昭和20年11月20日 閣議決定

収載資料：神宮制度改正問題の経緯 / 神祇院終戰始末　[岡田米夫]　神社本廳　1996.10　神祇院終戰始末pp.50-51　当館請求記号：AZ-616-J41

第一　方針
終戦後ニ於ケル内外ノ新情勢ニ鑑ミ、神社本来ノ使命ヲ達成シ、皇国ノ真姿ヲ愈々顕揚スルヲ要ス。之ガ為ニハ従来神社ガ国家ノ保護ト監督ノ下ニ、動モスレバ其ノ本来ノ面目ヲ顕シ得ザリシ傾向ヲ是正シ、茲ニ全国ノ神社存立ノ基礎ヲ氏子崇敬者ノ旺盛ナル信仰心ニ置キ、古来ノ伝統タル国民敬神ノ至情ヲ益々昂起シ、以テ愈々神社ノ振興ヲ期スルノ要アリト認メ、従来ノ諸制度ニ検討ヲ加ヘ、左記要領ニ依リ刷新ヲ図ラムトス。
第二　要領
一、 神宮ニ対スル措置
1 神宮ニ対スル国庫供進金ハ之ヲ廃止ス
2 当度ノ式年御造営（昭和二十四年式年遷宮祭）ハ之ガ完成ヲ期ス
3 神宮司庁官制及神宮神部署官制ヲ廃止シ、其ノ事業ハ別ニ設クル法人ニ於テ之ヲ継承ス
二、 神社ニ対スル国家的保護ノ撤廃
1 官国幣社ノ国庫供進金制度ハ之ヲ廃止ス
2 国庫ニ依ル新規ノ官国幣社営繕事業ハ之ヲ行ハズ
3 神職ノ官吏待遇ヲ撤廃ス
三、 国民ノ思想信仰ノ自由ヲ拘束スル虞アル左記事項ニ付テハ、政府ノ凡ユル部門ニ於テ、之ヲ強要又ハ勧奨スルコトヲ為サズ
1 神宮大麻ノ頒布
2 国民錬成等ノ為ニスル禊神拝行事
3 職場ニ於ケル大祓行事
4 神社ニ対スル団体参拝
5 学校職場ニ於ケル神殿又ハ神棚ノ設置
四、 神社行政機構ノ整理
　神祇院ハ之ヲ廃止シ、神社ニ関スル行政ノ所管ニ付テハ別途考究ス