水環境について調べる

ここでは、海洋や河川、湖沼などの水環境(水質、水量、水生生物、水辺地など)について、よく参照される科学的事実を体系立てて掲載している事典類やデータ集などの資料やその探し方を紹介します。
『資料名』(書誌情報)の後ろに*が付いている資料は、国立国会図書館サーチの書誌詳細画面に目次があります。

【 】内は当館請求記号です。

1. 基礎的な事典類

  • 『理科年表 = Chronological scientific tables』(丸善出版 年刊 【Z43-469】)
  • 『理科年表 = Chronological scientific tables』(机上版 丸善出版 年刊 【Z43-470】)(目次例: 2021
    自然科学分野全般を網羅したデータブックです。「地学部」では、世界・日本の主な河川、湖沼、海洋、海溝などの一覧や海洋の深さの面積比などがわかります。「環境部」では、地球の水量の分布、地球の水の循環量、陸地から海洋への年間流入量などがわかります。
  • 『環境年表 第7冊(2021-2022)』(丸善出版 2021.11 【E2-M107】)*
    地球全体、局所的地域、生活環境などに関する科学データを取りまとめた資料です。第5章で水循環を、第6章で陸水・海洋環境を扱っています。巻末に索引があります。
  • 『水環境の事典 = Encyclopedia of Water Environment』(朝倉書店 2021.4 【NA2-M34】)*
    水環境に関する歴史、技術、注目を集めている問題など約230の事項を解説した資料です。「第Ⅰ部 水環境の歴史」「第Ⅱ部 水環境を巡る知と技術の進化と展望」「第Ⅲ部 広がる水環境の知と技術」の3部構成となっています。付録として、「水環境関連年表」を掲載しています。巻末に索引があります。
  • 『水の総合辞典』(丸善 2009.1 【PA2-J23】)
    水全般に関する用語5,500語以上を五十音順に排列し、平易に解説しています。学術用語、季語、ことわざなど、幅広く取り扱っています。付録として、「平成の名水百選」、「ミネラルウォーター類の分類」などを掲載しています。巻末に和文・英文索引があります。
  • 『水環境ハンドブック』(朝倉書店 2006.10 【NA2-H71】)*
    水に関する場所や空間、水処理技術、分析法などを解説しています。有害化学物質の毒性や人の健康に影響を及ぼす健康関連微生物などについてもまとめています。巻末に「水環境関連年表」などの付録と索引があります。
  • 『海洋の健康診断表 : 総合診断表』(第2版 気象庁 2013.10 【ME151-L3】)
    地球環境問題の視点から海洋の現象についてまとめています。海洋の状況や変動の原因、今後の見通し、地球環境との関連性などを掲載しています。 気象庁ホームページ内「総合診断表 第2版」外部サイトのページに全文が公開されています。冊子体刊行後の訂正や更新なども掲載しています。
  • 『海の百科事典』(丸善 2003.3 【ME2-H1】)*
    海洋に関して網羅的に扱った資料です。海洋関連の事柄を五十音順に排列し、平易に解説しています。学術用語、マリンスポーツ、考古学、歴史など、幅広く取り扱っています。目次の後にキーワード索引があります。また、巻末の付録に日本や世界の表面水温図などを掲載しています。
  • 『陸水の事典』(講談社 2006.3 【ME2-H26】)
    陸水に関する用語約5,000語を五十音順に排列し、平易に解説しています。付録として、「日本の湖」、「日本のダム湖」、「日本の河川」、「外国の湖(ダム湖を含む)」、「外国の河川」の一覧を掲載しています。巻末に欧文索引があります。
  • 『川の百科事典』(丸善 2009.1 【ME2-J9】)
    川に関して網羅的に扱った資料です。「総論」では、川の利用、災害、河川生態系などを平易に解説しています。「各論」では、河川関連の用語を五十音順に排列し、解説しています。付録として日本・世界の河川関連の主な人名の一覧表なども掲載されています。巻末に和文・英和索引があります。
  • 『全世界の河川事典』(丸善出版 2013.7 【ME2-L3】)*
    日本国内の約3,000の河川・湖沼、全世界の約1,000の河川・湖沼の長さ、流域面積、特徴、水害の記録などが掲載されています。河川・湖沼の位置を示した河川地図も掲載しています。付録として明治以降の河川関連事項をまとめた年表、日本・世界の主な湖沼・ダムをまとめた表などが付されています。巻末に河川・湖沼(和文・欧文)の索引があります。
  • "Encyclopedia of water : science, technology, and society"(John Wiley & Sons, Inc 2020 【ME341-D1】)
    水について網羅的に記載した全5巻からなる資料です。229の記事で構成されています。第5巻の巻末に全巻の索引があります。
  • "Encyclopedia of ocean sciences"(Third edition Academic Press is an imprint of Elsevier, [2019] 【ME2-D3】)
    海洋科学について網羅的に解説した全6巻の資料です。
  • "World seas : an environmental evaluation"(Second edition Academic Press [2019] 【ME311-B52】)
    世界の海の環境状況に関してまとめた全3巻の資料です。第1巻、第2巻では、世界の海の歴史的外観、現在の状況、問題点、将来へ向けての提言などが記載されています。また、第3巻では、沿岸や埋立地の開発および利用とその影響、汚染物質の排出、乱獲の影響など海に関する地球規模の問題を取り扱っています。各巻末に索引があります。
  • "Encyclopedia of lakes and reservoirs"(Springer [2012] 【ME2-B33】)
    湖沼や貯水池に関する約200件の事柄をアルファベット順に排列し、解説した資料です。湖沼の環境、生態系、各地域の湖沼の特徴などを解説しています。巻末にAuthor index、Subject indexがあります。
  • "Encyclopedic dictionary of hydrogeology"(First edition Academic Press 2009 【ME2-B37】)
    水文地質学に関連する2,000語以上の用語を図やグラフとともに解説しています。Appendixに有機化合物などの物性データをまとめた表があります。

2. 国立国会図書館サーチで検索するには

ここに紹介する以外の資料は、国立国会図書館サーチで検索できます。タイトルや編者・出版者名に含まれるキーワードから探してください。科学技術振興機構が提供するJ-GLOBAL外部サイトにて別名や同義語を調べ、キーワードを広げることも有用です。

国立国会図書館サーチの検索結果を所蔵場所「科学技術・経済情報室」で絞り込むと、科学技術・経済情報室で開架している参考図書類を検索できます。

ここでは、国立国会図書館分類表(NDLC)による分類や国立国会図書館件名標目表(NDLSH)による件名から検索する代表的な方法を紹介します。

分類

以下のような分類記号に、キーワードを掛け合わせて検索します。

  • 地球科学(事典・便覧類) ME2 ※海洋、陸水を含みます
  • 海洋 ME311
  • 海水 ME313
  • 陸水 ME341
  • 湖沼 ME343
  • 河川 ME347
  • 陸水誌・河川誌(日本) ME352
  • 陸水誌・河川誌(海外) ME354

件名

「水文学」、「水質管理」、「水資源」、 「海洋」、「海水」、「河川」、「陸水学」、「湖沼」などが普通件名として挙げられます。

また、Web NDL Authorities(国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス)の分類記号検索において「NDLC」を選択し、「ME313」、「ME341」などで検索すると、水環境に関するほかの普通件名を探すことができます。

3. インターネット情報源

  • 水環境総合情報サイト外部サイト(環境省)
    公共用水域水質測定データ、水浴場水質測定データなどの水質調査データや全国水生生物調査の結果などを公開しています。また、「平成の名水百選」や「快水浴場百選」なども掲載されています。
  • 水情報国土データ管理センター外部サイト(国土交通省)
    水に関する様々な情報をまとめています。河川水位、雨量、水質などの観測データを提供している「水文水質データベース」、リアルタイムの河川水位、雨量などを提供している「川の防災情報」、河川水辺の生物の生息環境などの調査結果を提供している「河川環境データベース」や「水害統計調査」などが公開されています。
  • 海洋情報クリアリングハウス(マリンページ)外部サイト
    国内の各機関がそれぞれ保有し提供している海洋情報やデータを横断的に検索できるデータベースです。水温や海流、海上気象などの自然科学系の情報のほか、海洋に関する法制度や防災情報などの社会情報なども対象とされており、データベースや印刷物など各媒体の情報が掲載されています。
  • 日本海洋データセンター外部サイト(海上保安庁)
    国内の海洋調査機関によって得られた海洋データおよび情報を公開しています。海水温や海流などの海洋観測データ、日本近海の海洋生物(プランクトン)の観測データ、海洋分野の略語辞典などが掲載されています。
  • 気象庁外部サイト
    「分野別にさがす「海洋」」外部サイトのページに、海洋に関する情報をまとめています。「海洋の健康診断表」外部サイトでは、海洋について最近の状況や今後の見通し、観測・解析データなどを提供しています。波浪、海氷、海流などの項目や日本近海などの海域から調べられます。
  • 水産研究・教育機構外部サイト
    「データベース等」外部サイトのページに、海洋に関する各種データベースを公開しています。リアルタイムの海洋情報、日本近海の過去の海況や今後の海況予測などのデータを提供しています。
  • GEMStat外部サイト
    国連環境計画(UNEP)が運営する世界の河川、湖、貯水池、湿地、地下水の水質を検索できるデータベースです。化学物質の含有量やpHを調べることが出来ます。80か国以上のデータを収録しています。
  • National Centers for Environmental Information外部サイト
    米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)が運営するデータセンターであり、世界の海洋データなどを提供しています。「World Ocean Atlas 2018 Figures」外部サイトでは、世界全体の海洋における水温、塩分濃度などの解析図を調べられます。「Regional Ocean Climatologies」外部サイトでは、北極海や東アジアといった海域別の水温、塩分濃度などの解析図を調べられます。
  • World Lake Database外部サイト(国際湖沼環境委員会)
    世界の湖沼を検索できるデータベースです。湖沼名や国名などから検索でき、湖沼の表面積や平均水深などを調べられます。

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