タイトル(掲載誌)平成12(2000)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 2000 Research Project Summary
一般注記金沢大学医薬保健研究域薬学系
抗不整脈薬であるアミオダロンはヒトにおいて主にN-脱エチル化を受けてデスエチルアミオダロンへと代謝される。本研究では、この反応を触媒するヒトP450分子種の寄与率を検討した。バキュロウイルス発現系ミクロソームを用いたアミオダロンN-脱エチル化酵素活性のクリアランスはCYP3A4が最も高く、ついでCYP2C8、CYP1A2、CYP2D6、CYP2C19の順であった。ヒト肝ミクロソームにおけるアミオダロンN-脱エチル化酵素活性はCYP3A抗体およびCYP3A4の阻害剤であるケトコナゾールによって強く阻害され、また、CYP2C8の阻害剤であるクエルセチンおよびCYP1A2の阻害剤であるフラボキサミンによっても阻害された。6検体のヒト肝ミクロソームにおけるアミオダロンN-脱エチル化酵素活性は低基質濃度ではCYP2C8の特異的酵素活性であるパクリタキセル6α-水酸化酵素活性と有意に相関し、高基質濃度ではCYP3A4の特異的酵素活性であるテストステロン6β-水酸化酵素活性と有意に相関した。発現系ミクロソームとヒト肝ミクロソームにおけるP450各分子種の特異的酵素活性の比(Relative Activity Factor,RAF)を用いてアミオダロンN-脱エチル化に関与する分子種の寄与率を算出したところ、低濃度域ではCYP2C8の寄与率が大きく、CYP3A4と同等またはそれ以上にもなる検体も認められた。高濃度域ではCYP3A4の寄与がほとんどであり、CYP1A2、CYP2D6、CYP2C19の寄与は小さいことを明らかにした。
研究課題/領域番号:11771468, 研究期間(年度):2001-2005
出典:「薬物の代謝に関与するP450各分子種の寄与率の定量的評価」研究成果報告書 課題番号11771468(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) ( https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11771468/ )を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=54434&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=70266162
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11771468/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)