タイトル(掲載誌)平成17(2005)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2005 Research Project Summary
一般注記九州大学 / 金沢大学理工研究域
N×Nエルミート行列全体の空間の上にガウス測度を考え(Gaussian Unitary Ensemble),そのN個の実固有値をR上の点配置とみなすことによってフェルミオンランダム点場が得られる.これと同様にしてN×N複素行列全体の空間の上にガウス測度を考える(Gillibre Ensemble)と,そのランダムな複素固有値はC上のフェルミオンランダム点場となり,N→∞の極限では平行移動と回転に関して不変な,積分核exp(zw^^-)に付随するフェルミオン点場に収束する.この複素平面上のフェルミオンランダム点場に対して,半径rの円内にある点の個数を数える確率変数n(r)を考え,その分散をフーリエ級数の方法で計算することにより,r→∞で期待値E[n(r)](=r^2)の1/2乗のオーダとなることを示した.これは,無相関のランダム場の典型であるポアソンランダム点場の場合に分散が期待値E[n(r)](=r^2)と同じオーダになるのと比較すると大きく異なることがわかる.また,確率変数の族{n(r)/E[n(r)],r>0}に対する大偏差確率P(a【less than or equal】n(r)/E[n(r)]【less than or equal】b)がr→∞で(1【not a member of】[a,b]ならば)exp(-Cr^4)のオーダで減衰することを示し,その漸近挙動にあらわれる定数も具体的に計算して大偏差原理を証明した.ポアソンランダム場の場合に大偏差確率がexp(-r^2)のオーダで減衰することを考慮すると大偏差についても特異な振舞いをすることが明らかになった.同じ問題を積分核exp(zw^^-)をもつボゾンランダム場についても考え,現象としてはポアソンランダム場と同様であることを示した.
研究課題/領域番号:15740055, 研究期間(年度):2003 – 2005
出典:「フェルミオン・ボゾンランダム場の一般化に関する研究」研究成果報告書 課題番号15740055(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15740055/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=54818&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=70302932
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15740055/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)