江戸幕府の法令集(個別の法令・法典)

ここでは、主な法令の掲載資料や調べ方をご紹介します。代表的な法令集については、リサーチ・ナビ「江戸幕府の法令集(一般)」をご覧ください。

書誌事項末尾の【 】内は当館請求記号です。

1. 武家諸法度

  • 司法省大臣官房庶務課 編 ; 法制史学会 編 ; 石井良助 校訂『徳川禁令考』(創文社 1959-1961 11冊 【322.15-Si298t3-I】)
    ※前集第1 巻3 第14章「武家諸法度」(pp.61-71)
    ※旧版に『司法資料. 第170号. 徳川禁令考(第一帙)』(司法省調査課 1934 【14.5-54】)(国立国会図書館デジタルコレクション)があります。

以下の資料に、条文の抜粋と解説が掲載されています。

2. 諸士法度(旗本法度、雑事条目ともいう)

  • 司法省大臣官房庶務課 編 ; 法制史学会 編 ; 石井良助 校訂『徳川禁令考』(創文社 1959-1961 11冊 【322.15-Si298t3-I】)
    ※前集第1 巻3 第14章「武家諸法度」の「諸士法度」(pp.71-75)
    ※旧版に『司法資料. 第170号. 徳川禁令考(第一帙)』(司法省調査課 1934 【14.5-54】)(国立国会図書館デジタルコレクション)があります。

以下の資料に、条文の抜粋と解説が掲載されています。

3. 禁中并公家中諸法度(禁中方御条目、禁中並公家諸法度ともいう)

  • 司法省大臣官房庶務課 編 ; 法制史学会 編 ; 石井良助 校訂『徳川禁令考』(創文社 1959-1961 11冊 【322.15-Si298t3-I】)
    ※前集第1 巻1 第1章「禁裏向御法式」の「禁中方御条目十七箇条」(pp.1-4.)
    ※旧版に『司法資料. 第170号. 徳川禁令考(第一帙)』(司法省調査課 1934 【14.5-54】)(国立国会図書館デジタルコレクション)があります。

以下の資料に、条文の抜粋と解説が掲載されています。

4. 寺院法度(諸宗寺院法度、諸宗本山本寺諸法度ともいう)

  • 司法省大臣官房庶務課 編 ; 法制史学会 編 ; 石井良助 校訂『徳川禁令考』(創文社 1959-1961 11冊 【322.15-Si298t3-I】)
    ※前集第5 巻40 第45章「寺院法度」(pp.20-21.など)
    ※旧版に『司法資料. 第180号. 徳川禁令考(第五帙)』(司法省調査課 1934 【14.5-54】)(国立国会図書館デジタルコレクション)があります。

以下の資料に、条文の抜粋と解説が掲載されています。

5. 公事方御定書

8代将軍吉宗の命で編纂された、刑事法・刑事手続法の法令集。1742(寛保2)年成立。
上巻は、評定所の執務規定、司法・警察、高札・御書付・御触書、訴訟手続に関する法規類など「令」と呼ぶ法令81か条を収録。
下巻は、訴訟・裁判の手続、刑罰規程など判決の基準となる「律」と呼ぶ法令103か条を収録。「御定書百箇条」とも呼ばれ、多くの写本が伝わっています。

掲載資料

  • 司法省大臣官房庶務課 編 ; 法制史学会 編 ; 石井良助 校訂『徳川禁令考』(創文社 1959-1961 11冊 【322.15-Si298t3-I】)
    ※後集第1    巻1~7(上編):「科條類典(注)」上巻
    後集第1~第4 巻8~36(下編):「科條類典」下巻
    後集第4    巻37~40:「附録」、「御定書に添候例書」など
    ※旧版に『司法資料. 第142号. 徳川禁令考後聚(第一帙)』(司法省調査課 1931 【14.5-54】)(国立国会図書館デジタルコレクション)などがあります。
    (注)「科條類典」は、「公事方御定書」を編纂する際に参照した法令その他の資料を条ごとに整理編修したものです(1767(明和4)年成立)。上巻(「公事方御定書」上巻)、下巻(「公事方御定書」下巻)および別冊附録(「御定署に添候例書」とその編纂資料を編纂)から成ります。『徳川禁令考後聚』(全40巻)は、「科條類典」を全録(第1~36巻)したほか、公事方御定書制定後の関係法令を付記しています(第37~40巻)。
  • 百万塔.第1-12号』(金港堂 1891-1892 【081.6-H997-N】)
     第9-11号「舊幕府公事方御定書」:「公事方御定書」上巻
     第5-8号「舊幕府御定書」:「公事方御定書」下巻
     第8-9号「舊幕府御定書例書」:「御定書に添候例書」

6. (参考)生類憐みの令

「生類憐みの令」とは、一つの法令ではなく、5代将軍綱吉在任の約30年間に発令された生類保護に関する複数の法令の総称。1709(宝永6)年の綱吉死去直後から撤廃開始。発令の開始時期をいつとするかなどにも諸説あり、定説化したものはありません(*)。
(*)塚本学『生類をめぐる政治 平凡社選書80』(平凡社 1983 p.45【GB345-76】)、根崎光男『生類憐みの世界同成社 江戸時代史叢書23』(同成社 2006 p.47【GB345-H30】)などを参照。

生類憐みに関連する法令

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