人事院機構改正要綱

昭和29年3月5日 閣議決定

収載資料:行政管理年報 第4巻 行政管理庁管理部 1954 p.61 当館請求記号:317.2-G98g

1 人事院を改組して総理府の外局たる国家人事委員会とすること。
2 国家人事委員については特別の宣誓制度を設けないものとすること。
3 国家人事委員及び事務総長の給与についての特別の基準は国家公務員法中に設けないこととし、国家人事委員の給与は、別に法律で定めるものとすること。
4 国家人事委員会については、二重予算の制度を置かないこと。
5 国家人事委員会には、国家行政組織法を適用し、事務局に、総務・任用・給与・公平・能率の5部を置き、給与部に特別の職として次長一人を置くこと。
6 国家人事委員会は、国家公務員法の目的達成上法令の制定又は改廃に関し意見があるときは、その意見を内閣に申し出なければならないものとすること。法律の制定又は改廃に関し国家人事委員会から右の意見の申出があったときは、内閣は、これを国会に報告しなければならないものとすること。
7 国家人事委員会は、毎年少なくとも1回、俸給表が適当であるかどうかについて内閣に報告しなければならないものとすること。給与を決定する諸条件の変化により、国家人事委員会が俸給表を改訂する必要が生じたと認めるときは、国家人事委員会は、その報告にあわせて、内閣に適当な勧告をしなければならないものとすること。
前項の報告又は勧告があつたときは、内閣は5日以内にこれを国会に報告しなければならないものとすること。但し、この期間の満了前に衆議院が解散され、且つ、その時までにこの報告をしていなかつたときは、国会召集後3日以内に報告しなければならないものとすること。
8 人事院指令の制度は廃止すること。

経過措置
1 人事院並びにその事務総局及び地方の事務所は、それぞれ国家人事委員会並びにその事務局及び地方の事務所として、同一性をもつて存続すること。
2 現に在職する人事官は、国家人事委員として、人事院総裁は、国家人事委員長として引き続き在職するものとし、右の国家人事委員の任期は人事官としての任期の残任期間に相当する期間とすること。
3 現に人事院の職員である者は、そのまま国家人事委員会の職員となること。
備考 人事官認証制度については、別に考慮すること。