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楽曲のカバーについて調べる

1. 楽曲のカバーとは

カバーとは、主にポピュラー音楽の分野において、既に発表されている楽曲を別のアーティストが新たに演奏、発表する行為や、そうして発表された作品のことを言います。カバーが行われる際、元のアーティストの作品は「原曲」や「オリジナル」などと呼ばれます。
カバーの態様は様々ですが(オリジナルに近い形にするか、新たに編曲するかなど)、このページではそうした区別は設けません。以下に紹介するツールも基本的に同様で、例えば次の項で扱うSecond Hand Songsのイントロダクションのページ外部サイトでは、オリジナルについて複数の定義を設けた上で、カバーについては単に「その楽曲のオリジナル以外のパフォーマンスで、オリジナルとは別のアーティストによるもの」と定義しています。

2. カバーについてのデータベース

3. 著作権管理団体のデータベースから調べる

上記のデータベースのほかに、次の著作権管理団体のデータベースから、カバーを行ったアーティストを調べることができます。

  • J-WID外部サイト(JASRAC)
    各楽曲のページの下部にある「アーティスト名一覧」(右端の+マークをクリックすると展開されます)に、その楽曲の録音を行ったアーティストが一覧で表示されます。
  • The MLC Public Work Search外部サイト(Mechanical Licensing Collective)
    各楽曲のページの下部にある「Matched Recordings」に、その楽曲の録音を行ったアーティストやレーベル名、演奏時間等が表示されます(各種配信サービスで提供されるデータがすべて表示されるため、同内容の演奏のデータが複数表示されることがあります)。
    ※Mechanical Licensing Collective (MLC) は、アメリカ合衆国の音楽著作権管理団体の一つです。ストリーミングサービス等への対応を行うため、2018年の音楽近代化法に基づいて設立されました。また、The MLC Public Work Searchは、同法に基づきMLCが2020年に公開したデータベースです。

4. そのほかの調べ方

録音資料の出版情報の目録等に、索引など、曲名から調べることができる手段がある場合、同名の曲の複数の録音を見つけられることがあります。ただし、同名異曲ではないか等を別途調べる必要があります。
目録等の資料については「録音資料の出版情報(国内)を調べる」をご覧ください。

5. 参考:替え歌について

カバーとは異なりますが、日本語の楽曲の替え歌について、以下の資料で調べることができます。【 】内は当館請求記号です。

  • 有馬敲『替歌研究』(京都文学研究所 2000 【KG361-G10】)
    明治以降、現代にいたるまでの「替歌」を、元歌の歌詞と対比する形で掲載しています。なお、本書の「替歌」という言葉にはいわゆる替え歌のほか、パロディ、借用なども含まれます(本書「はじめに」より)。
  • 有馬敲『替歌・戯歌研究』(京都文学研究所 2003 【KG361-H5】)
    上記『替歌研究』の姉妹編にあたる書籍で、各地域の民謡の替歌などを取り上げています。
  • 鳥越信『子どもの替え歌傑作集』(平凡社 2005 【GD1-H118】)
    唱歌・童謡の替え歌など、子どもの替え歌を元歌の歌詞とともに多数掲載しています。まえがきには、本書以前に書かれた、替え歌に関する参考文献のリストも掲載されています(p.16)。
  • 鵜野祐介『子どもの替え唄と戦争 : 笠木透のラスト・メッセージ』(文民教育協会子どもの文化研究所 2020 【KG361-M3】)
    主に第二次戦争下の日本の子どもたちが作った替え歌を、元歌の楽譜とともに紹介しています。巻末に「元歌の楽譜リスト」「文献リスト」があります。

この記事で紹介したインターネット情報の最終アクセス日は2024年5月1日です。