デラ台風災害に関する復旧費の応急措置について

昭和24年7月8日 閣議了解

収載資料:昭和財政史 終戦から講和まで 第18巻 大蔵省財政史室編 東洋経済新報社 1982 p.54 当館請求記号:DG15-19

デラ台風関係災害復旧費に対して、国庫負担金の追加と、地方債発行総額の拡張を行うこととするが、これが決定には、折衝と時日を必要とするから差当り、左の措置を講じ災害対策に遺憾なきを期することとする。
(一)、既定公共事業費のうち未だ認証の済んでいない一般事業費中からとりあえず十億円を目途として本災害復旧費に流用すること。この場合においても過年度災害復旧費については、手を触れず一般事業費について検討を加えるものとすること。なお、これによって流用したものについては、公共事業費の予算が増額した場合に元に戻すこと。
(二)、前項の額に対する地方負担分については、本年度地方債の公共事業費のワク百十九億円のうちより五億円程度の起債を承認すること。
(三)、地方単独事業について保留してある十一億円のうちから地方債を承認すること。
(四)、(一)については、各省別、各県別の見込額を七月中に決定し、(二)及び(三)については、それと併行して行うこと。
(五)、特に緊急の必要あるものに対しては、特に金額の多額に上る県に対し、(一)乃至(三)を見返りとして預金部資金の短期融資を行うこととし、その額は十億円とし、県別貸付額を各省協議の上本月八日に決定し、県に通知すること。
備考
既定の公共事業費中過年度災害関係分につき第三、四半期以降の分をこの際可及的に繰上認証すること。
(注意)
本件は司令部の承認あるまで発表しないこと。