道路整備5カ年計画
閣議決定年
昭和34年2月20日 閣議決定
収載資料:道路総覧 昭和37年版 道路総覧刊行会 1961.9 pp.109-111 当館請求記号:514.036-D98
道路整備緊急措置法(昭和33年法律第34号)第2条第1項に規定する道路整備5カ年計画を次のとおり定める。
1.道路整備の目標
経済の発展に伴い予想される今後の交通情勢に対処して道路の改良、舗装等の整備を緊急に行い、もつて経済基盤の強化に寄与するため、昭和33年度以降5カ年間に、地方公共団体の行う単独事業を含めて総額1兆円を道路整備に投資するものとし、このうち国が整備に要する費用を負担し、又は補助する一般道路の整備並びに日本道路公団及び首都高速道路公団の行う有料道路の整備に関し、道路整備5カ年計画として総額8,100億円に相当する事業を行うものとする。この計画における道路種別ごとの道路の整備目標は次のとおり。
(1)高速自動車国道
高速自動車国道については、高速自動車国道中央自動車道(小牧市・吹田市間)及び高速自動車国道吹田神戸線(吹田市・西宮市間)を、昭和37年度に供用開始することを目途として整備するほか、東京都から小牧市に至る区間についても調査の結果をまつて準備に着手するものとする。
(2)一級国道
一級国道については、昭和33年度以降7カ年間に全路線の整備をおおむね完了することを目途として、昭和33年度以降5カ年間においては全路線について整備を促進し、特に国土を縦断して重要産業地帯を結ぶ区間の改築の完了を図るとともに、大都市及び重要産業地帯において生産活動のあい路となる区間の再改築を行い、総延長に対する改良済延長の比率を約73%に、舗装済延長の比率を約63%に、それぞれ引き上げるものとする。
なお、一級国道の改築は原則として国が直轄で行うほか、特に交通量の多い区間の維持及び修繕は国が直轄で行うものとする。
(3)二級国道
二級国道については、昭和33年度以降5カ年間に、国土を横断する路線のうち重要な路線、大都市及び重要産業地帯において生産活動のあい路となる区間並びに国際観光上重要な路線に重点をおいて整備の促進を図り、総延長に対する改良済延長の比率を約40%に、舗装済延長の比率を約25%にそれぞれ引き上げるものとする。
(4)都道府県道及び市町村道
(イ)首都高速道路については、東京都の区部及びその周辺の地域における交通の円滑を図るためにすみやかに整備することを目途として、昭和33年度以降5カ年間においてはこのうち枢要な区間の整備を完了するものとする。
(ロ)都道府県道及び市町村道(首都高速道路を除く)については、昭和33年度以降5カ年間に、特に重要な地方的幹線、重要産業地帯において産業基盤の整備のために、特に必要な路線、重要都市における交通の円滑を図るために緊急に整備を要する路線、未開発地域の資源開発を促進するために必要な路線、観光上重要な路線、その他国の施策上特に整備する必要がある路線に重点をおいて整備の促進を図り、このうち主要地方道(道路法-昭和27年法律第180号-第56条の規定により建設大臣が指定する主要な都道府県道又は市道をいう)については総延長に対する改良済延長の比率を約42%に、舗装済延長の比率を約15%にそれぞれ引き上げるものとする。
2.道路の整備の事業量
(1)一般道路
イ 一級国道の改築 改良 2,710km 舗装 3,270km
ロ 二級国道の改築 改良 1,610km 舗装 1,820km
ハ 主要地方道の改築 改良 1,740km 舗装 1,460km
ニ 主要地方道以外の都道府県道の改築 改良 1,510km 舗装 1,000km
ホ 主要地方道以外の市町村道の改築 改良 1,800km 舗装 1,150km
ヘ 維持及び修繕等
維 持 94億円 修 繕 292億円
特殊改良 135億円 除雪及び防雪等 115億円
ト 機械の整備 建設機械の整備 159億円 除雪機械の整備 22億円
チ 道路調査 20億円
(2)有料道路
イ 高速自動車国道の新設 996億円 ロ 首都高速道路の新設 590億円
ハ その他の道路の新設及び改築 379億円 ニ 維持及び修繕 20億円
ホ 道路調査 15億円