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郷土建設青年活動に関する件

昭和32年4月23日 閣議決定

収載資料:資料日本現代教育史 2 宮原誠一ほか編 三省堂 1974.3 pp.579-581 当館請求記号:FB14-90

次代を担う青年が郷士愛、国土愛に燃え、青年の組織的な実践力を活用して、自主的な郷土建設のために、産業振興及び国土開発に関する諸活動を活発に展開することは極めて重要であり、国としてかかる活動を助長することは、積極的青年対策上緊要であることに鑑み、昭和三十二年度においては、別紙「農山漁村建設青年実践活動促進要綱」によりこの活動を促進するものとする。

農山漁村建設青年実践活動促進要綱
第一方針
青年が郷土愛、国土愛に燃え、郷土国士の建設をめざして、共同精神の体得、知識技能の習得及び実践力のかん養に努めることは、青年の将来の自立並びに郷土建設の促進上極めて肝要である。
これがため中央地方を通じ、関係行政機関並びに関係団体の密接な協力により農山漁村の青年を対象とし、各種建設事業等の実施と相俟ち青年建設班の活動を育成強化するとともに、青年研修事業を推進し、もって青年の自主的実践活動の充実発展を図るものとすること。
第二 要綱
一、編成及び運営
市町村の区域又はその一部を単位とし、一定の人員、期間をもって青年建設班を編成するものとする。
青年建設班は、青年の自発的意図の下に、勤労と学習と生活が有機的、一体的に行われるよう運営するものとする。
二、作業
編成期間中、各種公共事業その他建設事業等(農地の造成、土地改良、農地の整備、牧野の造成改良、道路の開設補修、災害復旧、造林治山治水、漁港修築、浅海養殖、近海漁ろう、河川改修、公共施設の整地造成、土地調査、病害虫防除その他共同農作業等の国土の開発、産業の振興、新市町村建設及び新農山漁村建設のためのものであって住民の公共の利益に寄与するもの)に集団をもって働き、その事業の能率的完逐に寄与するものとする。
右の諸事業の事業主体は、青年建設班の活動を推進するため積極的に適当な作業を提供するとともに、その実施に当っては適正な労働報酬を支払うほか、所要の機械器具の貸与等の便宜を与えるものとする。
三、共同生活
編成期間中、全員合宿し、これを通じて健全な生活態度及び自治能力を養うものとする。
合宿中の食費等は、原則として作業によって受ける労働報酬等のうちから、まかなうものとする。
四、学習
編成期間中、作業との関連を考慮し、講義、実習及び討議研究を行い、将来の自立、郷土の振興等に必要な教養と知識技能の習得向上をはかるものとする。
五、補導
編成期間中、補導者を付し、作業、生活、学習及び班運営の全般にわたって補導を行うものとする。
補導者については、関係各省庁協議の上、別に定めるところにより、中央講習を行うものとする。
六、青年研修の実施
青年建設班活動を科学的技術的基礎におき、郷土建設の効果的促進をはかるため、作業に先立ち一定期間の研修を実施するものとし、その内容は、青年建設班の実施計画を勘案して、郷土の建設に寄与する土地調査(地籍調査及び土壌調査等)土木技術、農林漁業技術等とするものとする。
【七、実践活動の個別計画の樹立/八、助成/九、調整連絡を略】