地方行政の簡素化に関する件

昭和27年2月19日 閣議了解

収載資料:行政改革に関する資料(閣議決定事項等) 全国都道府県議会議長会事務局 1980 pp.43-44 当館請求記号:AZ-331-20

昭和26年9月18日閣議決定「地方行政の改革に関する件」に基く、地方行政の簡素化のための事務の整理及び機構の改革については、次の要領によるものとする。
第1 各府省等は、次の方針に基き、それぞれ所管の法令等を再検討の上、所要の措置をとるものとする。
1 事務の整理
(1)占領管理に伴う事務は、できるだけ、速かに廃止すること。
(2)各種の取締事務、各種の産業等に対する保護助長のための監督事務及び各種の検定等の事務は、できるだけ、整理縮少し、その行き過ぎを是正すること。
(3)許認可等は、できるだけ、廃止するか、又は届出で足りるものとすること。
届出、報告等も、できるだけ、廃止するか、又はその回数を減少すること。
各種書類の形式及び記載の内容を簡素化すること。
(4)特定の地位を与えるための試験及び免許等は、できるだけ、整理すること。この場合において、一定の資格を有する者については、試験を要しないものとすること。
(5)統計調査は、できるだけ、重複を避けるとともに、その利用を合理化し、重要度の低いものは、これを整理すること。
(6)各省大臣又は都道府県知事の権限は、できるだけ、都道府県知事又は市町村長の権限とすること。
(7)各種行政事務の処理については、住民の利便を考慮し、できるだけ、その窓口を統一すること。
(8)未だ施行されていない法令又は全般的に施行されていない法令で、特に支障のないものは、当分の間、その施行を停止するか、又は廃止すること。
2 機構の改革
(1)地方議会の議員の定数及び都道府県の局部は、簡素化の趣旨に従い、その標準を法定し、条例でその特例を定めることができるものとすること。
(2)都道府県の各種出先機関は、できるだけ、整理統合すること。
(3)行政委員会の設置は、必要最少限度に止めるとともに、原則として、委員3人をもって構成し、その選任は、地方公共団体の長が議会の同意を得て行うものとすること。
(4)審議会、調査会等の諮問的機関は、できるだけ、廃止し、又は統合することとし、その委員の定数は、原則として、都道府県にあっては10人以内、市町村にあっては7人以内とすること。
(5)職員、施設等の設置基準は、できるだけ、簡素化の趣旨に則り改訂すること。
第2 各府省等は、今後法令等の立案をする場合においては、第1に掲げる地方行政簡素化の方針によるものとすること。