タイトル(掲載誌)平成11(1999)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary
一般注記金沢大学がん進展制御研究所
免疫抑制剤FK506によるNF-κB活性化の機序を明らかにするため、そのインヒビターのIκBαの分解について解析した。その結果、その分解は、IκBαのN末部の32番目と36番目のセリン残基(Seri32/Ser-36)に依存し、従来指摘されていたプロテアソームが関与していることを確かめた。さらに、Ser-32で燐酸化されたIκBαに対する特異抗体を用いてウェスタンブロットした結果、FK506がIκBαのSer-32の緩徐な燐酸化を引き起こすことが確認された。しかし、FK506はJNKの強い活性化を引き起こすにも関わらず、FK506によるIκB Kinase(IKK-1/-2)の活性化は認められなかった。また、IL-1によるIκBαの分解では、N末部のセリン残基の燐酸化に依存したN末部の21番目と22番目のリジン残基(Lys-21/Lys-22)へのユビキチン化が必須であるが、FK506によるIκBαの分解はこのN末部のユビキチン化部位に依存しないで起こった。以上、FK506によるIκBαの分解は、従来考えられている機構とは異なり、N末部のセリン残基の燐酸化には依存するが、N末部のユビキチン化部位には依存しないプロテアソーム蛋白分解機構によって起こると考えられた。現在我々は、ユビキチン化部位に依存しないプロテアソーム蛋白分解機構の解析を進めている。
研究課題/領域番号:11144217, 研究期間(年度):1999
出典:「細胞ストレス応答におけるプロテアソームの活性制御機構」研究成果報告書 課題番号11144217(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11144217/を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=54486&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=60115285
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11144217/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)