タイトル(掲載誌)平成24(2012)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究課題概要 = 2012 Research Project Summary
一般注記金沢大学薬学系
経口投与された薬物の消化管吸収を制御する因子として、小腸刷子縁膜に発現するトランスポーターが着目されており、トランスポーター基質の相互作用が臨床的に報告されている。本研究は我々が複数のトランスポーターの発現・機能制御因子であることを見出したアダプタータンパク質PDZK1に着目し、(i)トランスポーター・アダプター共発現系を用い、生体での薬物間相互作用評価系を確立すること、(ii)その系を応用して臨床薬の薬物間相互作用解明を試みた。小腸での吸収機構が未知であった経口血小板増多剤eltrombopag(ELT)の消化管吸収機構に排出トランスポーターBCRPが関与することをin vitroおよびin vivoの両面から明らかとした(論文投稿準備中)。BCRP介したELTの経細胞輸送はBCRP単独発現細胞でもわずかに観察されたが、その輸送はPDZK1存在下で有意に高く、特異的阻害剤存在下でMock細胞レベルまで阻害された(論文投稿準備中)。Mdr1a/1b/bcrp^<-/->マウスを用い、ELTの消化管吸収にBCRPが関与することを示した。ELTは高脂血症治療薬rosuvastatin(RSV)との併用で、RSVの血中濃度が1.5倍上昇することが報告されている。RSVの消化管吸収にもBCRPが関与することから、RSV輸送に対するELTの影響を検討した。BCRPを介したRSV輸送はELT濃度依存的に阻害された。よって、BCRPを介したRSVの消化管分泌をELTが阻害することで、臨床においてこの両者を併用した際にRSVの血中濃度が上昇した可能性を示唆した(論文投稿準備中)。本申請研究は順調に進行し、その結果は国内学会、国際学会で発表するとともに、学術誌に投稿準備中であり、世界に向けて情報を発信した。
研究課題/領域番号:24790150, 研究期間(年度):2012
出典:研究課題「小腸排出トランスポーター・アダプター共発現細胞を用いた薬物相互作用評価系の構築」課題番号24790150(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-24790150/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=60493&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=70542190
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-24790150/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)