外資金庫法案要綱

昭和20年1月12日 閣議決定

収載資料:日本金融史資料 昭和編 第34巻 日本銀行調査局 大蔵省印刷局 1973.5 p.486 当館請求記号:338.21-N684n

一、大東亜戦争に際し国家の政策に則し在外資金の調達運用を為す為法律を以て法人を設立すること
二、本法人は外資金庫と称し主たる事務所を東京に置き政府の認可を受け銀行等をして業務の一部を取扱はしむることを得ること
三、外資金庫の資本金は五千万円とすること
四、政府は右資本金の全額を出資することゝし第一回の払込は資本金の五分の一を下らざる額とすること
五、外資金庫の職員は之を公務員と看做すこと
六、外資金庫は第一項の目的を達する為政府の定むる貸付、預金等の業務及政府の定むる価格調整に関する業務を行ふこと
七、外資金庫は政府の認可を受け又は政府の命令に依り前項以外の業務を行ふこと
八、外資金庫は勅令を以て定むる時期迄の毎期間を以て一事業年度とすること
九、外資金庫は剰余金を政府に納付すべきこと
十、政府は外資金庫に対し其の業務上の損失を補償すること