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業界動向の調べ方

業界動向を調べるための情報源としては、業界動向をまとめた資料、業界地図、調査レポート、統計資料、専門雑誌・新聞などがあります。
業界動向には、生産量、販売額、従業員数などの統計データのほか、市場規模、業界展望、製品価格、マーケットシェア、ランキング、業界名簿などの情報が含まれます。

ここでは、主に国内の業界動向が掲載されている情報源を紹介するほか、それらの情報源をタイトルおよび団体名などから検索する方法を紹介します。
海外の業界動向は海外の業界動向の調べ方をご覧ください。

【 】内は当館請求記号です。請求記号が記載されていないものは、版によって請求記号が異なります。国立国会図書館サーチでタイトルを入力して検索してください。
『資料名』(書誌情報)の後ろに*が付いている資料は、国立国会図書館サーチの書誌詳細画面に目次があります。

1. 産業全般の業界動向を調べる

産業全般にわたって業界動向を調べるための情報源には、以下のようなものがあります。
それぞれの情報源に掲載されている出典統計や参考文献、業界団体名などをキーワードに、国立国会図書館サーチやインターネット情報を検索することによって、さらに調査を広げることができます。

1-1. 業界動向をまとめた資料で調べる

  • 『業種別審査事典』(金融財政事情研究会 不定期刊)*
    1,500以上の業種について、業界動向、市場規模、海外展開、需給状況、関連法規などを分析しています。統計や図表類も掲載されています。
    与信審査の参考資料として編集されており、業界情報を調べる際に特に有用な資料です。
    収録されている業種については、金融財政事情研究会が公開している「各巻収録業種一覧外部サイト」をご参照ください。
  • 『業種別業界情報』(経営情報出版社 年刊 【Z41-5015】)*
    300以上の業種について、そのあらましと現状、業界の仕組みと特性、経営の動向と問題点、業界の悩みと今後の方向などをまとめています。
  • TDB REPORT ONLINE(当館契約データベース:館内限定)
    業界動向や話題の経済・経営トピックに関する記事を掲載している会員制ビジネス情報サイトです。
    日本国内の約100業界の市場動向と今後の見通し、主要企業の動向、統計データなどを掲載した「TDB業界動向」、業界の前年の動向と当年の展望を7段階で表した「業界天気図」などが閲覧できます。【東京本館では、科学技術・経済情報室内の特定端末でのみ利用可】
    2023年6月までは『TDB report』として冊子体で刊行されていました。
  • 『テクノロジー・ロードマップ 全産業編』(日経BP 年刊)*
    将来の市場ニーズに合わせた商品と技術を提示するレポートです。人工知能(AI)、自動車、エネルギー、医療、農業・食品工業などの全産業分野を対象とし、技術テーマごとに今後10年の市場の流れを予測しています。
  • 『全国企業あれこれランキング』(帝国データバンク 年刊)*
    売上高や純利益などについて、全国ランキング、都道府県別ランキング、業種別ランキングが掲載されています。また、各種の財務指標に関するランキングも掲載されています。
    2024年10月刊行の『全国企業あれこれランキング 2025』をもって刊行を終了しました。

1-2. 業界地図で調べる

「業界地図」は、各業界の主要企業の業績や提携関係、事業の見通しなどについて簡略にまとめた資料です。図版やグラフを多用して、見やすく編集してあることが特徴です。
代表的なタイトルには、以下のようなものがあります。

  • 『日経業界地図』(日本経済新聞社 年刊)*
  • 『会社四季報業界地図』(東洋経済新報社 年刊)*
  • 『図解!業界地図』(ビジネスリサーチ・ジャパン 年刊)*

1-3. 金融機関のレポートで調べる

金融機関のホームページに、産業全般の動向をまとめたレポートが掲載されていることがあります。
ここでは、金融機関が公表する調査レポートが掲載されているページを例として紹介します。

2. 調査レポートを探す

調査レポート(アンケート調査や統計データ、企業データなどを基に、特定の産業の市場規模・企業シェア・動向・将来展望などを分析したレポート)で、各産業の動向を調べられることがあります。

2-1. 冊子体の調査レポートを探す

当館で冊子体の調査レポートを所蔵しているかどうかを確認する場合は、調査レポートのタイトルなどを国立国会図書館サーチに入力して検索してください。
なお、最新版が刊行されてから国立国会図書館で閲覧できるようになるまでには時間がかかります。

調査会社の刊行する調査レポートにどのようなものがあるかを調べる場合は、調査会社のホームページで、キーワードやカテゴリーから検索します。
ここでは、科学技術・経済情報室で開架している資料が多い調査会社のホームページを例として紹介します。

2-2. インターネット上で公開されている調査レポートを探す

  • 経済レポート情報外部サイト(ナレッジジャングル)
    インターネット上で公開されている経済関係のレポートを紹介する情報提供サイトです。
    カテゴリー「産業総合」のページに、各産業のレポートの情報がまとめられています。

3. 個別の産業の情報源を探す

個別の産業の業界動向について調べるための情報源は、以下のような情報提供サイトから探すことができます。また、各業界の専門新聞や業界団体の刊行物で業界動向を調べることも有用です。
情報源が見つかったら、掲載されている統計の出典や参考文献、業界団体名などをキーワードに、国立国会図書館サーチやインターネット上で検索することによって、さらに詳細な情報を探すことができます。

3-1. 情報提供サイトから情報源を探す

  • リサーチ・ナビ「産業情報ガイド
    産業の分野ごとに、統計資料、調査レポート、企業名簿(名鑑)、専門雑誌、専門新聞、インターネット情報などを紹介しています。主に国内の産業を取り扱い、最新の動向、情報が掲載された情報源を中心に紹介しています。
    各ページに掲載されている資料名や団体名、調査機関名などをキーワードに、さらに調査を広げることができます。たとえば、国立国会図書館サーチを調査レポートの調査機関名で検索することで、その機関が発行する類似のレポートや過去のレポートなどが見つかることがあります。
  • リサーチ・ナビ「分野別統計書
    業界動向を調べるには生産量、販売額などの統計が有用です。
    リサーチ・ナビ「分野別統計書」内の各ページでは、各分野の公的統計、民間統計、海外の統計などの情報源を紹介しています。
    このほか、リサーチ・ナビ「統計」内の各ページでは、海外や地方に関する統計、人口に関する統計の調べ方も紹介しています。
  • レファレンス協同データベース
    国立国会図書館のほか、全国の公共図書館、大学図書館、専門図書館に寄せられた質問とその回答事例を検索できるレファレンス(調べものの相談)のデータベースです。
    個別の産業の業界動向を調べられる情報源を探す場合は、まずは関連する事例を検索し、そこで紹介されている資料や情報源を手がかりに、より新しい資料や情報源を探すことが有用です。
    製品名や業界名と、「市場」、「業界動向」、「統計」などのキーワードを掛け合わせて事例を検索してください。
  • ディープライブラリー外部サイト(ディープ・ライブラリー・プロジェクト)
    専門図書館の所蔵資料を横断検索することができます。公共図書館や大学図書館に所蔵のない資料が見つかる場合があります。

3-2. 専門雑誌・新聞を探す

新聞や雑誌の記事に、時事的な業界動向やその分析が掲載されていることがあります。
『日本経済新聞』、『朝日新聞』などの全国紙以外にも、各地方紙や、『九州経済白書』のような地方ごとの経済誌、業界ごとの専門雑誌、専門新聞があり、それぞれ特色ある構成になっています。

  • 『雑誌新聞総かたろぐ』(メディア・リサーチ・センター 年刊)
    国内で刊行される雑誌、新聞の名鑑です。業界動向を扱った雑誌や新聞も多く掲載されています。「内容」や「読者」の項目を見ることで、統計や名簿、製品情報などの業界動向が掲載されている雑誌・新聞を見つけることができます。
    1集(1979年版)以降のバックナンバーで、過去の雑誌・新聞を探すこともできます。
    2019年版をもって休刊となりました。
  • 『専門新聞要覧』(日本専門新聞協会 年刊)
    国内で刊行される専門新聞の要覧です。業界団体が刊行する新聞も多く含まれます。
    新聞には時事的な業界動向が掲載されており、業界情報を調べる際には有用です。
    昭和57年版以前のタイトルは『日本専門新聞協会要覧』です。当館でのまとまった所蔵は、おおむね昭和50年以降です。

3-3. 業界団体を探す

  • 『全国各種団体名鑑』(原書房 隔年刊)
    公益法人、公益事業を行う法人など、利益追求を目的としない団体の名簿です。国内のあらゆる分野の約60,000団体の概要とその刊行物が掲載されています。
    経済・産業分野の団体も多く掲載されており、それらの団体の機関誌(紙)をはじめとする主要刊行物を調べることもできます。
    創刊(昭和40(1965)年)以降のバックナンバーで、過去の団体を調べることもできます。

4. 国立国会図書館での所蔵を探す

以下のウェブサービスから、産業や製品に関するキーワードと「市場」、「動向」などのキーワードを掛け合わせて検索すると、業界動向について書かれた資料を探すことができます。
上で紹介した情報源に出典として記載されている統計名や参考文献名、業界団体名などのキーワードを掛け合わせて検索することも有用です。

  • 国立国会図書館サーチ
    国立国会図書館をはじめ、全国の公共図書館、公文書館、美術館や学術研究機関などが提供する資料、デジタルコンテンツを統合的に検索できます。
    検索対象については、「国立国会図書館サーチの検索対象」を確認してください。
    業界動向について書かれた資料を探す場合は、以下のような検索方法が有用です。

    • 図書・雑誌の検索:業界名のような幅の広いキーワードで検索する方が有効な結果を得やすいです。
    • 雑誌記事の検索:製品名などのより細かいキーワードで検索しても記事がヒットすることがあります。
    • 類書の検索:資料の書誌詳細画面の「書誌情報」欄に記載されている「著者標目」や「件名標目」のリンクをクリックすると、その資料と同じ著者・分野の資料を検索することができます。さらに、「市場」、「動向」、「調査」、「報告」、「統計」といったキーワードを追加して再検索すると、業界動向について書かれた資料に絞り込むことができる場合があります。
  • 国立国会図書館デジタルコレクション
    国立国会図書館で収集・保存しているデジタル資料を検索・閲覧することができます。タイトル、著者、出版者、目次などから検索でき、本文に含まれる単語などからも検索できます。
    統計や過去の業界誌など業界動向を調べるための資料も多く含まれます。特に、過去のデータを検索する際には有用です。
    掲載範囲については「国立国会図書館デジタルコレクションについて」を確認してください。

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