「宗家文書」について調べる
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人文総合情報室 作成
ここでは、江戸時代に朝鮮国との外交・貿易実務を担当していた対馬藩宗家の記録類(このページでは「宗家文書」と総称します)の概要を示します。
国立国会図書館では、この記録類の一部を所蔵しています。
文中の【 】内は、当館請求記号です。
1. 宗家の記録類
全体で十数万点あるとされ、主に(1)対馬藩庁(府中=現在の長崎県対馬市巌原)、(2)倭館(朝鮮国にあった使者の応接・貿易・外交交渉を行う日本人居留地域、朝鮮国釜山)、(3)江戸藩邸の3か所で保管されていました。現在は当館のほか、長崎県対馬歴史研究センター(旧長崎県立対馬歴史民俗資料館)、九州国立博物館、東京大学史料編纂所、慶應義塾大学、東京国立博物館、大韓民国国史編纂委員会で所蔵しています。
それぞれの文書群の特徴と現在の所蔵場所の概要は次の通りです。
内容 | 大部分は対馬の領内治世に関するもの。その他江戸・朝鮮への連絡通達や各地で作られた書類の写し。 |
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所蔵先の変遷 | 宗家の菩提寺萬松院の宗家文庫、朝鮮総督府など |
現在の所蔵機関 | 長崎県対馬歴史研究センター(約8万点)、韓国国史編纂委員会(約2万8000点)、九州国立博物館(約1万4000点) |
内容 | 対朝鮮外交文書、貿易関係書類。 |
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所蔵先の変遷 | 明治6年(1873)外務省記録課 → 明治27年(1894)東京図書館、一部萬松院の宗家文庫に移されたものもあり |
現在の所蔵機関 | 国立国会図書館(約1,600点 [3]江戸藩邸由来分と合わせた数) |
内容 | 幕府や諸大名との関係記録及び朝鮮通信使関係記録。 |
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所蔵先の変遷 | 南葵文庫、慶応義塾大学、朝鮮総督府など |
現在の所蔵機関 | 東京大学史料編纂所(約3000点)、慶應義塾大学三田メディアセンター(約1000点)、東京国立博物館(約160点)、国立国会図書館([2]を参照) |
2. 当館所蔵の「宗家文書」
当館では1,593点を所蔵しています。これらの資料は平成19年6月に重要文化財に指定されました(重要文化財としての指定名称は『対馬宗家倭館関係資料』)。
詳しくは、リサーチ・ナビ「国立国会図書館所蔵「宗家文書」」をご覧ください。
3. 当館以外の機関所蔵の「宗家文書」
当館以外の機関が所蔵する「宗家文書」については、以下の目録があります。
長崎県対馬歴史研究センター(旧長崎県立対馬歴史民俗資料館)
- 『対馬宗家文庫史料 一紙物目録』1・2・3(長崎県立対馬歴史民俗資料館 編 長崎県教育委員会 2009 【GB5-J39~J41】)参考図書紹介
- 『対馬宗家文庫史料 冊子物目録』1・2・3(長崎県立対馬歴史民俗資料館 編 長崎県教育委員会 2012 【GB5-J150~J152】)
- 『対馬宗家文庫史料 絵図類等目録』(長崎県立対馬歴史民俗資料館 編 長崎県教育委員会 2012 【GB5-J144】)
大韓民国国史編纂委員会
- 『対馬宗家文書 : 大韓民国国史編纂委員会所蔵 : 書契目録集』1・2・3・4・5(ビスタピー・エス 2002-2005発売【GE5-G1】【GE5-H2~H5】)
参考図書紹介 - 『対馬宗家文書 : 大韓民国国史編纂委員会所蔵 : 古文書目録集』1・2-1・2-2(ビスタピー・エス 2005-2006発売【GE5-H6、H7、H9】)
参考図書紹介 - 『対馬宗家文書 : 大韓民国国史編纂委員会所蔵 : 記録類目録集』(ビスタピー・エス 2003 【GE5-H1】)
参考図書紹介
九州国立博物館
東京大学史料編纂所
慶応義塾大学
- 所蔵古文書検索システム
- 『慶應義塾大学所蔵古文書目録 武家文書 宗家・柚谷家』(慶應義塾大学古文書室 2008 【UP111-J32】)
東京国立博物館
- 『朝鮮通信使記録 慶應義塾図書館・東京国立博物館・大韓民國國史編纂委員會所蔵. 慶應本 v.48-65,東博本 v.1-9,國編本 v.1-23 』(ゆまに書房 1999 【YE1-3】)
東京国立博物館で所蔵する宗家文書のうち「信使記録」約120点が収録されています。
参考
- 『対馬宗家文庫史料 絵図類等目録』(長崎県立対馬歴史民俗資料館 編 長崎県教育委員会 2012 【GB5-J144】)
pp.307-315 田代和生「総説 対馬宗家文庫の調査を振り返って」
※宗家文書の概要について、所蔵機関の変遷図を示して説明されています。長崎県対馬歴史研究センターウェブサイトには最新版の変遷図が掲載されています。 - 「重要文化財指定資料紹介 『宗家文書』(『対馬宗家倭館関係資料』)」
(『国立国会図書館月報』 (559) 2007.10 pp.6-7 【Z21-146】)