肥料の統制撤廃に伴う金融措置要領

昭和25年7月11日 閣議決定

収載資料:農林行政史 第6巻 農林大臣官房総務課編 農林協会 1972 pp.907-908 当館請求記号:611.1-N955n4
 肥料配給公団廃止に伴い、従来政府資金により賄われて来た肥料資金は、一切民間資金に切換えることとなったので、肥料の生産および需給の円滑を期する為、左の金融措置を購ずるものとする。
一 農業系統機関による買入肥料の予約制の運用等により協同組合による肥料引取りの促進確保を図るとともに、これが決済資金については、極力農林中央金庫資金の活用を期する。
二 製造業者と肥料業者との間および肥料商相互の決済は原則として商業手形によるものとし、これに関し日銀は必要に応じ再割引きを行なうものとす。
三 季節的事情に基づく在庫資金については、商品担保金融制度その他日銀による適切なる方法により、市中銀行融資に乗せうる様措置するものとす。
四 前各号の措置に関連して日銀の融資斡旋を運用するとともに市中銀行融資の円滑化を促進するため市銀資金の不足する場合は政府資金の活用につとめることとするも、これが実施を見るにいたるまでは日銀より資金的援助を行なうものとす。
五 公団廃止(七月末日)までに生産された肥料は原則として公団においてこれを買上げるものとし、後に必要な措置をとるものとす。
六 肥料配給公団廃止に伴い措置すべき肥料資金の目標は別表の通りである。         流通資金     在庫資金    計
 昭和25年8月   2,110百万円   2,330百万円   4,440 百万円   
  〃  9月   7,230      1,580      8,810
  〃  10月   11,330     0        11,330
  〃  11月   8,900      1,720      10,120
  〃  12月   4,650      3,820      8,470
 昭和26年1月    3,650      5,960      9,610
  〃  2月    5,680      5,730      11,410
  〃  3月   12,250      4,340      16,590
  〃  4月    19,000     4,370      23,370
  〃  5月    20,030     4,890      24,920
  〃  6月   13,370      5,970      19,340
  〃  7月   6,030      8,690      14,720