昭和24年12月27日 閣議決定

収載資料：防衛施設庁史　第1巻　防衛施設庁史編さん委員会編　防衛施設庁総務部総務課　1973　pp.145-146　当館請求記号：AZ-675-19

1．連合国最高司令官ノ調達要求ヲ充足スルタメニ、政府ガ賃借シタ財産（使用財産）ノ調達解除後ノ処理ニ必要ナ措置ニツイテハ、本要綱ノ定メルトコロニヨルコト。
2．調達解除財産ノ管理オヨビ返還ニツイテハ、特別調達庁長官ガコレニ当ルコト。
3．調達解除財産ノ返還ニ当ツテハ、所有者ノ立会イノ下ニ引渡調書ヲ作成スルコト。
4．調達解除財産ノ使用解除ハ、特別調達庁長官ノ指定スル引渡ノ期日ニアツタモノトシ、当該期日以降ニオケル当該財産ノ維持、保存ノ費用ハ所有者ノ負担トスルコト。
5．特別調達庁長官ハ、使用解除財産ニツイテ、引渡調書二基キ、不動産評価委員会（特別調達庁設置法ノ一部改正ニヨリ不動産審議会設置後ハ当該審議会）ニ諮問ノ上、評価調書ヲ作成スルコト。
6．政府ハ評価調書ノ当初価額（使用開始時ノ種類、数量、形状オヨビ用途ニオケル当該財産ノ使用解除時ノ時価）ト引渡価額（使用解除時ノ種類、数量、形状オヨビ用途ニオケル当該財産ノ使用解除時ノ時価）ノ差額ニ相当スル金額ヲ当該財産ニツイテノ賃貸借契約ニ基キ、所有者ト協議ノ上損失トシテ補償シ、マタハ利得トシテ納付サセルコト。
7．当初価額ハ、使用財産ニツキ国ノ責ニ帰スルコトノデキナイ事由ニヨリ滅失、損壊、キ損ソノ他ノ変動ヲ生ジタ場合ニオケルソノ変動シタ部分ノ使用解除時ニオケル価額、オヨビ使用財産ガ火災ニヨリ損害ヲ生ジタ場合ニオケルソノ損害ヲ生ジタ時ノ当該財産ノ賃借料中ノ保険料相当部分ニ対応スル保険金額ヲ控除シタモノトスルコト。
8．引渡価額ハ、使用財産ニツキ国ノ責ニ帰スベキ事由ニヨリ著シイ変動ガアツテ、当初ノ目的ニ供スルコトガ不可能、マタハ著シク困難トナツタ場合ニオケル当初ノ目的ニ供スルタメニ必要トスル修繕マタハ加工ニ要スル費用ノ額ヲ控除シタモノトスルコト。
9．第6号、第7号オヨビ第8号ノ規定ニヨル損失ノ金額ガ、第8号ノ費用ノ額ヲコエルトキハ、当初価額トコノ費用ヲ控除シナイ引渡価額トノ差額トコノ費用ノ額トノウチ、イヅレカ多イ額ヲ損失トシテ補償スルコト。
10．前4号ニオケル評価等ノ細目ニツイテハ、特別調達庁長官ガ、大蔵大臣ニ協議シテコレヲ定メルコト。
11．補償金ハ左ノ順序ニヨリ支払ヲナスコト。タダシ、動産ニツイテノ補償金ノ支払ハ当該動産ト共用サレテイタ不動産ノ順序ニヨルコト。
(1）使用開始時ノ種類、用途等ニヨリ次ノ順位ニヨルコト。
第1順位
使用開始時ニオイテ、夫々所有者ガ居住シテイタ住宅オヨビ旅館ホテル、店舗等営業用建物デ営業ヲ営ンデイタモノナラビニ公私立学校デ使用開始ノ時ニ授業ヲ行ツテイタモノ。
第2順位
使用開始時ニオイテ、夫々貸家トシテ借家人ガ居住シテイタ住宅（共同住宅ヲ含ム）オヨビビルディング、事務所、工場、倉庫、劇場、寄宿舎（職員、工員等ノ寮モ含ム）デ使用サレテイタモノ。
第3順位
第1順位オヨビ第2順位以外ノモノ。
(2）（1）ヨリ同順位トナツタモノノ間デハ、損害程度ノ高イモノヲ先順位トシ、損害程度ノ同ジモノノ間デハ所有者ノ経済的事情ガ極度ニ逼迫シテイルモノヲ先順位トスルコト。
(3）（1）オヨビ（2）ニヨリ同順位トナッタモノノ間デハ、使用解除時ノ古イモノヲ先順位トスルコト。
12．スデニ使用解除ノアツタ財産デ補償金、マタハ見舞金ヲ支給シテイルモノニツイテモ、本要綱ニヨツテ損失金額ヲ再計算シ、支給済ノ補償金マタハ見舞金ヲ控除ノ上、損失ヲ補償スルコト。
13．補償金ノ支払ニ当ツテハ、当該補償金ニ異議ナイ旨ノ同意書ヲ徴シタ上支払ヲナスコト。
14．補償金ハ終戦処理費（部）終戦処理業務費（款）終戦処理業務補償費（項）ヨリ支出シ、利得金ハ特別収入（部）終戦処理収入（款、項）トシテ受入レルコト。