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国内博士論文

ここでは、国内の大学又は独立行政法人大学評価・学位授与機構(以下、「学位授与大学等」)が授与した博士の学位に係る論文(以下、「博士論文」)の調べ方をご紹介します。(【 】内は当館請求記号です。請求記号を記載していないものは、版によって請求記号が異なります。国立国会図書館サーチでお調べください。)

1. 国内博士論文の所蔵状況等

国内の博士論文は、国立国会図書館のほか、学位を授与した大学の図書館等に所蔵されています。なお、平成25(2013)年4月以降に学位授与大学等が授与した博士の学位に係る博士論文は、学位規則改正により、学位授与大学等を通じてインターネットで公表されることになりました。
国立国会図書館では、大正12(1923)年9月以降の国内博士論文を所蔵しています。
平成25(2013)年3月までに学位授与大学等が授与した博士の学位に係る博士論文(印刷物)は、全国の学位授与大学等からの送付により収集しています。
平成25(2013)年4月以降に学位授与された博士論文は、原則として印刷物ではなく、学位授与大学等がインターネットで全文を公表することになっています。国立国会図書館でもこの電子形態の博士論文を順次、収集・保存・提供しています。詳しくは国内博士論文の収集をご覧ください。
なお、平成25(2013)年4月以降に学位授与された博士論文でも、やむを得ない事由によりインターネットで全文が公表されない場合もあります。その場合、電子形態ではなく印刷物で収集している論文もあります。

2. 検索方法

2-1.博士論文の検索ツール

印刷物、電子形態いずれの博士論文も、国立国会図書館サーチで検索できます。国立国会図書館デジタルコレクションでは、電子形態の博士論文を検索することができます。また、国立国会図書館をはじめ、国内の各機関の情報を統合的に検索できる国立国会図書館サーチでも検索することができます。

表:国立国会図書館所蔵の博士論文の検索と閲覧の概要

学位授与年等、年代の目安国立国会図書館サーチでの検索国立国会図書館デジタルコレクションでの検索閲覧媒体インターネット公開
1923~1958一部○印刷物/
一部電子形態
×
1959~1986×印刷物×
1987~2001.3電子形態一部○
2001.4~2013.3×印刷物×
2013.4~△ ※原則電子形態一部○

※ やむを得ない事由により印刷物でのみ所蔵している場合は、国立国会図書館デジタルコレクションでの検索はできません。

2-2.国立国会図書館サーチで検索するには

  • 検索対象を博士論文に限定する方法

    国立国会図書館サーチで検索対象を博士論文に限定して検索する場合は、〔詳細検索〕画面で、検索対象の資料群「その他」から「博士論文」を選択してください。論題、著者名等で検索できます。なお、「博士論文」を選択すると、検索項目に「授与大学」、「学位の種類」が表示されます。授与大学名や博士号から検索したい場合に、ご利用ください。
    ※学位の種類は、「理学博士」や「博士(理学)」のように、「博士」に学問分野の名称を付して登録されています。検索キーワードを入力する際にご留意ください。

  • 報告番号で検索する方法

    報告番号で検索する場合は、〔詳細検索〕画面で、[各種番号] の欄のプルダウンで「報告番号(博士論文)」を選択してください。「甲第〇〇号」のように入力することで検索できます。

  • 学位授与年で絞り込む方法

    学位授与年で絞り込みをしたい場合は、[出版年] の欄に入力してください。
    ※[出版年]の欄では、博士論文の学位授与年と出版年の両方を対象に検索します。

2-3.国立国会図書館デジタルコレクションで検索するには

国立国会図書館デジタルコレクションで検索対象を博士論文に限定して検索する場合は、〔詳細検索〕画面の「コレクション」欄で「博士論文」のみを選択してください。論題、著者名等で検索できます。

3. 国立国会図書館所蔵資料の利用について

3-1.閲覧

博士論文の形態によって、利用できる場所、方法等が異なります。

3-1-1.印刷物

関西館および東京本館でご覧いただけます。東京本館での閲覧は関西館からの取寄せになります。所要日数は最短で3開館日後です(国立国会図書館サーチから申し込む場合は最短で6開館日後)。取寄せには利用者登録が必要です。詳しくは国立国会図書館の利用者登録(個人)についてをご覧ください。
図書館間貸出の対象にはなっていないため、国立国会図書館外での閲覧はできません。

3-1-2.電子形態

昭和62(1987)から平成12(2000)年度に印刷物で送付を受けた博士論文については、国立国会図書館でデジタル化しており、電子形態での利用となります。また、大正12(1923)年から昭和33(1958)年までに学位授与された論文のうちの一部を国立国会図書館でデジタル化しており、電子形態で利用可能な場合があります。
さらに、平成25(2013)年度以降に学位授与され、国立国会図書館が電子形態で収集した博士論文についても、電子形態での利用となり、いずれも、国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できます。

国立国会図書館デジタルコレクションに収載されている博士論文のうち、著者から許諾を得た博士論文については、主論文をインターネットで公開していて、ご自宅等からでも閲覧が可能です。※ 副論文、参考論文等はインターネット公開の対象外です。

インターネット公開していない博士論文は、国立国会図書館内の他、お近くの図書館または登録利用者ご本人の端末において閲覧できる場合があります。詳しくは図書館向けデジタル化資料送信サービスまたは個人向けデジタル化資料送信サービスをご覧ください。

3-2.複写

原則として、半分までの複写ができます(1名の博士論文が、主論文・副論文・参考論文など複数の論文で構成される場合は、それぞれの論文の半分まで)。全文を複写する場合には著作権者の許諾が必要になります。
複写についての一般的なご案内は複写サービスをご覧ください。

4. インターネットで公開されている博士論文の検索・閲覧について

インターネットで公開されている博士論文については、学位授与大学等の機関リポジトリ、附属図書館のホームページ等で検索・閲覧できることがあります。
インターネットで公開されている博士論文の検索・閲覧に有用なサービスを紹介します。

  • IRDB外部サイト(国立情報学研究所)
    国内の機関リポジトリ内のコンテンツ(博士論文のほか、学術雑誌論文、研究紀要、研究報告書等)のメタデータを検索できます。
  • 国内の機関リポジトリ一覧外部サイト(国立情報学研究所)
    国内の大学等の機関リポジトリへのリンク集です。リポジトリに博士論文の全文や要旨が収録されていることがあります。
  • CiNii Dissertations外部サイト(国立情報学研究所)
    国内の大学および独立行政法人大学評価・学位授与機構が授与した博士論文の情報を検索できるサービスです。
    国内の大学等学術機関のリポジトリにて公開されている博士論文、国立国会図書館が所蔵する博士論文について一元的に検索することができます。博士論文本文がデジタル化・公開されていれば、リンクをたどり本文まで表示できます。

5. 博士論文関係の情報源

5-1. 要旨集

各大学等の機関では、提出された博士論文の内容要旨と審査結果の要旨を集録した要旨集を発行しています。例:『学位論文内容の要旨および審査の結果の要旨. 第54集 (平成27年度)』(東京医科大学 2016.11 【UT61-L499】)要旨集は、発行元の大学等の図書館および、国立国会図書館で所蔵しています。タイトルは大学等の機関ごとに異なりますので、国立国会図書館サーチで検索する場合には〔詳細検索〕の画面で、[出版者]に大学等の機関名、[件名]に「学位論文 抄録」と入力して検索します。なお、学位論文の要旨は、大学等が発行する紀要類に掲載されることもあります。最近ではインターネット公開が進んでいます。

5-2. 博士録

明治、大正、昭和の古い博士論文を調査する場合には、以下の目録(博士号取得者名簿)が役立ちます。

  • (1)『大日本博士録』 全5巻 (発展社 1921-1930 【377.5-D17】)
    学位授与を開始した明治21(1888)年から昭和4(1929)年までに学位授与された博士について調べることができます。欧文と和文で構成されており、 出生、学歴、業績の他にも趣味嗜好、家族、現住所、電話番号等の詳細な記述があります。一部の博士については肖像(欧文頁のみ)と自署が掲載されています。各巻は学位の種類ごとで収録年代が違います。第1巻:法学、薬学、第2~4巻:医学、第5巻:工学。各巻には著者のアルファベット順(欧文頁)・イロ ハ順(和文頁)索引表が付いています。国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。また、次のような復刻版を冊子体で利用できます。第2-4巻:『日本人物情報大系. 第52巻 (学芸編 12)』(皓星社 2000 【GB12-G22】)和文頁のみ収録。第5巻:『大日本博士録. 第5巻(工学博士之部) 』(アテネ書房 2004 【F2-H91】)索引は著者の五十音順。
  • (2)『日本博士録』 全9巻 (日本図書センター 1985 【F2-203】)
    明治21(1888)年から昭和37(1962)年までに学位授与された博士の博士論文を調べることができます。各巻ごとで収録年代が違います。氏名、出身学校、授与年月日、本籍(都道府県)、主論文名が調べられます。第9巻は人名総索引となっており、学位の種類ごとに著者の五十音順で引くことができます。
  • (3)『日本博士録』全4冊(帝国地方行政学会 1967 【377.5-N684-t】)
    昭和 32(1957)から昭和40(1965)年度までに学位授与された博士の博士論文を調べることができます。各巻ごとで収録年代が違います。授与 名簿等を元に作成されており、氏名、住所、生年月日、出身校、授与年月日、主論文名が分かります。学位の種類ごとに著者の五十音順で引くことができます。
  • (4)『日本博士録』全2冊(広潤社 1973、1974 【F2-70】)
    昭和44(1969)年度と昭和45(1970)年度に学位授与された博士の博士論文を調べることができます。掲載内容は、上記(3)資料と同様です。
  • (5)『日本博士学位論文索引』全5冊
    昭和32(1957)から昭和51(1976)年度までに学位授与された博士の博士論文を主題別に調べることができます。主論文、取得大学、種別、取得年月日、氏名、住所、勤務先が記載されており、学位の種別ごとに巻が分かれています。巻末に相関索引(欧文、和文)、著者名索引があります。
    ①農学・獣医学・水産学篇、②工学篇、③人文科学・社会科学篇、④歯学・保健学・薬学篇、⑤理学篇の5編で構成されています。
  • (6)『日本博士学位録. 昭和52年版』(松籟社 1980 【UP65-32】)
    昭和52(1977)年度に学位授与された博士の博士論文を主題別に調べることができます。掲載内容は資料(5)と同様です。
  • (7)『日本博士名鑑』(竹書房 1982 【F2-179】)
    昭和57(1982)年時点で存在していた博士の博士論文を調べることができます。学位の種別ごとに著者の五十音順で引くことができます。

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