方法と応用
B.15 クラウドコンソール・プラットフォームによるICVの発展への助力
B.16 路車協調の発展動向
B.17 ICVのネットワーク安全技術研究
B.18 ICVの機能安全技術の発展動向
B.19 SOTIF[6]の探索と実践
B.20 車載高精度測位技術の発展動向
B.21 ICVの高精度地図の発展動向
B.22 自動運転機能のシミュレーション試験
B.23 演算チップの性能テスト方法の進展報告

ホットイシュー編
B.24 スマートコックピット分野の発展の進展動向
B.25 スマートコックピットの知覚・インタラクションの発展動向
B.26 スマートコックピットのチップの発展動向
B.27 スマートコックピットのテストと評価技術の動向

応用編
B.28 業務用無人自動車[7]の商業化応用の進展
B.29 中国におけるICVの道路テストとデモ運用の発展現状
B.30 自動運転を応用するシチュエーションの実用化分析
B.31 C-V2X[8]路車協調の応用シチュエーションの分析

関連する国立国会図書館刊行物収載の文献

中村穂佳「【韓国】先端技術を利用したモビリティ手段に関する法律の制定」『外国の立法』No.296-2, 2023.8
https://dl.ndl.go.jp/pid/12969015/1/1
原井直子「高度道路交通システム(ITS)―歴史と現状―」『レファレンス』No.780, 2016.1
https://dl.ndl.go.jp/pid/9616691/1/1

(アジア情報課 中山 正義)


[1]http://www.sae-china.org/base/info.html外部サイト

[2] http://www.china-icv.cn/about外部サイト

[3]本書「摘要」より

[4]人工知能や高度の通信技術等を導入し、最終的に人に代わって自動運転できる次世代自動車。

[5]Light Detection and Ranging

[6]Safety of the intended functionality

[7]自動配送ロボットに相当

[8]Cellular-Vehicle to Everything