行政運営の改善に関する件
閣議決定年
昭和34年7月10日 閣議決定
収載資料:行政管理庁二十五年史 行政管理庁行政管理二十五年史編集委員会編 行政管理庁 1973 pp.735-736 当館請求記号:AZ-333-8
昭和34年1月22日附行政審議会の答申の趣旨を尊重し、下記要領により、行政機関の責任体制の明確化と事務処理の簡易迅速化を図るものとし、各省庁において、すみやかに、その実施のために法制上その他必要な措置を講ずるものとする。
記
第1 行政事務運営の改善
1 権限の委任と専決処理の活用
(1)定型的、技術的等の事務については、その処理の権限を、実情に即して、つとめて地方支分部局および附属機関の長に法律または法律に基く政令、省令等で委任することとし、関係法律の改正について検討すること。なお、将来新たな立法を行う場合においても、この趣旨によること。
(2)いわゆる専決処理についても、これを活用することとし、この場合専決事項等については、訓令等で明確に規定すること。
2 事務管理体制の整備
(1)課内の班、係等の内部組織及び課長補佐、主査等の職の所掌事務は、通達等で明確に定めること。
(2)局長、部長等を補佐し、主として企画調整等の事務に参画する職員については、その機能を発揮しうるようにその運営配置を考慮するとともに、課長等を補佐して専門的事務に従事する職員については、その処遇改善について、総理府および人事院において検討すること。
(3)局長、部長、課長等が常に事務処理の進行過程を把握しうるよう合理的な文書管理を行うこと。
(4)文書の決裁段階は、極力少くすることとし、起案は、事項に応じ上級職員がつとめてこれに当るようにすること。なお、事前の合議については、原則として関係部局の長のみに対して行えば足りるものとすること。
(5)いわゆる窓口には出来るだけ事務に精通した職員を配置すること。
第2 許認可事務の改善
1 許認可等の整理
許認可等は、現状において真に当初の目的を確保するに必要最少限度のものであるかどうか検討の上、整理すること。なお、法令に基かないで、許認可等に類似する措置を事実上行うことは、取り止めること。
2 許認可等の促進
(1)各許認可等については、原則として、処理期間を設けて処理すること。
(2)許認可等のうち、事案によって申請後一定の期間を経過すれば自動的に許認可等があったものとするみちを開くこと。
(3)許認可等の申請書類を、簡素標準化すること。
(4)許認可等の処理については、特に担当者の責任の所在を明確にすること。