防衛力整備目標について

昭和32年6月14日 閣議了解

収載資料:資料戦後二十年史 2 経済 有沢広巳・稲葉修三編 日本評論社 1966 p.164 当館請求記号:210.76-Si569

(1)「国防の基本方針」にしたがい、国力国情に応じた必要最少限度の自衛力を整備するため、さしあたり33年度から35年度(一部37年度)までの3ヵ年につき、防衛力整備計画を策定する。
(2)この計画においては、陸上自衛隊については、35年度末、最少限6管区隊、4混成団、自衛官18万人、海上自衛隊については、37年末艦艇約12万4000トン、航空機約200機,航空自衛隊については、37年度末飛行部隊33隊、航空機約1300機を整備することを目標とする。
(3)この目標は次の点に留意して作成された。
イ 各種新式武器については、自衛のため必要な限度で、当面研究開発の面に力を注ぐとともに、重要装備品について逐次その改善を図る。
ロ 装備品の整備については、国内生産によるもののほか、艦艇および航空機の一部をはじめ、なお相当部分につき米国からの供与を予定する。
(4)この目標は、内外情勢の推移等に伴って、随時再検討せられるものとし、特に科学技術の進歩に即応して、新式武器の研究開発の促進ならびに編成および装備の刷新を図り、もって防衛力の質的充実を期する。
(5)この目標の達成に当たっては、常に経済の安定を害しないように留意し、特に年次別の増勢については、財政事情を勘案し、民生安定のための諸施策との均衡を考慮しながら弾力的に決定する。
(6)防衛力の整備と相まって、防衛産業の整備について所要の措置を講ずる。