本年産米の不作に伴う食糧対策要領
閣議決定年
昭和28年10月27日 閣議決定
収載資料:食糧管理史 V 制度篇 各論(下) 食糧庁食糧管理史編纂室・統計研究会食糧管理史研究会編 統計研究会 1958 pp.367-368 当館請求記号:611.31-Sy9576s-T
相次ぐ風水害及び冷害に基因する本年産米の異常なる不作に因り、昭和二十九米穀年度の米穀需給事情は、極めて困難が予想される情況に鑑み、食糧不足に基く食生活の不安をなからしめ、我国当面の自立経済確立に重大なる支障を与える如き事態を苟しくも惹起せしめないよう、冷災害対策の推進と相俟つて食糧需給の安定を期するため次の方策を急速に実施するものとする。
一 米作の減収に伴う食糧の不足量を補填するため、必要な米麦の輸入の確保を図ることとし、これがための所要外貨を確保する。
二 国内産米の供出量を最大限に確保するため、供出推進の体勢を強化し、供出確保に有効適切な各般の施策を講ずると共に明年端境期における新米の確保を図るため、早生種籾の確保に努めると共に、特別早期供出米制度の創設を考慮する。
三 全国を通じ現行の最低配給水準を維持するため、加工原料用米穀の節用、配給量の調整等の措置を講ずる。
四 都市及び農村を通じて、節米並びに麦食の普及増進運動を強力に展開し、食生活の改善を一段と推進すると共に政府所有麦類の払下数量の増加、価格の安定等必要な措置を積極的に講ずる。
五 麦の増産を確保するため、生産技術の指導の徹底、農家の生産意欲の向上等につき積極的に運動を展開する。
六 闇米取締の強化につき所要の措置を講ずること。