並列タイトル等しらおいちょう ぽろと3いせき
国立民族共生公園整備事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書
一般注記白老町ポロト3遺跡は、ポロト湖南岸のウツナイ川が流出する地点から南南西へ約200m、泥炭土やUs-bで被覆された現標高約6mの砂丘に立地する。遺構は、擦文文化期後期~アイヌ文化期の焼土1か所(F2)、縄文時代中期もしくは擦文文化期前期の焼土1か所(F1)を検出したが、主体は縄文時代中期(特に中頃~後半)の遺物集中で、土器片集中6か所(PB1~6)、黒曜石の剝片・砕片集中5か所(FB1~5)、礫集中11か所(SB1~11)がある。遺物は土器1,704点、石器等5,042点が出土し、縄文時代中期中頃~後半のものが大部分を占める。中期の土器は、中頃~後半の萩ヶ岡2・3式、柏木川式・大安在B式~ノダップⅡ式に相当するものが主体である。前半のものは少ないが、サイベ沢Ⅵ式に相当する復元個体が得られた。末葉の煉瓦台式、北筒式に相当するものはわずかである。この他、縄文時代後期、続縄文時代とみられる土器が数点、擦文文化期の土器が約50点得られた。石器等は、剝片・砕片集中との関連をうかがわせる石槍、両面加工石器が目につく。調査結果をまとめると、遺跡の主体時期である縄文時代中期は、砂丘に土壌が発達し始める時期(砂丘固定期)にあたり、中期中頃~後半には、そうした環境の中で、黒曜石の石槍等の製作や、礫集中の礫を錘とした網漁が行われたと推測される。
DOI10.24484/sitereports.70352
一次資料へのリンクURLhttp://sitereports.nabunken.go.jp/files/attach/35/35983/70352_1_白老町ポロト3遺跡.pdf
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)