石炭鉱業緊急金融対策

昭和37年11月29日 閣議決定

収載資料:資料労働運動史 昭和37年度 労務行政研究所 1964 p.485 当館請求記号:366.6-R645r

石炭鉱業の最近の資金事情は、石炭需要の減退に伴なう貯炭の増大、生産制限の強化に伴なう原価の上昇、炭価の計画通りの引下げ、市中金融機関からの資金調達の困難等によつて窮迫しており、資材代金、退職金等の異常未払金が増大して、炭鉱の合理化および整備が停滞している実情にあるので、中小炭鉱に対しては、さきに中小企業金融公庫等から二十億円を目途として融資することを決定したが、さらに石炭鉱業緊急対策として、日本開発銀行資金および石炭鉱業合理化事業団資金の繰上げ融資等既定枠の貸付の促進を図るとともに、今年度の融資枠を日本開発銀行資金については四十五億円、石炭鉱業合理化事業団資金については五十七億五千万円それぞれ増枠して、この資金の一部を早期に融資する措置を講ずる。
また、一般市中金融機関に対しては、設備資金、整備資金その他の石炭鉱業に対する融資、とくに年末融資について積極的に協力するよう要請するとともに日本銀行に対してもその貸出し調整に際し特別の配慮をするよう要請する。