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昭和20年度予算編成ニ関スル件

昭和19年7月25日 閣議決定

収載資料:昭和財政史 第3巻 大蔵省昭和財政史編集室 東洋経済新報社 1975.9 pp.644-645 当館請求記号:342.1-O635s

重大時局ニ際シ速ニ国家総力ノ戦列結集ヲ完遂シ総智総能ノ発揮卜忍苦耐乏ノ実践トニ依リ必勝不敗ノ態勢ヲ強化シ臨機即応以テ時艱ヲ突破スルハ現下直面セル軍国ノ急需ニシテ政府施策ノ目標ハ挙ゲテ之ヲ此ノ一点ニ集中セザルベカラズ依テ昭和二十年度予算ノ編成ニ当リテハ各省共深ク思ヲ茲ニ致シ単ニ所管ノ立場ニ偏スルコトナク必ズ左記各項ニ準拠スルモノトス

一、予算ノ編成及実行ノ際ニ於ケル機動性確保ニ資スル為前年度予算ヲ基準トシテ現下ノ戦局ニ顧ミ其ノ推移ニ即応セル改編ヲ断行スルヲ以テ主眼トスルコト
二、資金、物資及労務ノ効率発揮ヲ最高度ナラシムルト共ニ既往ニ於ケル当該動員計画ノ状況ニ顧ミ其ノ需要量多キ施設ノ予算化ハ之ヲ避クルコト
三、行政運営ノ戦場態勢化ト既存人員ノ重点的配置替トヲ強行シ以テ官吏以下政府職員ノ増加ハ之ヲ行ハザルコト
四、緊急ナル施策ノ臨機実行ニ遺憾ナカラシムル為予備費ノ計上ヲ多額ナラシムルコト
五、各省ハ概算又ハ概計書類ト共ニ物資需要調書ヲ作成スルコトトシ其ノ大蔵省ヘノ提出期限ハ必ズ之ヲ厳守スルコト
提出期限
一般会計   特別会計
基準概算又ハ基準概計書 八月二十日  九月三十日
右ニ伴フ物資需要調書  八月三十一日 十月十五日
追加概算又ハ追加概計書 九月三十日  十月三十一日
右ニ伴フ物資需要調書  十月十五日  十一月十五日
備考
朝鮮総督府、台湾総督府、樺太庁、学校、関東局、帝国鉄道及通信事業以外ノ各特別会計ニ付テハ基準概計及追加概計ニ区分スルコトナク其ノ提出期限ハ追加概算又ハ追加概計書ノ分ニ準ズルコト