昭和22年度予算の編成及び帝国議会提出等に関する各種措置

昭和22年1月29日 閣議決定

収載資料:昭和財政史 終戦から講和まで 第17巻 大蔵省財政史室編 東洋経済新報社 1981 pp.977-978 当館請求記号:DG15-19

昭和二十二年度予算は概算決定の遅延その他各般の情勢上その編成及び議会提出は相当遅延を免れない情況にある。よって此の際左の措置を講じてその進捗を図ると共に議会審議の万全を期するものとする。
一、一般会計予算
(一)一般会計予算は二月十日議会提出を目途として編成の進捗を図るものとし、各省は積極的に協力する。これが為
(二)連合国軍司令部におげる審議の促進について特段の措置を講ずる。
(三)閣議決定概算においては一応歳入不足のまま処理せられておるが、税収の見積変更その他の措置によりこれを補填し歳入歳出を合せて編成する。
(四)税制の改正、特別会計予算の決定等に基く総予算の調整は追加予算を以て処理する。
(五)事務進捗の都合上予算の形式に特例を設けまず機能別区分によるものを提出しその審議の開始を求め部局別のものは追て早急に提出することとする。尚これに関しては連合国軍司令部の了解を得るものとする。
二、特別会計予算
(一)特別会計予算は一般会計予算とは分離して提出するものとし、その議会提出は遅くとも二月二十日とする。尚これに関しても連合国軍司令部の了解と審議の促進を求める。
(二)特に通信事業及び帝国鉄道の両特別会計の概計を急速に決定する。
(三)特別会計予算の形式は事業会計を除き原則として従来通りとする。
三、法制的措置
(一)会計法第七条の特例に関する法律案を早急に議会へ提出する。
(二)特別会計予算を一般会計予算と分離し議会へ提出することにつき、各特別会計法の特例を設ける。
(三)昭和二十二年度予算の形式に関し特例を設ける。
(四)財政法案は早急に提出を見ること困難な事情にあるが成案の促進を図ると共に昭和二十二年度に関する過渡的特例について所要の措置を講ずる。
四、昭和二十一年度追加予算
昭和二十一年度追加予算第一号は終戦処理費の追加とし、能ふれば今回の給与暫定措置の所要経費をも計上する。尚その議会提出は遅くとも二月十日とする。
五、其の他
(一)本件措置につき政党側の了解と積極的協力とを求める。
(二)本件につき連合国軍司令部の了解を求める事項については迅速且強力にこれを行ふ必要がある。