審議会等の設立基準に関する件

昭和26年1月24日 閣議決定

収載資料:行政機構年報 第2巻 行政管理庁管理部 1951 pp.30-31 当館請求記号:317.2-G98g

1 審議会等の設置
(1)審議会、審査会、協議会等(以下「審議会等」と称する)は、それが附置される行政機関の所掌事務に関し、一般的政策、方針、法律、政令その他の規則の草案その他一般的に適用される事項について、当該行政機関の職員のみからは得られない参考的乃至勧告的な意見を聴取するために設置されるのを原則とする。但し左に掲げるような場合には特定事項について審議する審査会等を設置することができる。
(イ)試験、検定等を行う場合
(ロ)懲戒免許の取消等特定権利関係の停止はくだつを行う場合
(ハ)行政処分に対する異議の申立紛争等を裁定する場合
(ニ)許認可等について当該行政機関の職員の判断のみに任すことが適当でなく、広く部外の公平な意見を聞く必要がある場合
(2)審議会を設置する場合は法律によらなければならない。但し緊急の必要があり、立法措置を待つことができない場合には閣議決定で之を設置することができるが、この場合にも事後なるべく速かに立法的措置を講ずるものとする。
2 審議会等の委員
(1)審議会等の委員は、その審議会等が助言することとなつている分野を公平に代表するように選定されなければならない。
産業界の役職員を任命する場合には、同一の会社又は企業から2人以上委員が任命されないように留意すべきである。
(2)左に該当する者を審議会等の委員に任命してはならない。
(イ)過去5年以内に刑事上の罪により禁錮以上の刑に処せられた者又は過去1年以内に刑事上の罪により有罪の判決を受けた会社の役員である者
(ロ)公正取引委員会の最終決定により、個人として又は会社の役員として、独占禁止法又は事業者団体法の違反に責任ありと認められた者
(3)各行政機関はその所管に属する審議会等の委員の履歴書を常時備えて部外者から要求のあつた場合には之を閲覧せしめなければならない。
(4)審議会等の委員の任期は1年を越えない期間とし、必要により更に1回を限つて更新され得るものとする。但しその任命に当り国会の議決を経るものについては別段の定めをすることが出来る。
(5)1の(1)但書に掲げた特定事項を審議する審議会等にあつてはその審議すべき事項を直接関係ある事業者又は商社の役職員を委員として任命してはならない。
3 審議会等の運営
(1)審議会等は、そのなすべき助言、勧告又は意見に関係があり、又はそれらによつて影響を受ける個人又は団体から、場所又は施設の提供を受けてはならない。
(2)審議会等は、その業務の実施を他の個人又は団体に委託したり、又は政府以外の者から業務の経費支弁若くは補償として金銭を受けてはならない。