昭和21年4月2日 閣議決定

収載資料：総理府統計局百年史資料集成　第2巻　総記下　総理府統計局　1973.3　pp.23-25　当館請求記号：AZ-333-7

連合国軍総司令部ヨリ別紙ノ通指令セラレタルニ付左ノ要綱ニ依リ人口動態調査ヲ整備セントス

人口動態調査整備要綱
第一、戸籍法中ノ届出地ニ関スル規定ヲ改正シテ届出ハ左ノ区分ニ依リ届出事件ノ関係者ノ住所地ニ於テ之ヲ為サシム
1　出生ニ付テハ出生児ノ母ノ住所
2　死亡ニ付テハ死亡者本人ノ住所
3　婚姻ニ付テハ夫ノ住所（但シ入夫婚姻又ハ婿養子縁組ノ場合ハ妻ノ住所）
4　離婚ニ付テハ夫ノ住所
死産ニ付テハ死産証書（死胎検案書）ニ母ノ住所ヲ記載セシム
航海中ニ於ケル出生、死亡、監獄ニ於ケル死刑、戸籍法第六十一条、第百十九条、第百二十二条ノ場合等通常ノ届書ニ依ル以外ノ事件ニ付テハ別途考慮ス

第二、戸籍法ノ規定、死亡診断書、死体検案書、死産証書、死胎検案書ノ記載事項及様式（明治三十三年内務省令第四十一号及明治三十三年内務省訓令第二十八号）ヲ改正シテ届書（死亡診断書等ノ附属書類ヲ含ム以下同ジ）ニ統計上必要ナル事項トシテ凡ソ左記ノ事項ヲ包含セシム
1、出生
(一）氏名及男女ノ別（戸）
(二）出生当時ノ母ノ住所（戸）
(三）出生ノ年月日（戸）
(四）同ジ母ニ依ル兄姉（死産ヲ含マズ）数（戸）
(五）婚姻当時ノ父母ノ本籍又ハ国籍（戸）
(六）父母ノ職業（戸）
(七）父母ノ出生ノ年月日（戸）
(八）医師又ハ産婆ノ立会アリタルトキハ其ノ旨（戸）
(九）複産児数（戸）
2、死亡
(一）氏名及男女ノ別（戸）
(二）死亡ノ年月日（戸）
(三）発病ノ年月日
(四）死亡当時ノ住所（戸）
(五）発病当時ノ住所
(六）出生ノ年月日
(七）母ノ生年月日（数へ年七歳以下ノ死亡者ニ付）
(八）配偶ノ関係
(九）職業（戸）
(十）死亡ノ原因
3、死産
(一）分娩当時ノ母ノ住所
(二）男女ノ別
(三）分娩ノ年月日
(四）妊娠ノ月数
(五）父母ノ職業
(六）父母ノ婚姻当時ノ本籍又ハ国籍
(七）父母ノ出生年月日
(八）同ジ母ニ依ル兄姉（死産ヲ含マズ）数
(九）複産死胎数
(十）医師又ハ産婆ノ立会アリタルトキハ其ノ旨
4、婚姻
(一）種別（戸）
(二）本籍又ハ国籍（戸）
(三）婚姻当時ノ住所（戸）
(四）婚姻ノ年月日（戸）
(五）氏名（戸）
(六）出生ノ年月日（戸）
(七）配偶ノ関係（戸）
(八）職業（戸）
5、離婚
(一）婚姻当時ノ本籍又ハ国籍（戸）
(二）離婚当時ノ住所（戸）
(三）離婚ノ年月日（戸）
(四）婚姻ノ年月日（戸）
(五）氏名（戸）
(六）出生ノ年月日（戸）
(七）職業（戸）
備考
右統計上必要ナル事項トシテ掲ゲタル事項中（戸）トアルハ戸籍法ニ依ル届書ニ記載セシムベキモノナルコトヲ示ス

第三、市区町村長ハ右届書ヲ基キ届出ノ一事件毎ニ必要事項ヲ記入シテ調査票ヲ作成シ一箇月毎ニ之ヲ取纏メテ翌月十五日迄ニ府県知事（都道長官ヲ含ム以下同ジ）ニ送付ス
府県知事ハ前項ノ調査票ヲ検査シタル上毎月末日迄ニ内閣統計局長ニ進達ス

第四、市区町村長ハ右届書ニ依リ毎月其ノ月中ノ届出事件ヲ集計シテ別紙様式ニ依ル市区町村毎月人口動態統計表ヲ作成シ翌月十日迄ニ府県知事ニ送付ス
府県知事ハ前項ノ統計表ヲ取纏メ之ヲ検査シタル上毎月二十日迄ニ内閣統計局ニ携行セシム
内閣統計局ニ於テハ前項ノ統計表ニ依リ毎月携行進達期限後七日以内ニ都道府県別、市別人口動態月報ヲ作成シ直チニ其ノ一本ヲ連合軍総司令部ニ提出ス

第五、前出第三ノ調査票ノ用紙及第四ノ統計表ノ用紙ハ内閣統計局ヨリ地方ニ交付ス

第六、市区町村ニ対シテハ事務費トシテ調査票一枚ニ付五十銭程度ノ地方交付金ヲ国庫ヨリ交付ス

第七、都道府県ニ対シテハ左ノ区分ニ依リ事務費トシテ地方交付金ヲ国庫ヨリ交付ス
1、毎週勤労統計調査又ハ毎週生計費指数資料実地調査ヲ施行中ノ都道府県ニ対シテハ
(一）毎月統計表ノ携行ニ要スル経費
(二）市区町村ノ指導ニ要スル経費
2、其ノ他ノ府県（二十二府県）ニ対シテハ
(一）属二名ノ設置ニ要スル経費
(二）毎月統計表ノ携行ニ要スル経費
(三）市区町村ノ指導ニ要スル経費

第八、現行ノ人口動態調査ノ法令ハ以上改正ノ線ニ副ヒ之ヲ全面的ニ改正ス

第九、本調査ト重複スル各省各庁ノ諸調査ハ可及的本調査ノ実施ト同時ニ廃止ス

第十、前出第一、第二ノ法令改正及之ニ伴フ第八ノ法令改正ハ第一次的ニ之ヲ行ヒ第四第一項ノ統計表ノ作成ハ本年七月分ヨリ実施シ得ル如ク至急措置ヲ講ズ

第十一、第八ノ法令改正（第十二於テ行フ分ヲ除ク）ハ第二次的ニ之ヲ行ヒ第三ノ調査票ノ作成ハ全国ニ亘リ又ハサンプル調査ノ式ニ依リ昭和二十二年一月分ヨリ実施シ得ル如ク措置ス

第十二、前出第十、第十一ノ改正ヲ周知徹底セシムル為右ノ系統ニ依リ係員ノ会議ヲ開キ之ニ制度改正ヲ解説シタル「人口動態調査必携」ヲ頒布説明シテ指導ヲ行フノ外一枚刷ノ平易ナル解説書ヲ隣組単位ニ広ク頒布シテ周知方ニ努ムルト共ニ連合国軍総司令部ノ協力援助ノ下ニ新聞、ラヂオ等ノ諸施設ヲ利用シテ一般国民ニ対シ啓発宣伝ヲ行フ
内閣統計局
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厚生省――都道府県―市区町村
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内務省　　　　　／
司法省――裁判所
備考
本件ノ実施ニハ経費年額約五百万円ヲ要スル見込ナリ