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勤労青少年補導緊急対策要綱

昭和18年1月20日 閣議決定

収載資料:資料日本現代史 7 神田文人 大月書店 1981.10 pp.382-383 当館請求記号:GB631-39

第一 目標
国力ノ基幹タル勤労青少年ノ不良化傾向ノ増大ニ鑑ミ一般勤労青少年ニ対スル補導ヲ徹底シテ其ノ不良化ヲ未然ニ防止スルト共ニ不良化セル勤労青少年ニ対スル教化錬成ヲ充実シテ之ヲ健全ナル勤労青少年ニ指導育成スルモノトス

第二 一般勤労青少年ニ対スル補導
一般勤労青少年ニ対シ概ネ左記対策ヲ講ジ之ガ不良化ノ防止ニ努ムルモノトス
一 工場事業場ニ於ケル補導機関ヲ充実整備スルコト
二 勤労青少年ニ対スル錬成ノ徹底ヲ図ルコト
三 勤労青少年ニ対スル生活指導並ニ貯蓄指導ノ徹底ヲ図ルコト
四 勤労青少年ニ対スル厚生施設ノ拡充強化ヲ図ルコト

第三 不良化セル勤労青少年ニ対スル補導
不良ノ性行アル勤労青少年ニ対シテハ概ネ左記対策ヲ講ジ之ガ教化育成ニ努ムルモノトス
一 工場事業場ヲシテ不良化セル勤労青少年ノ早期発見及特別補導ヲ為サシムルコト
二 工場事業場又ハ道府県及道府県産業報国会ヲシテ特別錬成ヲ行ハシムルコト
三 少年審判所及司法保護委員会ノ右二対スル協力ヲ促進スルコト

第四 虞犯及犯罪青少年工ニ対スル補導
犯罪ノ虞アリ又ハ犯罪ヲ為シタル青少年工ニ対シテ概ネ左記対策ヲ講ジ之ガ保護錬成ニ努ムルモノトス
一 少年審判制度ノ運用ヲ刷新強化シテ少年工ノ保護事件ノ処理ヲ周到、敏速且円滑ナラシムルコト
二 少年工ノ性情ニ応ジテ産業要員トシテノ保護錬成ノ徹底ヲ図ルコト
三 十八歳以上ノ青年工ニ対シテハ少年工ニ準ジ保護錬成ヲ為シ得ル方途ヲ講ズルコト
四 工場事業場ノ右二対スル協力ヲ促進スルコト

第五 勤労青少年指導者ニ対スル指導
事業主、工場幹部及勤労青少年補導担任者ニ対シ勤労青少年ノ補導訓育ニ関スル責任ヲ自覚セシムルト共ニ随時之ニ対シ適当ナル錬成ヲ行フコト

第六 勤労青少年補導組織ノ確立
中央及地方ニ勤労青少年補導組織ヲ確立スルコト