配炭公団の廃止及び石炭の統制撤廃に関する件

昭和24年8月30日 閣議決定

収載資料:昭和財政史 終戦から講和まで 第18巻 大蔵省財政史室編 東洋経済新報社 1982 pp.340-341 当館請求記号:DG15-19

一、配炭公団は昭和二十四年九月十五日を以って之を廃止する。
二、配炭公団廃止後は輸入炭及び特殊銘柄を除き全面的に自由販売とする。
三、石炭の法的措置による計画生産は行わないが必要な範囲に於いて生産目標の指示をする。
炭鉱に於いて将来必要とする資金資材等については生産目標ある場合は之に基き指示なき場合は生産実績等に応じて割当又は斡旋を行う。労務加配米及び労需物資の内石炭生産上必要なるものは当分の間従来通りとする。
四、石炭の価格統制は公団廃止と同時に全面的に廃止する。但し、石炭価格が昂騰し重要物資の価格に甚だしい影響を与える場合に於いては統制額の指定等必要の措置を講ずる。尚石炭の公定価格廃止の結果価格の上昇を理由とする統制物資の生産者乃至消費者価格の引上はこれを行わない。但し補給金の廃止、調整又は切換等による価格調整はこの限りでない。
五、配炭公団廃止に伴い左の財政金融措置をとる。
(一)配炭公団に対する補給金の早期交付並びに既定の売掛金回収強化措置の厳格なる実行と売掛先に対する一般金融により売掛金の回収を促進する等の措置により公団認証手形の決済を確保する。
(二)配炭公団の廃止に伴い必要とされる生産業者及び販売業者に対する金融については、商業手形の割引、日本銀行の融資等により一般金融機関よりの金融の円滑化を図る。
六、積極的に有効需要の造出潜在需要の喚起をはかると共に石炭輸入の漸減、石炭輸出の増進につとめ以て石炭需給の改善を図り健全な石炭企業の維持を期する。
七、配炭公団手持貯炭の処分は別途之を定める。
八、特別鉱害賠償に要する経費は之の特殊性に鑑み必要に応じ法的措置を講ずる。
九、コークスについても前記措置に準ずる。