EU(欧州連合/European Union)

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1. 設立及び目的

欧州連合(European Union, EU)は、ヨーロッパに位置する国を主な加盟国とし、経済・通貨統合をはじめとして外交・安全保障分野、刑事・警察司法協力など様々な政策を協同して行うために設立された政治経済統合体です。1993年発効の欧州連合条約(マーストリヒト条約)によって成立しました。
その前身は1952年設立の欧州石炭鉄鋼共同体(European Coal and Steel Community, ECSC)、1958年設立の欧州経済共同体(European Economic Community, EEC)と欧州原子力共同体(European Atomic Energy Community, EAECまたはEuratom)の3機関にさかのぼります。この3機関の統合と加盟国や共通政策分野の拡大と深化を経て現在のEUの形になりました。特に経済分野、通貨統合に関しては国家権限の一部をEUに委譲しているという点で他の国際機関にはない特徴を有しています。
2015年現在、EUはリスボン条約(2009年発効)による改正を反映した欧州連合条約と欧州連合の機能に関する条約 (EU運営条約)の2つを基本条約として様々な活動を行っています。

History外部サイト
EU Treaties外部サイト

ECSC設立条約(1952年)以降の主な基本条約とその内容、条約本文へのリンクが紹介されています。

欧州連合(EU)-概況外部サイト (外務省HP)
一般事情、略史、要人往来などの日EU間外交関係、政策、主要機関などが紹介されています。

2. 主なEU機関

European Parliament外部サイト: 欧州議会(EP)
EU加盟国民の中から直接選挙によって議員が選出される、EU市民を代表する機関です。EUが行う諸活動の監督のほか、EU理事会と共同でEU法の制定も行います。

European Council外部サイト: 欧州理事会、EU首脳会議、EUサミット
EUの最高意思決定機関です。各国首脳、欧州理事会議長、欧州委員会委員長で構成され、EU組織や政策の重要方針を協議、決定します。

Council (of the European Union)外部サイト: 理事会、欧州連合(EU)理事会、閣僚理事会
EUの立法機関の一つです。政策分野・内容ごとに委員会が設けられ、それぞれ各加盟国から閣僚級代表1名が出席して協議を行います。加盟国間の政策調整、予算の承認といった役割も有しています。
※Councilと付く組織が複数あるため注意が必要です。 混同しやすい3つのCouncil を参照)

European Commission外部サイト: 欧州委員会、コミッション
EU組織の中で唯一、法案提出権限を持つ行政執行機関です。欧州全体の利益を代表し、政治的に独立して政策を実施します。委員は欧州理事会によって選出され、欧州議会がそれを承認します。

Court of Justice of the European Union外部サイト: 欧州連合司法裁判所(CJEU)
EU法の解釈、加盟国や各機関による法の遵守を監督する司法機関です。司法裁判所、一般裁判所、専門裁判所で構成されます。

European Central Bank外部サイト: 欧州中央銀行(ECB)
単一通貨であるユーロの発行や管理、金融政策などを行う機関です。

European Investment Bank外部サイト: 欧州投資銀行(EIB)
EU域内の低開発地域支援、国際競争力向上に関係するプロジェクトへの融資・保証等を行います。

European Court of Auditors外部サイト: 欧州会計検査院(ECA)
EU予算の歳出入の検査、財務管理の監査などを担当する機関です。

対外政策機関

European External Action Service外部サイト: 欧州対外行動庁(EEAS)
外務大臣に相当する外務・安全保障政策上級代表を補佐する機関として、2009年リスボン条約によって設立されたEUの対外活動を担当する機関です。

諮問機関

European economic and Social Committee外部サイト**: 欧州経済社会評議会 (EESC)
**経済的・社会的利益団体を代表する評議員で構成される諮問機関です。EUの市民社会組織の代表としてEUと市民をつなぐ役割を持ち、経済社会問題に関する各機関からの諮問に対して答申を行います。

Committee of the Regions外部サイト: 地域委員会(CoR)
地域・地方政府の代表者により構成される諮問機関です。各地域・地方の利害が関係する諮問に対して答申を行います。

その他の機関

European Ombudsman外部サイト: 欧州オンブズマン
EU諸機関に対する不服調査を担当する制度機関です。不服申立人と不服対象機関との間での和解を促す役割を担います。

European Data Protection Supervisor外部サイト: 欧州データ保護監督(機関)(EDPS)
個人情報保護のための機関です。EU諸機関の政策や活動が適切に個人情報保護を行っているか監督、助言等を行います。

Agencies and other EU bodies: 専門機関およびその他のEU組織
専門機関(Agency)は欧州委員会の行政機能を補佐するための諸機関で、委員会とは別の独立性のある法人として設立されます。専門機関を含む他のEU組織については、EUサイト(EUROPA>How the EU works>Agencies and other EU bodies)外部サイトをご覧ください。

図書館・電子図書館・公文書館

Library and e-Resources Centre外部サイト
欧州委員会の図書館です(旧称、中央図書館)。蔵書目録(Find-eR)外部サイトで蔵書の検索ができます。

Europeana外部サイト
EU加盟国を中心とした電子図書館のコンテンツを一括して検索できるポータルサイトです。書籍、新聞、公文書などのテキスト資料のほか、絵画、地図、写真、視聴覚資料といった様々な電子化された資料を検索できます。

Historical Archives of the European Union (HAEU)外部サイト
欧州大学院(European University Institute)に付属する公文書館です。EU議会や理事会などのEU諸機関の歴史的な公文書を所蔵しており、所蔵情報はsearch the database外部サイトで検索できます。

Historical Archives of the European Commission外部サイト
欧州委員会の歴史公文書館です。所蔵資料の検索はARCHISplus(資料群(Archival fonds)外部サイト議事録(Minutes of meetings)外部サイト演説(Speeches)外部サイト)から探すことができます。

その他の図書館、公文書館を探すにはEUサイト(EUROPA>Publications>Libraries and Archives)外部サイトを参照してください。
各国および各EU機関別の公文書資料へのアクセスについては『BLUE GUIDE』(PDF)外部サイトでも紹介されています。

混同しやすい3つのCouncilと2つのEC

3つのCouncil

Councilと付く似た名称の機関が複数あるため注意が必要です。特にCouncil of EuropeはEUの機関ではありません。

  • European Council
    欧州理事会、別名EUサミットとも呼ばれます。各国首脳が集うEUの最高意思決定機関です。
  • Council of the European Union
    閣僚理事会、EU理事会、単に理事会とも呼ばれます。各国の閣僚級代表で構成され、政策分野ごとにEU法の立法や各国間の調整等を行います。
  • Council of Europe
    欧州評議会(ヨーロッパ評議会、欧州協議会、欧州会議など様々に訳されます)はEUの機関ではなく全く別の国際機関です。人権や民主主義、法の支配の遵守を目的として1949年に設立されました。EU加盟国も含む47か国が加盟しており、本部はストラスブール(フランス)にあります

    参考:RN「Council of Europe」

2つのEC

どちらも「EC」「欧州共同体」と表示されることがあるため注意が必要です。

  • European Communities, EC(複数)
    欧州共同体または欧州諸共同体と呼ばれる、EEC(のちのEuropean Community)、ECSC、Euratomの3機関の総称です(2002年7月ECSC消滅以降は2機関の総称)。Communities と複数形で表記されます。
  • European Community, EC(単数)
    欧州共同体と呼ばれます。EECが欧州連合条約(マーストリヒト条約、1993年)によって改称された名称です。Communityと単数形になっています。

(補足)1967年にEEC、ECSC、Euratom各機関の理事会と執行機関が統合されたことでEC(複数)という表現が使われるようになります。1993年、欧州連合条約によりEUが誕生し、EC(複数)はEUの基本的な構造であった「3本の柱」のうちの一つとなりました。すなわち、EUという大きな枠の中にEC(複数)があり、さらにそのEC(複数)の中にEC(単数)が存在している状況が、リスボン条約(2009年)によるEU再編が行われるまで続きました。

3. 国立国会図書館の所蔵資料

当館は1963年にEU(当初はEC)の寄託図書館に指定されており、EUに関する様々な資料を所蔵しています。議会官庁資料室では、主にEUが発行したドキュメント(公式文書)やパブリケーション(印刷刊行物)、目録やダイレクトリなどの参考資料を所蔵しています。
また、研究書など民間の出版社から発行されるEU関連資料のほとんどは書庫で保管されています。これらの資料を探す場合は国立国会図書館サーチでキーワードや資料のタイトルなどの情報から検索してください。

4. 資料の探し方

資料の特徴や種別で探す

基本資料(年鑑、目録などの基本資料を探す場合)
ドキュメント・パブリケーション(公式文書や報告書、刊行物を探す場合)
統計(EUが調査・公開している統計情報を調べる場合)
検索ツール(電子・インターネット情報/冊子を使った検索方法の紹介)

特定のテーマ別に探す

法令資料、判例資料、議会資料
テーマ別主要資料
EURレポート(Joint Research Centre発行の科学技術に関する調査レポート)

検索ツールを使って探す(インターネット、データベースなど)

公式サイトEuropa(当館によるEU公式サイトの紹介)
EUR-Lex、Pre-Lex、N-Lex、Legislative Observatory(EUが提供するデータベースの紹介)
検索ツール(その他の電子・インターネット情報/冊子を使った検索方法の紹介)

Europa外部サイト(EU公式サイト)(英語)

EUサーバー内のコンテンツ(一部)
Newsroom外部サイト(プレスリリースや視聴覚資料など、EUの最新情報を入手可能)
Eurostat外部サイト(EU統計の総合サイト)
EUR-Lex外部サイト(EUの法令データベース)
EU Bookshop外部サイト(EU出版物の購入や一部刊行物のスキャン画像のダウンロードが可能)
Jargon外部サイト (EUで用いられる専門用語の紹介)
EuroVoc外部サイト (EU用語のシソーラス。多言語対応で、複数言語での用語表記を探す際に便利)

駐日欧州連合代表部外部サイト(日本語)

欧州連合(EU)外部サイト(外務省HP)

EU関連用語集外部サイト(外務省HP)